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オリンパス事件とは何だったのか?

2012年01月23日

オリンパス事件とは何だったのか?

 先週末(1月20日)、東京証券取引所はオリンパスを「特設注意市場銘柄」に指定しました。「特設注意市場銘柄」とは最長3年の猶予を与えて企業統治や内部管理体制の改善状況を確認するもので、その間の同社株式の取引は継続されます。
 
 また同時に1000万円の上場契約違約金を求めるようです。

 東京証券取引所は、上場がとりあえず継続されることに対して「隠されていた損失額を決算に反映しても債務超過になっていなかった」ことと「損失隠しには歴代トップが関わっていたものの組織ぐるみではなかった」ことを理由に挙げています。

 まあ、ライブドアが債務超過でなくても「稀に見る悪質な犯行」と即刻上場廃止にしたことや、歴代トップのかかわる事例こそ「組織ぐるみ」だと思われることなど、東京証券取引所の「その時々の不思議な判断」は今に始まったことではないのですが、今回は止むを得なかったはずです。

 オリンパス事件とは海外から発覚した巨額粉飾事件で、通常の国内の経済事件のように「落としどころ」が決まってからマスコミを通じて発表されるのではなく、「落としどころ」が決められる過程が実況中継されたため、上場維持について東京証券取引所が独自に判断できない事情は想像できていました。

 つまりオリンパスの「落としどころ」とは、社会的責任を追及するよりも、出来るだけ企業価値を毀損せずに「オール日本(もちろん官僚組織も含む)」で管理下に置き、特に巨額の銀行貸付けを保全することであり、従って企業価値の毀損につながる「上場廃止」は勝手に切れないカードだったはずです。

 社会的責任をそれほど追及しないと考えた理由も、そもそも海外で発覚した事件なので日本の「捜査当局」としては敗戦処理案件であり「全力で取り組むモチベーション」が出ず、それより官僚組織全体として支援企業や貸付けのある銀行を含む「オール日本」の中でしっかりと存在感を出すこと(要するに利権確保)を優先したはずだからです。

 まあ日本長期信用銀行(現・新生銀行)みたいに、徹底的に外資に儲けられてしまうよりマシだと思います。昨年1月12日付け「あらゆる失政が凝縮された日本長期信用事件  その1」と、1月13日付け「あらゆる失政が凝縮された日本長期信用事件  その2」に書いてあります。かなり古い事件なのですが決して忘れてはならない日本金融行政史最大の汚点なのです。時間があったら読んでみて下さい。
  
 オリンパス事件に話を戻しますが、一応「責任者の刑事責任の追及」はあるはずですが、もう必要最低限にして山田・元常任監査役と森・元副社長だけを粉飾決算(金融商品取引法違反の有価証券報告書虚偽記載)で3月頃までに逮捕すると思われます。

 しかし総額140億円もの巨額報酬を「掴み取り」した外部コンサルタントなどは「逃げ切り」ます。計画段階からの粉飾の共謀(当然そうなのですが)を立件されなければ大丈夫で「共謀していません。報酬は正当な対価です」と言えばよいのです。釈然としないのですが、まあそんなものなのです。

 それから粉飾決算については証券取引等監視委員が課徴金を課すはずですが、時効でない期間に資本市場から資金調達をしていないため課徴金の額は株式時価総額の10万分の6(だいたい2000万円くらい)で済みます。

 あとは、株主が投資損失に対して損害賠償請求を起こす可能性があります。これは会社あるいは経営陣が悪質な不正を行ったことによって株主が損失を被った場合に認められるのですが、オリンパスの場合はあくまでも会社ぐるみではなく一部の役員の暴走という「認定」になるため、損害賠償が認められる可能性は低いと思われます。

 もう一度繰り返しますが、今後オリンパスを管理する「オール日本(もちろん官僚組織を含む)」は、出来るだけオリンパスの信用力や資産内容が毀損しないように行動します。

 先ほどの刑事責任(逮捕予定者)のなかに菊川氏を含む歴代社長を含めていないのは、歴代社長まで逮捕してしまうと「会社ぐるみ」の意味合いが強くなり、株主の損害賠償裁判で不利になって企業価値の毀損に結びつくと思うからです。

 まあこの辺が「オリンパス事件とは何だったのか?」への「取り敢えずの回答」です。

お断り

 本誌は、オリンパスのように個別企業について書くことはありますが、それらを含めて株式市場で個別銘柄の推奨をすることは一切ありませんので、ご了承ください。

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コメント
損害賠償
株主からの損害賠償が認められる可能性が低い?
金商法をちゃんと理解していますか?虚偽記載のある有報の提出者は無過失責任ですよ?
一千億円レベルの損害賠償が予想されているのに何を寝呆けたことを書いているんでしょうか。
上場契約違約金の徴求及び特設注意市場銘柄の指定等について-オリンパス(株)2012/01/20 

批判を受けるから取引所は、理由を書いていますけど<ただ、上場廃止にしないことを正当化する言い分じゃなく言い訳>、財テク損失分を有価証券報告書へ記載せず、簿外帳簿で処理をしていたところ、会計基準が時価基準に変更になり、オリンパスはその損失処理を日本の3社買収で資産を嵩上げし、子会社化から1年後に減損処理し、ジャイラス買収時の不当な金額の手数料支払い会社財産を棄損した事実を隠蔽してきて、過去の有価証券には「錯誤」がありましたので、有価証券報告書の訂正及び適正意見を付した監査報告書の訂正で、許される問題じゃないと思いますけど!

