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日本の財政について考える  その4

2012年01月19日

日本の財政について考える  その4

 昨日「日本の財政について考える  その3」を書いたところ、たくさんのコメントを頂戴しましたので、本日もその幾つかを反映させて続けることにします。

 まず日本国債の格付けは(正確に言うと国債格付けと政府格付けは違うのですが、混同して使うことにします)、先日ユーロ圏9か国の格下げを行った米国S&Pが昨年1月にAAマイナス(アウトルックは同年4月に「ネガティブ」)に、同じく米国Moody’sが昨年8月にAa3(アウトルック「安定的」)にそれぞれ格下げしています。

 両社ともかなり硬直的(要するに単純で機械的な)な格付け基準を採用しているため、日本国債の更なる格下げは十分考えられます。先日S&Pが、日本よりはるかに財政赤字の少ないスペインをAに格下げしているため、この辺まで下がると思います。

 本来は政府首脳や財務官僚が、日本国債について「将来にわたって国内資金だけで賄える」と内外に強調すべきなのですが、逆に増税のために「ギリシャ並み」と自ら公言しており「早く格下げしてくれ」と言っているようなものなのです。
 まあ、あまり関係ないと言えば関係ないのですが、やはり「国策」に反する行動です。

 そういえば、日本にも格付投資情報センター(R&I)という格付け機関があるのですが、昨年末に日本国債の格付けを最上格のAAAからAA+に1段階引き下げています。これも増税のためのアシストかもしれません。

 ついでに言えば、最近テレビや新聞に出てくる「専門家」のコメントもすべて「はやく増税しないと日本は大変なことになる」的なものばかりです。まあ、そう言わないと出してもらえないのでしょう。

 しかし、日本国債は格下げされても流通利回りは低下を続けます。これは格下げの悪影響が株式市場や実体経済の方に強く出るため、かえって国債に資金が集まるからです。

 次に、いくら国債の消化に問題がないと言っても際限なく国債を発行し続ければいずれ破綻してしまうのでは、というご指摘も頂いています。

 結論だけ言いますと、その通りです。

「何だ、結局そうか」と言われると思いますが、それは日本国全体の資産(資金)がこれ以上国債に回せなくなるほど減少するか(あるいは国債残高が膨らむか)、設備投資や株式市場や海外投資に資産(資金)が大量に振り向けられて国債にこれ以上回せない(あるいは売却しなければならない)事態に陥った時です。

 この点だけを先に書いておきますと、少なくとも現時点では2708兆円の資産があり900兆円くらいの国債残高ではびくともせず、設備投資や株式市場や海外投資は、経験的には金融機関の信用創造機能が回復して景気実感が改善しないと進まないため(だから円高と株安が続いている)、これも急に激増することはありません。

 つまり、そうなる前に十分時間はあるのです。

 しかしそうなる前に(さらに増税をする前に)絶対やっておかなければならないことがたくさんあります。

 まず、中央政府と地方公共団体(外郭団体を含む)の合理化なのですが、もちろん官僚の利権の温床なので簡単ではなく、野田首相は「政治生命をかける」場所を間違っているため期待できません。
 
 ここはまず業務の民間移譲から取り掛かるべきです。

 一例を挙げますと、先日の大学入試センター試験では数々のミスがあったのですが、これを独占的に扱っているのは「独立行政法人・大学入試センター」です。

 考えてみれば1年のうち実働が2日で、準備期間を入れても2か月くらいしかいらないはずのところに、お決まりの天下り役員と100人を超える専業人員を抱え、年間2.5億円の補助金を得ているのです。そもそも受験料が1万8000円で55万人も受験するので、収入が100億円もあるのに何に使っているかも良く分からず、100億円の土地も所有しているらしいです。(以上、1月18日付け日刊ゲンダイより)。

