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米国FOMCと市場の反応

2012年01月27日

米国FOMCと市場の反応

 昨日(1月25日)、米国連邦制度準備理事会(FRB)は2日間の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明で、政策金利を「少なくても2014年の遅くまで」異例の低水準で維持する意向を示しました。従来は2013年後半までとなっていたので「少なくとも」1年間は延長したわけです。

 新たな「意向」はこれだけだったのですが、市場では追加の量的緩和(QE3)が行われることを「既定の事実」と受け取ったようで、NY株式も12756ドルと昨年5月のリーマンショック以降の高値(12928ドル)に接近しました。
 
 ドルも前日から対円・対ユーロともやや反落し、1ユーロ=1.315ドル、1ドル=77.50円前後となっています。

 1つだけ、非常に気になっていることがあります。それは米国10年国債の利回りが声明後も低下を続け、本日(1月26日)の欧州時間で1.95%程度まで低下していることです。

 米国10年国債の利回りは(以下、省略して「国債利回り」と書きます)、米国経済の「実体」ではなく「先行き」を一番正確に反映します。以下に実例を挙げてみます。

 2008年秋のリーマンショックで国債利回りは直前の4%台から2.1%まで急低下しました。そして金融市場の安定のためにFRBは2009年3月から1年間かけて総額1兆7500億ドルの政府機関債などを市中から買い入れました。いわゆるQE1です。

 買い入れたのは国債ではなかったのですが、それだけの長期債券が市中から吸い上げられれば国債利回りも低下するはずなのですが、実際はその間に国債利回りは上昇を続けQE1が終了する2010年3月には4.0%になっていました。

 逆にQE1終了後、ギリシャ問題という外部要因もあったのですが、最大の買い手を失ったはずの債券市場に再び資金が流入し、2010年10月には国債利回りは2.4%まで低下しました。

 2010年11月にFRBは景気対策のため6000億ドルの国債買い入れを決定しました。いわゆるQE2なのですが、またもその間に国債利回りは上昇を続け2011年2月には3.6%になりました。

 さらに逆にQE2が終了する直前から国債利回りは低下をはじめ、米国国債の格下げ(昨年8月5日)があったにもかかわらず一時1.7%台、おおむね2%前後で現在に至っているのです。

 要するにQE1でもQE2でもFRBが国債などを市中から買っている間は利回りが上昇し、買い付けをやめると途端に利回りが低下するという、需給関係と全く反対の動きをしているのです。

 これはFRBが市場から債券を買い付ける「量的緩和」を行うと、まず景気回復が期待されて株価が上昇し、同時に(これが重要です!)実体経済が好転するだろうと期待で国債利回りが上昇を始め、これらの相乗効果で本当に実体経済が好転するのです。

 逆に「量的緩和」が終了すると、その逆のことが起こり国債利回りは下落するのです。

 現時点でFRBは、手持債券が償還になった場合の国債での再投資と、昨年9月に決定した4000億ドルの短期国債売り・長期国債買いを続けており、新規の債券購入(量的緩和)は行っていません。しかし、昨日のFOMC終了後の声明から新規の「量的緩和(いわゆるQE3)」が近いと市場が判断しており、その結果株式が上昇しドルも安くなっているのです。

 しかし国債利回りが逆に低下しているのです。昨日のNY株式が2010年5月初旬のリーマンショック後の高値(12928ドル)に近づいたのですが、その時点の国債利回りは3.4%でした。

 繰り返しですが、過去は「量的緩和」への期待が高まっただけで景気回復を先取りして株式が上昇して同時に国債利回りも上昇していたのですが、今回は反応しているのが株式だけなのです。