有価証券報告書へ飛ばした損失<海外のファンド等へ譲渡>は記載しなくても許容されってこと!そして、記載しなくても錯誤として有価証券報告書を訂正さえすれば許されるってこと!

2411<塩見HD>は、23.3月期で債務超過解消有価証券報告書の訂正及び適正意見を付した監査報告書の訂正でもって、取引所は、債務超過を事由とした上場廃止にできなくなり、2011.10.7日大証発表の塩見上場廃止発表には、上場廃止条文の記載はなく、正に塩見の行為が気に入らないから<有価証券報告書等の提出の仕方が挑戦的だと>、大証の裁量権で上場廃止に!

株主、投資家は「飛ばし」されていた事実を開示されていなかったんですから!


<証券取引所の裁量権>

上場廃止基準: 有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大であると当取引所が認めたとき ・・・有価証券報告書に虚偽記載があっても、その影響が重大であると取引所が認めたと、取引所に裁量権があります。

では、オリンパス一連の報道から株価は、2500円から2011.11.11日に424円安値まで下落し、最近は1000円を挟んだ展開になっています。この株価下落は、過去の有価証券報告書に虚偽記載があったからであり、東証が記事の如く上場維持とした場合、その影響が重大<株主に対して重大>じゃないんでしょうか?疑問に思います。

そうなれば、上場廃止規定なんて「死文」。


大阪証券取引所は、2011.11.8日付けで2414<塩見HD>を上場廃止としました。塩見は、2011.3月期決算で債務超過解消できないと上場廃止でしたが、2011.6.末日にその有価証券報告書を提出できず、2011.7.29日に2011.3月期有価証券報告書・貸借対照表から債務超過ではなくなりましたが、監査報告書に監査人が意見表明をしませんでした。

2011.7.29日大証は、2011.3月期監査報告書に意見表明しない旨の記載から債務超過の解消を確認できなく、引き続き「債務超過」の猶予期間入り銘柄とし、意見表明しないことの影響が重大であり監理銘柄<審査中>に指定。

問題は、子会社の「のれん資産」約15億円を第三者委員会が、のれん資産15億円を連結対象親会社が資産計上するのは不適切としたことから、約15億円は土地固定資産として計上し有価証券報告書を訂正、また、適正意見を付した監査報告書を提出し、大証は、債務超過は解消されたとして上場廃止猶予期間から解除しました<2011.9.20日大証発表>。ここで、大証は、債務超過を事由として上場廃止に規定からできなくなりました。

ところが、大証は2011.9.15日に監理銘柄<審査中>の指定追加を
有価証券報告書等の訂正内容が重要と認められる相当の事由があるためとして追加しました。

2011.10.7日 2011.11.8日付けで上場廃止とする発表。
場廃止理由 監査報告書において「意見の表明をしない」旨が記載され,かつその影響が重大であると認められるため としています。

10.7日の大証の上場廃止事由を読みますと、9月15日の監理銘柄に指定した追加理由とは整合性欠如していると思えます。9月15日の追加理由は、>有価証券報告書等の訂正内容が重要と認められる相当の事由があるため< ・・・としていて、私は具体的には、連結子会社ののれん資産を15億円減少させ、土地<固定資産>を15億円増加させて、23.3月期に債務超過解消させたことに対する大証の具体的な指摘がなく<その資産計上はダメととかの大証の見解はなし>、遡って、23.3月期の意見表明しない監査人の監査報告書のことから、10月7日の上場廃止理由に誘導していますが、上場廃止の法的根拠の欠缺を塩見が巧みに突いたやり方に対処できなかったのかと思います。23.3月の意見表明をしない監査報告書は、とっくに提出されているんですから!・・・大証には、まず、先に塩見上場廃止とあったのではないかと推量します。だから、裁量権で上場廃止にしたのかと見ますが。

貸借対照表からすっきりとした事由を大証は塩見へ突き付ければよかったんでしょうが、のれん資産15億円を土地固定資産15億円へ訂正したことに対して、大証は、23.3月期決算が債務超過は解消したと認定しています!大証は、一度、債務超過の上場廃止猶予期間の解消をしていますから それを事由には上場廃止にはできません!

貸借対照表で債務超過が解消されていても監査報告書で意見表明をしない時には、上場廃止する規定があれば、塩見HDはレッド・カードでしたが、その規定はありませんから、塩見は欠缺を巧みについてきたとも窺えます。

一方の、オリンパスは、財テクの損失隠蔽を飛ばしで簿外処理。海外のファンドを利用して損失解消できればと経営者等は画策したんでしょうけど「蟻地獄」で、2007年の会計基準変更で、21.3月期<2009.3月>決算で、一気に処理したので損失隠蔽工作<有価証券虚偽記載>が問題化!