 これこそ大手予備校に入札で委託すれば(情報漏洩対策は必要なもの)大幅なコスト削減と質の向上が見込まれるはずです。

 これも、たまたま数多くのミスが出てニュースになったので気が付いたのですが、すぐにうやむやになってしまいます。しかしこんな例がいっぱいあるはずなのです。

 長くなりますので、具体的にどうするかなどは次回にします。でも明日はとりあえず別の話題にするかも知れません。

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関連記事
コメント
いつもいろいろな角度からカバーされていて目から鱗で毎日いい勉強になります。
さっそくFTのニュースで日本の国債の入札が人気だという記事を見つけました。Flight to qualityで欧米諸国のファンドマネージャーはよく理解しているようです。
色々な闇株の記事を読み解くと単純に考えていた日本が欧米の経済津波で崩壊しインフレになると言うのはどうやら後になりそうで撤回です。
今後も益々デフレの方向に進み、下手をすると消費税も上がり景気も頭を抑えられ現金の価値が益々増加しそうと考えた方がいいようです。
今後は、企業の業績が上がらず消費も増えない日本で毎年垂れ流される30-40兆円の赤字をどうするかがポイントでしょうか?
官僚は今後どうするつもりなのでしょうか?
何が何でも増税して赤字を減らす方向なら次に起きそうな事は自己防衛のみで益々縮小する経済。
あたりまえですが、どの政党も票欲しさに30兆円の赤字を切り込めないでいます。
将来バッサリ切られやすいのは大きな社会保障の国保で今後は3割が5割になるような自己負担の増加でしょうか?年金も間違いなく減らされたり延長させられてしまいそうです。
もちろん老人たちの一割負担は近々廃止で論外。
TPPも批准すれば国保の代替えとして外資が取り込み一石二鳥とかんがえているのでしょうか?
ちょっとした集まりに顔を出すと決まってこの国は一体どうなるのかという不安の声。
業務の民間委託だけでは手ぬるい。行政、立法も外国政府に委託すべきである。例えば新薬の許認可は全てスウェーデン政府に任せる。金融は英国又はシンガポールの法律を100%適用する。悪い頭であれこれ考えるのでなく、うまくやってる国の法制度をそっくりそのまま使用すればよい。政治家も役人も大幅に減らせる。農水省は廃止してよい。
直接、本文に関係はしませんが、いつか金融危機や財政問題とあわせて、金価格に関しても触れて頂ければ幸いです。
>設備投資や株式市場や海外投資は、経験的には金融機関の信用創造機能が回復して景気実感が改善しないと進まないため

2003年のVaRショックじゃないですけど、世界的な景気回復の時期が一番やばいかもって思います。今の日本国債は「デフレ」「円高」「不景気」に支えられていると思います。
私も増税は名目成長で4%まで上がればやればいいと思います。まずは、公務員や社会保障などムダを省くことを願います。
橋下徹について
橋下大阪市長は公務員のリストラを行うと言っていますが、それは可能なことなのでしょうか?またさらに大阪維新の会が国政に力を持つようになったとして、官僚に対抗し得るだけの力があるのか、答えてもらえると嬉しいです。
民主党の主張する歳入庁は、最高傑作のはずだがやる気はない。
税と社会保障の一体改革なのだから、消費税を上げる前に以下の事をすべきだろう。