 確かに株式は企業業績など個別材料により反応するもので、債券(国債)は経済全般の見通しをより強く反映するものなのですが、それにしてもバラバラの反応なのです。

 あえて解説すると、株式市場は量的緩和による「金余り」の側面をより強く見ており、債券(国債)市場は量的緩和による景気回復をより「懐疑的」に見ていることになります。

 だとすると、従来の「量的緩和」の実体経済への効果が今回はあまり期待できないことになります。だんだん日本みたいになるのかもしれません。

 いずれにしても暫くは、米国10年国債の利回りに注目してください。

 さらに付け加えますと、この米国10年国債利回りと一番きれいに連動しているのが日本株式なのです。これについては昨年1月31日付け「日本株はどうなる?」で1998年頃まで遡って書いてあります。東日本大震災の前に書いた記事ですが、時間があったら読んでみてください。

 少し長くなるのですが、今週はこれで終わりなので頂いている「豚積み(ぶたずみ)の日銀当座預金の付利をやめたら銀行が買いオペに応じない」というコメントにお答えしておきます。

 一概に言えないかもしれないのですが、銀行が買いオペに応じる理由は手元流動性を確保すること、市場を崩さず(国債などを)売却できること、日銀への「実績づくり」などと思われ、その代り金が入る当座預金の利息が(オペに応じるかどうかの)判断材料ではないはずです。

 総額30兆円の当座預金残高が平残で維持されていれば、年間300億円ものプレゼントになるのです。そもそも日銀の買いオペ自体が銀行(証券会社も短資会社も対象なのですが)の特権と言え、さらに代わり金にまで付利する必要は全く無いと思います。

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コメント
円の独歩高の変調

ユーロも上昇、ドルも上昇何か変わったか。

変わったのは円なのでは。

今までは円の独歩高が続いていたのです。

米国が量的緩和をやろうがドルインデックスは、レンジ内の動きでしかないんです。

ユーロ危機を騒がれようがレンジ内の動きなんです。

円がすべての通貨に対して異常に高くなっているんです。

そろそろ、高値波乱のチャートを形成しているところなのではないかな、逆から見れば底練り。

下のチャートの週足を比較してどうかご教授ください。
http://stockcharts.com/freecharts/gallery.html?$USD
http://stockcharts.com/freecharts/gallery.html?$XEU
http://stockcharts.com/freecharts/gallery.html?$XJY
225F 27日後場からナイトセッション~週明けへ


J-GATE
買い
レベル2 ☆☆WITH赤信号


スウィング
ニュートラル(フラット)


オプション
PUT → CALL への過渡期


バトルポイント
@9040
@8960
@8870
@8860
@8770
@8690


力学的には買い方がKeep したいのが概ね@8830以上、(これを切ると買い方のコスト割れになるため) 一方、売り方のもコストはと言えば現状、大きく踏み上げられて少なくとも@8750以下(独自試算妥当値では@8500台)、と考えています。
踏み上げさせるための理不尽とも言えそうな今回の腕力相場も それこそ危機の裏返しから来たものでしょうし、見方を変えれば資本主義を歪めてでも対応したいとするグローバルな壮大な実験中なのかもしれません。実験中ということは、こちら側、投資家側はまさに「モルモット」なわけですから、この実験?の首謀者はこちら側、、モルモットのことなどはこれっぽっちも考えてのうえでのこの株高現象ではない としてみてくべきでしょう。

さて、「その他の市場」も含めて、シグナルには徐々に変化の兆しが見えます。おそらくは今回の波動の「落としどころ」に入ってくるものと思われますので、巨大に積み上がったウリ圧力に対してマーケットがどのように反応していくのか、注目しています。
ズバリいえばマーケットはソフトランディングを狙うのか、狙えるのか、それともハードランディングか、ドッキリカメラのように、わかりやすいびっくりニュースが飛び出すのか、、。

短中期波動に今回は「異例の」ニュートラル、つまり売りも買いも仕掛けない、が出ましたが、これはまさに「糸の切れた凧」をこちら側からは何も出来ない、ということの象徴でもあります。にもかかわらず風にあおられている凧を見て、「よく上がってますねえ」などという解説がナンセンスである、ということでもあるわけです。この異例のニュートラル現象yは少なくとも来週初頭までは続きますから逆に乾坤一擲の一撃の瞬間を心待ちにしておく、と言うマインドになるでしょう。

