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ユーロ上昇! 何か変わったのか?

2012年01月25日

ユーロ上昇! 何か変わったのか?

 ユーロは、圏内9か国の格下げ直後の安値(1月16日に1ユーロ=1.262ドル、対円で97.04円)から上昇しており、本日(1月24日)午後10時現在(日本時間)1ユーロ=1.300ドル、対円で100.60円前後となっています。

 何か変わったのでしょうか?

 ニュースだけ拾ってみますと、先週末が期限だったギリシャの債務再編はまだ合意していないものの決裂はなさそうだとか、IMFの融資枠が1兆ドルに拡大されそうだとか、格下げされたEFSF(欧州金融安定基金)の危機対応力を維持しつつESM(欧州金融安定メカニズム)の稼働を前倒しにして5000億ユーロの支援を可能にできそうだとか、昨年末にECBが約50兆円の資金を域内銀行に3年の期限で供給したため資金繰りが落ち着いているなどが挙げられています。

 また、本日から2日間の予定で米国FOMCが開催され、何らかの緩和策(多分時間軸の延長)が打ち出されるとの予想もユーロを押し上げています。

 しかし、よく考えると根本的には何も変わっていません。危機対応機能が多少強化されそうなだけです。

 要するにユーロは「状況が普通に悪い」程度だと構成する各国のエゴが出て(正確には各国の議会の承認が必要なため)簡単に「解決策」がまとまらず、たまたま今回の格下げで「これは本当に大変だ」と「急にまとまりがよくなった」だけなのです。

 これでしばらく小康状態が続くと「何だ、今のままで良いのか」となり、また新たな危機になって慌てるまで何も進まないのです。前述のESMにしてもユーロ構成17か国の議会の承認が必要です。

 つまり、いつまでたっても根本的に解決しないのです。

 先日、世界銀行が発表した2012年の世界経済見通しではユーロ圏だけがマイナス0.3%とマイナス成長予想です(日本・1.9%、米国・2.2%、中国8.4%、世界全体2.5%)。

 マイナス成長で、根本的問題である財政問題は決して解決しません。

 もう1つ大変重要なことは、昨年末にECBが「量的緩和」に踏み切っていることです。表立っては「量的緩和」という言葉を使っていませんが、第1弾で域内の銀行に供給した4892億ユーロ(約50兆円)は、FRBのQE2の6000億ドル(国債買入れ)に匹敵します。1月8日付け「ユーロ急落の本当の理由」(号外版)をご参照ください。

 多分、まだまだ供給すると思います。

 つまり、表立っては決して言わないもののECBをはじめとするユーロ圏首脳は、はっきりと「量的緩和」に踏み切って「ユーロ安政策」に転換したのです。
 
 つまり、どう考えてもユーロの上昇は一時的なのです。

 本誌が昨年9月に予想した、向こう半年以内(つまり本年3月まで)に1ユーロ=1.10~1.15ドル、対円で85~90円の予想は変えていません。

 唯一これを変更しなければならないケースは、本日からの米国FOMCで「思い切った緩和策」が出てくることです。

 米国株がリーマンショック後の高値に近づいてきており、米国は「思い切った緩和策」をとる必要はなさそうなのですが「ユーロ安政策」に対抗してくる可能性があり、注目しておく必要があります。

 日本でも、本日まで日銀政策決定会合が開かれていたのですが、平成23年度の実質経済成長率をマイナス0.4%に下方修正し(昨年10月時点ではプラス0.3%でした)、「景気の足踏み」を確認してゼロ金利政策を維持し、ユーロ安・円高を「注視」していくそうです。

 つまり日銀は、円安に一番効果があり1円の国民負担もかからない「量的緩和」をまたしても見送ったのです。まさに「注視」するだけで何もしないのです。

 無策の円高は続きます。

 本誌ではユーロについては何回か掘り下げて書いています。とりあえず昨年12月26日付け「2012年に起こりそうなこと  その3  英国のEU離脱」だけでも読んでみて下さい。

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コメント
ユーロ安 政策
ECBが危機を乗り切るため、量的緩和策を再び実施する予想は当たると思います。
欧州の経済混乱はドイツが欧州をドイツ的欧州に作り変えたいために起きています。各国の福祉制度等を変更してドイツ並みに抑えます。各国財政は既得権の塊で、その整理は各国政府に任されます。イタリアマフィアなどの既得権の剥奪を、ドイツ人役人が命懸けでやる価値は無いです。
段階的に財政統合します。各国財政からEU財政に回る資金は多くなり、各国財政の既得権は立ち枯れていきます。
ドイツは現在の競争優位を温存して、財政統合EUに進みます。EU財政では各国の競争力強化プロジェクトが実施されるでしょう。
各国財政は効率性に応じて政府持続可能金利目安7%を上限に金利を支払います。金利をてこに各国財政は効率化を迫られます。
ドイツは統合欧州について多くを語りません。否定型で表明し、議論なくドイツ的欧州へなし崩しで進む、ごり押しされる感じです。
私は1ユーロ=1ドルまで下落すると考えてます。2月にギリシャ選挙、再建案再検討。ドイツ拒否。ポルトガル、スペイン、イタリアへ危機波及。4月仏大統領選サルコジ苦戦、5月仏独枢軸危機。ユーロの危機イベントは目白押しです。
重要なことはドイツの想定内ということです。
ユーロ安はギリシャ等輸出産業がない国の物価を押し上げ、危機を増幅しますが、想定内です。
更新いつも楽しみにしています。

ふと疑問に思ったのですが、量的緩和なら円高になるのではないですか?
無知で恥ずかしいのですが、説明していただけるとありがたいです!
>しかし、よく考えると根本的には何も変わっていません。危機対応機能が多少強化されそうなだけです。<

>つまり、いつまでたっても根本的に解決しないのです。<

そうでしょうか?