報道からオリンパス上場維持の方向で、東証は裁量権でもって上場維持であり、その事由付けの発表をするだけかと!

大証の塩見HDは、最初から上場廃止とする裁量権をどういう事由付けをするかでしたから!


西武鉄道は、当時ありました10以内株主の株式所有が西武グープ会社が西武鉄道株式を80%超ルールに抵触する有価証券虚偽記載に該当し上場廃止となりました。2004.10.14日に堤義明氏が、有価証券虚偽記載の公表をし、株価は、前日終値1081円→881円のストップ安に急落し、04.11.15日安値249円まであり、上場廃止日前日終値485円でした。

では、オリンパスの株価は、2011.10.14日終値2045円→10.17日終値1555円に急落し、11.11日安値424円、2012.1.20終値1199円。有価証券虚偽記載で、株価急落ですから、それが、どうして今回の東証の虚偽記載は上場廃止に該当するには該当しないことになるんでしょうか??明らかに、株式所有する株主へ有価証券虚偽記載が重大な影響を与えていますけど!


※西武鉄道は、有価証券虚偽記載事実の発表前に、西武グループ会社が所有する西武鉄道株式を第三者へ譲渡しましたが、そのこと自体は、購入者から購入代金返還訴訟を提起されていますけど、もし、東証がそのことを重視したのなら、オリンパスの株価急落で市場内処分した株主は、有価証券報告書虚偽記載から処分した影響が大きいと考えられますから、その点に関しては関知せずで、当事者問題で片付けなんでしょうね!

週刊ポスト見ました!
記念かきこ
それでも最終的には旧経営陣、それも山田・元常任監査役と森・元副社長だけが対象になるのですか? 非常に疑問です。

オリンパス:法人も捜査対象に 東京地検特捜部など
 オリンパスの損失隠し事件で、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は、法人としての同社についても金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で捜査を進める方向で検討を始めた。当初は旧経営陣に限定した刑事責任追及を検討したが、東京証券取引所が20日、同社の上場維持を決めたことなどから、同社に刑事罰(罰金刑)を科すことが可能との見方を強めている模様だ。

 捜査関係者によると、オ社は80年代からの財テク失敗で生じた損失を、海外のファンドを利用して簿外処理する「飛ばし」と呼ばれる手法を使い、有価証券報告書への計上を先送りし粉飾。最終的に1000億円以上に膨らんだ損失を、06~08年の英医療機器メーカーや国内ベンチャー3社の買収に絡んで捻出した資金で穴埋めしたとされる。

 特捜部と監視委は当初、虚偽記載容疑がオ社の上場廃止につながりかねないことなどを考慮し、法人としては課徴金(行政処分)を科すことにとどめ、旧経営陣らについては、虚偽の情報で株価を操作・維持した「偽計」容疑での立件を検討。しかし、旧経営陣が積極的に虚偽情報を流したとまでは認められないことなどから同容疑の適用は困難と判断、昨年12月に虚偽記載容疑で関係先を一斉捜索し、旧経営陣らの聴取を始めた。

 その後の調べの結果(1)旧経営陣と法人が同じ容疑に抵触しており分離して処理するのは難しい(2)巨額の粉飾額に比べ、算定される課徴金の金額が少なくバランスを欠く(3)東証が上場維持を決め、捜査による市場への影響は小さい--ことなどから、一転して法人責任を追及する検討を始めた模様だ。

 オ社は昨年12月、過去5年分の有価証券報告書の訂正分を関東財務局に提出しており、この訂正は行政処分の対象となる。罰金刑と課徴金を両方科すことは、憲法で規定された「二重処罰の禁止」には当たらないとされるが、監視委は行政処分を科すかどうかを慎重に検討している。

毎日新聞 2012年1月21日 2時30分
毎回非常にためになる記事をありがとうございます。
管理者様の主張は、日本の株式市場っていうのは、永田町と同じで、世間の法も常識も通じない魑魅魍魎の住む世界ってことですよね。個人投資家は金だけ払って死んでろってことですな。
サイト見ようとしたら有害なサイトですって警告出ました
無視して入りましたけど、原因調査されたほうがいいと思います
>それから粉飾決算については証券取引等監視委員が課徴金を課すはずですが、時効でない期間に資本市場から資金調達をしていないため課徴金の額は株式時価総額の10万分の6(だいたい2000万円くらい)で済みます。

第一に、虚偽記載にかかる課徴金は、虚偽記載のあった年数に応じて増えるはずです。

第二に、課徴金の額はその当時の時価総額に対して10万分の6ではないでしょうか。

と言うわけでざっと2億くらいじゃないかと・・・大勢に影響はありませんが。

(参考)SBIネットシステムズ株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について
http://www.fsa.go.jp/news/22/syouken/20110531-2.html

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