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日本の財政について考える  その1

2012年01月12日

日本の財政について考える  その1

 いつも本誌で「日本国債は海外でもっと買われるはずなので、もっと積極的に売り込んで財源を確保すべき」と書いているのですが、だいたい読者の方からは懐疑的なご意見を頂戴します。

本誌がそう思う理由は単純で、世界で最も買われている「円」で「国債」で、さらに「海外投資家の保有が少ない」からなのです。

しかしそれ以上に、旧大蔵官僚が増税を行うために「日本の財政状態はギリシャよりひどい」と繰り返すので、本来は「国策」のために海外に向けて「日本を正しく理解してもらい、日本国債を買ってもらわなければならない」政府首脳が「日本はギリシャより財政状態がひどく、ギリシャ国債みたいに暴落する日本国債はとても海外に勧められない」と思い込まされているからです(だから中国国債をパンダ貸与の見返りだけで買うことを約束してくるのです)。

しかしそうはいっても、一度は日本の財政状態を公平に見てみることにします。その中で、もう一度この点について考えてみたいと思います。

まず、平成23年9月末現在(これが最新です)の国家債務は、普通国債656.5兆円・財投債(財政投融資特別会計国債)113.1兆円、借入金56兆円、政府短期証券128.8兆円の合計954.4兆円なのですが、それに政府保証債務が43.8兆円あるため総合計は998.2兆円となります。

 ついでにいうと地方債務(長期債務だけですが)が201兆円あります。

日本の平成23年度の名目GDPが469兆円(実質だと537兆円なのですが、何の意味もありません)なので、確かに国家債務だけでGDPの212%となります。

しかし、財投債の113.1兆円は一応財投融資先の資産があるはずで、政府短期証券の128.8兆円は為替介入により取得した外貨があり、普通国債のうち250兆円の建設国債は一応道路とかダムとかが子孫に残されているはずなので(まあ、みんな相当目減りしているはずですが)、純粋に使ってしまった国債残高(赤字国債)は406兆円でGDPの86%しかないのです。

あまり意味のない比較ですが、この比率はドイツや英国とほぼ同じです。しかし本当に官僚が省益より「国策」を考えているなら、これも国民や海外に説明すべきなのです。

昨年末に閣議決定された平成24年度予算案(カッコ内は平成23年度当初予算)は、一般会計90.3兆円(92.4兆円)、税収42.3兆円(40.9兆円)、国債発行44.2兆円(44.3兆円)と苦心の跡が見られるのですが、いくつかの「操作」があります。

まず平成23年度は当初予算から(あの不幸な東日本大震災があったからなのですが)第4次までの補正予算が組まれて11.5兆円の復興国債が発行されています。

この復興国債は将来の増税した資金で償還することに「いつの間にか」なっているのですが、復興とは関係のない支出も紛れ込んでいるようです。平成23年度の年金の国庫負担分の2.5兆円もここから支払われているのですが、これは震災後の第1次補正の時に財源がなくて流用していた分が戻されただけです。

平成24年度予算では、まず3.7兆円の復興経費を特別会計にして「外出し」し、年金の国庫負担2.6兆円をとりあえず交付国債にしてこれも「外出し」しています。

この年金については、とりあえず2.6兆円を資産である年金積立金から支払い、交付国債という「約束手形」を差し入れておき、将来増税が出来て財源が確保できれば2.6兆円を積立金に戻すのですが、もし増税が出来なかったら積立金から払いっぱなしとなるのです。

これらを計算に入れると、平成24年度の一般会計は96.6兆円となり、不足分をすべて国債発行で賄うと50.5兆円の発行となります。まあ確かに「やりくり」でどうにかなる数字ではなさそうなのですが、それでは「国策」的にどうしたらいいか考えてみましょう。