私は、ドイツ政府に歩み寄りが見られるかと思いますけど。ドイツ政府は、ユーロ圏の救済基金について、上限の約50兆2100憶円から引き上げることに反対しない可能性がでてきました。資金規模が、約75兆3100億円に拡大するんじゃないかと。

ギリシャは別にしまして、イタリア、スペインが債務返済するのに資金調達コストを上昇させない為にも必要な措置もあるのかと見ます。

ただ、景気状況から欧米の通貨安政策である量的緩和策は、まだ終焉はしないかと。それは、コール市場で金融機関同士が疑心暗鬼とならない措置でもあるかと思います。

話は、変わりますが、2011年度の日本企業による海外企業買収金額は、約6.8兆円で、過去12年間で最高ですが、企業は自前の手元資金で、政府が円高で円売り、米ドル等を購入した時のドルの特金を企業は、紐付きになるから利用せず!TOIX銘柄の手元資金:97兆円。
円インデックスチャートを見ると昨年10月26日ごろの132.18を天井とし、3か月以内にここを抜けないと下落相場の始まりと考えます。

そろそろ無策の円高は終わり円安転換では?
>先日、世界銀行が発表した2012年の世界経済見通しではユーロ圏だけがマイナス0.3%とマイナス成長予想です(日本・1.9%、米国・2.2%、中国8.4%、世界全体2.5%)。

 マイナス成長で、根本的問題である財政問題は決して解決しません。<

私は、ペシミストでもオプティミスでもありませんけど、景気が低迷するから各国は金利を低くし、また、雇用維持から輸出増加の恩恵を受けるべく、通貨安政策をし、金融緩和<量的緩和>をし潤沢な資金供給をするのかと!

株式・商品市場でリスクを取れる状況じゃないから、安全資産として資金が債券市場に流れ<金利低下、債券価格上昇>るのは必然で、低金利で調達できる資金は、やがて、株式・商品市場へ流入する金融相場へ向かうんでしょうから、どこでリスクを取れる動きになるのかと。

と、言いましても、NYダウは2011.7月高値12753ドル、2011.5月高値12876ドルへの挑戦ありかと見ますが。12876ドルは、リーマンショック後の安値・2009.3月安値6469ドルから上昇した高値です。戻り高値となる可能性もありますけど、超低金利による金融相場となれば、2007.1月高値14198ドル挑戦もあり得るかと。

それには、住宅建設の増加と住宅課価額が安値から底打ちをし上昇していけば、住宅ローン借入者は、借入増しでき消費に回りますから。
EUR高USD安
いつも配信楽しみにしてます。
私は投資対象がfx取引なのですが、そこでCOTレポートを参考にしてます。
それをみると、昨年は大きくUSD方向に動くとcommercialはドルインデックスのショート、EURUSDのロングを積み上げてました。私自身は年末まで我慢出来ず損切りにあいましたが、レポートでは昨年末の下げで残っていたEURUSDのショートは無くなってしまい、年明けはロングの巨大な玉(ここ10年では最大規模)が残ってるだけでした。過去の例では残ってるロング方向に進むだけですので上がって納得でしたが、到達価格の予想が異常に高く、1.44近辺です。ギリシャ問題だけでここまで上がると思えないので、個人的にはQE3相当のインパクトによるドル売りがあると思ってます。GBPUSDもロング積み上げショート積み上げでEURUSDと同じ形でしたが、先週までの下げでもGBPUSDショート解消されてないので、GBP下落方向に何かあるのかもしれないと思ってます。
量的緩和しても資金需要はなく日銀の当座預金に豚積みになるだけ。市中にカネが増えるわけではないので円安になるはずがない。円安になる効果がないから量的緩和はやらないのです。
初めて読ませて頂きましたが、ご慧眼に感服致しました。
ECBが量的緩和を強めFRBも追随していくとなると、欧米の株価は上げ下げしながらも下値を切り上げていく展開となる一方、無策の円高で日本の株式市場はアンダーパフォームしていく展開となりそうですね。
転機が来るとしたら、円高の進行が腰の入った非不胎化介入を呼び込んだときでしょうか。
今後も読みごたえのある記事を楽しみにしています。
能無し
日銀が「量的緩和は効果無し」と言っていますが、やる気がないだけです。日本の有価証券市場を買い支えるとしていますが、10兆円規模で、いや30兆だったかな、どちらにしても金額が少なすぎます。
やる気が無い人には辞めてもらうべきです。
匿名なのに、私には誰だか分かる・・・(^_^;)ありがとう。。。
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