前年の所得に基づき計算される税(所得税、県民税、個人事業税、市民税)は一つの税金にして行政が分け合えばいい。

サラリーマン(所得税市民税社会保険料は給料より差引)の様に確定申告時に所得税と一緒に国民年金保険料及び健康保険を徴収すれば未納問題も発生しない。

そして県税事務所、社会保険事務所などで発生した不必要な人員および徴収コストを、もっと高度でクリエイティブな仕事にまわす。

その代り給料は下げない。と約束するのです。給料は下げるとデフレが一層深刻化します。

しかし、地方公務員は別です。地方の物価に比べてあまりにも高すぎ、そして働かなさすぎです。
かっちゃん
公務員の身分は法律で保証されており、解雇は無理です。給与引き下げも無理です。
橋下市長の行政改革は、県を本体にして、市役所内組織の再編する形になると思われます。最初は単なる配置転換です。しかし退職者の代わりを少なくしか補充しないため、十年でリストラが進むでしょう。
官僚全部を敵に回した行政改革は不可能です。必ず取って代わるような味方を作らなければなりません。橋下市長の場合は県職員・市交通局が味方です。市役所の中に改革から利益を受け、改革に反対しない官僚を更に多く作れるかが、勝負でしょう。利益がダメなら脅す手もあります。橋下市長は当選後、市役所職員が選挙活動していいのか、去れ、と早速発言してます。橋本市政に協力することで職員は不問にされ、橋下市政は順調にスタートしたようです。選挙活動云々の脅しは一回使ったので二回目は別の脅しになるでしょう。本庁の市役所職員を区役所に割り振る。反抗的で割り振られない市職員は橋下市長と共にやがて地位消滅。市がなくなるので解雇も何もありません。
結局、市は区に空中分解し、その後がまに県が乗り込んで来る。そんな所でしょうか。
橋下組織改革は成功するでしょう。
歳出予算を見たら一番初めに削るべきは社会保障費としか見えないんですが…。たかが数百億単位のあぶく銭の話をしていても兆単位の話には到底及びつかない。
一番最初に削るべきは年金・健康保険・生活保護でしょ。一番効果がでかく高齢者の消費志向からしたら一番経済に対する影響が少ない。
株屋は高齢者がメイン顧客だから絶対そんなこと言い出さないでしょうが。
 >そういえば、日本にも格付投資情報センター(R&I)という格付け機関があるのですが、昨年末に日本国債の格付けを最上格のAAAからAA+に1段階引き下げています。これも増税のためのアシストかもしれません。

これ、そのとおりです。R&Iは、日本国債格下げの直前に、アメリカ証券金融委員会の公認格付機関認定を、自ら取り下げて外れています。
公認されている状態だと、格付について公正か監査されるから。
いまやR&Iは、日本国民を欺くための組織であります。
大きな所から削る・・・社会保障費を削る。
確かに、年金・介護・医療・生活保護を削らなければ財政再建できません。改革の本丸は郵政改革の他に社会保障改革だったでしょう。
しかし、社会保障を削ることは国民生活に重大な影響があります。政権として、議論したくない。議論すれば有権者に冷たい印象を持たれるため、国民的議論は無く、短い議論で財源不足〇×円だからとバッサリやります。命を削られる国民も出るでしょう。仕方ないことです。
不足〇×円は国民の幸せを考えるなら、少しでも圧縮しておくべきです。命を削られる国民の数が減ります。
そう、大学入試等への補助金を廃止したりしてね。
だから闇株さんが枝葉末節の削減話するのは私は賛成です。
国債よりも輪転機で直接紙幣を刷った方が早いと思うのですけど、問題は有るのでしょうか?


>国債よりも輪転機で直接紙幣を刷った方が早いと思うのですけど

日銀券そのものは日銀の負債に当たるので
自らのBSへの目配りしかしない日銀が受け入れるかどうか。

それにしても
"格付け会社が国債にネガティブシールを貼ったために株式市場が動揺して資金が株式から離れ国債に向かい国債が値上がりする"
現象は昨年アメリカでも発生したものですが、
たしかに一部の国の国債は格付け会社泣かせになってますね。
日本国民の為にならない、短期的視野な国策、いつまで経っても無くならない膨大な血税を搾取する天下りシステム、政府+大手マスコミ挙っての「財政赤字」プロパガンダ。
どれも酷い現状ですが、単純に考えてももし日本国が本当に「危機的財政赤字」なのであれば、円高になる筈が無いし、金利が1%以下で推移する(国債価格が高い)筈がありませんよね。
もしギリシャやスペインがEU加盟国でなければ、それらの国の通貨・国債は暴落しています。
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