一部報道では欧州危機の象徴としてギリシャギリシャ、にばかり目が奪われていましたが、ポルトガルの危機も浮上しているようです。何が起きても、というか、そもそもが、これまで何ら有効的な解決策もないまま、ただ株高でそれらの問題が解決したかのような錯覚を抱かせたことの重み、。そのジャッジメントデイがまもなくやってくるかもしれません。


Terminator War Of The Machines
http://www.youtube.com/watch?v=-TXFoTUrSYw&feature=related
今晩27日の米国市場、考え方

ダウ
変化
買い(買い戻し)
レベル1 ☆

バトルポイント
@13080
@12930
@12780
@12750
@12600
@12450


ナスダック
変化
買い(買い戻し)
レベル2 ☆☆
@2900
@2860
@2820
@2810
@2770
@2720


昨晩のダウも比較的ダイナミックな動き(さすが!米国市場!)、高値@12841~ 安値@12695 の大きめのボラティリティでした。メリハリあり!。個別銘柄の決算を好感してあげて、経済指標で下げたようですが、その実態は「下げ損なっている」といってよいでしょう。ダウに関しては、指摘済の@12650をここ数日に日中で何度か下回っていますのでそれぞれにデイトレーダーであれば現地で、現地なら、丁々発止、縦横無尽に戦う姿が想像できますが 彼らにしても少々行き過ぎ、やりすぎを体感していることと想像します。独自分析上も、これで「買いシグナル」に変化ですが、まずはこの下げそこないの部分、ダウなら@12690、ナスダックなら@2710を今度は「明確な下回り」の波動を期待し、「その上でのドテン!買い」というスタンスで見ていきたいものです。買い戻しゾーンに突入と見たいところです。さらに下げそこないならば「両建て」の発想になっていきますが、そのジャッジメントは週明けでも良いだろう、と見ています。まずはショートの買い戻し(利益確定)を念頭に置きます。


ドル円  USDJPY
変化
買い
レベル1 ☆WIth赤信号(再変化 売り★★内包)

@78.63
@78.12
@77.61
@77.48
@76.97
@76.41


シグナルは一旦買い、つまりショートの買い戻しによる利益確定を!を示しています。今回唐突に@78.00台の前半までを見せたドル円でしたが結果としては行き過ぎ(おそらくはショートの買い戻し急ぎによるものだった)でしょうから、早くもそこから1円ほどの調整に見舞われています。独自試算妥当値は@77.35当たりですから、そこから上は全て「割高」と判定しています。逆に言えばこれを下回れば再び「無策による円高」に見舞われるわけですが、例えば日銀による金融政策(現状維持の連発)は現財務大臣の発言、、等等、なにもしません、が美徳と感じているのか、米国および米国市場のそれと比較すると悲しい限りです。
量的緩和より投資立国をめざせ

量的緩和なんかしても、金利はこれ以上下がりようがなく、日本には実需がないんだから弊害のほうが大きいと思います。

それより、インフレ連動債を大量発行し、そこで集めたお金で投資庁を作り世界各国の有望な資源、技術、インフラに投資するのである。

いづれ必ず、日本は没落するのだから世界各国に資産を分散し、円高の時に、そしてまだ買えるときに買って、世界の大家さんになろうではないか。とか誰か大演説をぶってくれる政治家はいないのかね。

そしたら円安にもなるのにね。

せせっこましい消費税の増税の話ばかりしやがって、つまんねーたらありゃしねーぜ

サラリーマントレーダーで
大阪ソニックトレード青年団のK氏です。
こちらのサイトは週刊誌でもさわがれていますね。すごく詳細な分析をなんにんでされているのでしょうか
米国景気の回復には財政出動が必要ながら、共和党・ティーパーティーの抵抗でまだ有効な手が打てていません。QE3が既定の路線と見られても、債権市場のプレーヤーにはそれでは不十分で、長期金利の低下と言う、異常事態に繋がっているのか。
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