「増税」により経済を疲弊させるのではなく、とりあえず財政赤字には目をつぶり経済成長を目指し、将来の税収拡大を図る。経済活動の拡大に各種インセンティブを付与する。

「株高」と「円安」による「資産効果」を重視する。同時に「資産」や「資産価値の上昇分」に対する課税強化。

海外に「日本国債」の取得(保有)を積極的に推進し、同時に国内でも「国債取得(保有)」のためのインセンティブを付与する。

国民金融資産の「海外逃避」を防ぐ(海外逃避と海外投資は違います)。特に相続税逃れを防ぐ。

 この4点だと思います。具体的には次回書きます。

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コメント
毎日楽しみに拝見させていただいています。
世界経済が長期の低迷から崩壊の危機にある中で日本が生き残れるのは相対的に傷が浅く優位に立てる事ぐらいがせいぜいではないでしょうか?政策で日本の株だけが突出して上昇するなどありえないし下げが限定的になる程度がせいぜいだろうと思います。ユーロ圏が危機に直面しとりあえずアメリカはなんとかもちなおしているが、すべてが株価や通貨に反映されていると見ていいのではないでしょうか。株価を高値安定させる事は経済の最重要事項だと思いますが剥げればそれまで。
今や企業は太いロープで世界中が繋がっており大企業も油断ならない状態であろうと推測しています。
トップから日本国債を売ってこい言われても円の債券は積極的に売るというのは、せいぜいflight to qualityで避難場所になることくらいしかおもいつかない。90年代から何度も日本の国債の異常を指摘されて暴落を夢見て撤退した者も多いからか海外の論調ではアメリカと日本は今年もほとんどかわらずとみられている。案外油断すると暴落になり銀行を中心に想像以上の危機が表面化することもありとも思います。
どう考えても資本主義の終焉の始まりのような悲観的な見方しかできない。世界経済の延長線上には回復から成長という事はあり得ると思われますか?
大変参考にさせていただいております。
最近「デフレの正体」という本を読みました。その趣旨は、不況の原因は「生きていくために色々なものを購買する必要の高い現役の生産人口の減少が、様々な消費の縮小を招いている」と主張しています。

ざっくり言えば「外貨を頑張って稼いでも、それ以上のスピードで内需が人口減により縮小する」ということです。

一方で国富のほとんどが高齢者の貯蓄となっている現状があり、これらの高齢者は相対的に購買力が弱く(あまり欲しいものが世の中にない)、さらに老後に対する不安も手伝って、消費を控える傾向が高いということです。

さらに中高年齢層の既得権保持(相対的に若年層より正社員として雇用と待遇が守られている)ことにより、このまま若年層の所得や消費が拡大しないと、結婚数・子供の人数の低下など経済のパイ自体が小さくなっていくという状況に警告を発している内容になっています。

将来の日本の財政を考えるにあたり、

「株高」「円安」などの資産効果、円建ての国債を外国にもっと購入を促すというご提案の施策は、私も賛成なのですが、現在の不況が上記の原因によるものであった場合は、短期的で限定的な効果(やらないよりまし程度)しか期待できないのでないかと思うのですが、どうお考えですか?
>最近「デフレの正体」という本を読みました

「デフレの正体」の批判リンク
http://nebula3.asks.jp/35525.html
欺くもの
あいかわらず、主導部は、危機を吹聴し
本来はありもしないはずの苦難へと人々
を陥れようとしていますね。

まずアンフェア、
サブプライム講、
終焉、当局は、即座に
金融機関がかかえた不良債権を簿価で財務省証券
と交換するという国家公認の飛ばしが実行された。
これはバブル崩壊後のJにおいても
有効な処方であったが、欧米迎合学者、メディアが
時価会計基準キャンペーンを繰り返し否定的空気を
つくった。
アンフェアではあるが、Jには自ら毅然たる
意志をもたない者としての結果があるのみ。

さて財政の収入、支出、そして赤字、規律、危機とは何だろう。
マネーとは?

世界の好況不況は現有資源の増減には係わりない。

=例年通りの生産活動を維持すれば例年同様の生活を
維持するのに何ら支障はない。

しかるに過去の消費の数字の積算記録に過ぎない財政負債が、
この世を終わりに導くがごとくに、危機感を煽る者とは何者か。

財政規律とは各国家相互の資源の利用/分配を公正、平等に
保つモラルの問題である。
=各国が自国総生産を超え消費を拡大=規律なく財政支出を
行いより多くの世界資源を消費し、より豊かな生活を求める。
=財政支出を拡大した者勝ち=モラルハザード/アンフェア
=せっせと働く国がバカらしい世界になる。
端的に、ギリシャ/ドイツの関係。

世界の総生産性が例年通り維持され直ちに時価評価を要する
債券が無限保障されるなら、危機は実在しない。

処方=?求められれば世界銀行が減価した債券を簿価で買い取る。
   ?対外債務超過がある国家については債券の償還を
    世界銀行が肩代わりし、該当国における総生産の
    向上もしくは、消費の適正化プログラムの企画と
    実行をサポートする。
    実績に従って該当国より債務の回収および減免の
    道程を協議する。

モラルの問題であって、死活的問題ではない。
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