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ヘッジファンドが蠢(うごめ)く  その2

2012年01月31日

ヘッジファンドが蠢(うごめ)く  その2

 昨日(1月30日)付け「ヘッジファンドが蠢く」で、増税のための「当局」の財政破綻・国債暴落論が、実はヘッジファンドをはじめとする海外投資家の「日本国債売り崩し」を推奨し、本来は何の問題もない日本国債市場に無用の混乱を与える可能性が出てきていることを書きました。

 考えれば考えるほど重要なことなのでこの話題を続けます。海外投資家はヘッジファンドとは限らないのですが、ここではヘッジファンドの中でも特に巨大ファンドの多いグローバルマクロ型とイベントドリブン型を念頭に置いて書いていきます。

 これらのヘッジファンドが狙う対象は、まず市場が大きいこと(つまり巨額のポジションが取れること)、ファンダメンタル分析で説明できること(やや分かりにくい表現ですが、例えば財政赤字の大きな日本の国債は空売りするか休むかの二択で、間違っても買いません)、予想最大リスクに比べて予想最大収益が格段に大きいこと(これは後述)、さらに昨日書いたように「当局」も巻き込んだ大掛かりな勝負が出来ることなどです。

 例えば2007~8年のサブプライムローンを含むモーゲージ関連債券の大規模空売りは、まさにこのすべての条件に適うものでした。モーゲージ市場の巨人が実質国有のファニーメイやフレディマックで、「当局」へのダメージが膨らむことも予想できたのです。

 そして「日本国債の空売り」も、すべての条件に適うのです。

 だからヘッジファンドはかなり以前から「日本国債の空売り」を何度も仕掛け、実際はほとんど失敗しているのですが、このような理由で何度も仕掛けてくるのです。これもヘッジファンドの考え方で、仮に利益となる確率が高くなくても利益が上がれば非常に大きいものは何回も狙うのです。まさに勝率より利益の絶対額なのです。

 その数少ない成功例が2003年夏のVAR(Value at Risk)ショックと言われる急落です。

 2000年以降のITバブル崩壊や米国同時多発テロによる世界不況で、日本の銀行が国債を買い進めて10年債利回りが0.5%以下となり、さらに利回りを上げるためにもっと長期の国債を買い込んだところで利回りが反転(上昇)し、ALMの観点から利回りが上がれば上がるほど大量に売却しなければならず、短期間で10年債利回りが1.4%まで上昇した時です。

 しかし銀行もその時の「学習効果」から、現在の保有国債の平均残存年数は4年以下となっており再来の危険性は少ないと言えます。

 その代わりに要注意なのは、ヘッジファンドはかなり以前から日本国債の長期(3~5年?)プットオプションを日本の銀行から相対取引で買っています。金額は想像がつきません。
 つまり銀行にとって(ヘッジファンドから)受け取るプレミアムは「日銭」となり、仮に利回りが上昇してプットオプションが行使されても、それはそれで良いくらいに考えているのです。

 問題はVolatilityがかなり低く設定されていることです。つまり長期の国債オプション市場は参加者が少ないため、ヘッジファンドの「言い値」で売っている可能性があります。それでも受け取るプレミアムは銀行にとって貴重な「日銭」なのです。

 しかし、ひとたび国債利回りが上昇(価格は下落)を始めるとVolatilityも上昇するため、銀行が「売っている」プットオプションの価格は急上昇し、そうなるとまたしても利回りが上昇すればするほどプットオプションが行使されることに備えて保有国債を売却しなければならなくなるのです。

 ここで重要なことは、日本国債は銀行をはじめとする金融機関で「問題なく」消化されており、その金融機関の資金は日本国民の資産なのです。つまり万一にでも日本国債がヘッジファンドに「売り崩される」ことがあれば、銀行にとっては担当役員のクビくらいで済むのですが巨額の損失を被るのは日本国民なのです。

 さらにご丁寧に「国債が暴落すれば預金が封鎖される」というとんでもない議論をするマスコミまでいます。だから早く増税して財政破綻を避けなければならないと言いたいのでしょうが、まったくお話になりません。

 そもそも債務者である「当局」は、債権者である国民に向かって「国債は皆様のお陰で順調に消化されており、ご迷惑をおかけすることは全くありません」と本当のことを説明し、同時に債権者である国民のために「債務者の私どもは真剣にコストカットに努め、同時に景気が回復する方策に必死で取り組みます」と言わなければならないのです。

 今の債務者「当局」は、債権者の国民に向かって「お前の債権を紙くずにしてほしくなかったら、もっともっと窮乏生活をして金を持ってこい」と言っているようなもので、同時にまたしてもヘッジファンドをはじめとする海外投資家には「巨額の収益チャンス」を提供しようとしているのです。

 ここは「オール日本」でヘッジファンドに対抗しなければならないのです。「当局」も本当に国債が売り崩されたら「利権」どころではないことを理解しなければならないのです。

 本日発売の「週刊朝日」も読んでみて下さい。

 明日こそ、ドル・円・ユーロインデックスのチャート分析です。

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コメント
>問題はVolatilityがかなり低く設定されていることです。

仮にATMのプットを売っていたとして、Implied Volatilityの取引水準が低い水準だったとしても、ポートフォリオのストレステスト的観点からはダウンサイドプロテクションはむしろ買っているのでは。
>ヘッジファンドはかなり以前から日本国債の長期(3~5年?)プットオプションを日本の銀行から相対取引で買っています。

この話は怖いですね。邦銀が債券を大量に買っていて、なお、プットOPも大量に売るというのは、2階建てじゃないですか!リスク管理から言うと狂気の沙汰ですね。
31日晦日後場からナイトセッション~あす1日へ

J-GATE
変化済
売り
レベル3 ★★★

スウィング
ニュートラル(フラット)
見送り

オプション
CALLもの意識
レベル2 ☆☆

バトルポイント
@8930
@8860
@8790
@8780
@8710
@8630


昨日ナイトセッション入りと同時に超短期波動用シグナル J-GATEが変化、「ウリシグナルが点灯」となりました。スタンスとしては「売り」を念頭に置いていく形となりましたが 腐肉にも昨晩は欧州市場が総崩れとなり マーケットもいsっしょに下がってしまい思うような高値を売れなかった、という結果になっています。これは逆に言えば、本日(31日)に持ち越しとなったとみて まさしく当分析では「教科書に載せたいくらいの戻り売り局面」としてライブで見ていけるのではないかと考えます(期待します)。昨日も指摘したように月末の数字づくり、ドレッシング、もしくはそれに期待したい筋、こうしたものの無謀な腕力相場も想定済みでしたから、尚更です。
だから売るんだよ的な戻りを期待したいところですが、執筆時@8840の高値を見たようです。ニヤリ。 TV株番組では「安いと思ったんですが強いですねえ」的な狼狽の声ですが、これが引っかかりやすい甘い囁きではないか、と見て取れるシグナルパターンです。換言すれば、こうして間違ってマーケットはあや戻しをするので、ので、笑、ここは買いではない!というシグナルと受け止めて行きたいと思います(もっとも、米国市場は条件付きで上げてよし、なのですが・・)。

奇しくも日足ではあるもののかねてより警戒の「三羽烏」が再登場しています。この点なども「あや戻しにつくなら十分に警戒を」を後押ししそうな展開です。そもそもがまだまだ「割高である」を認識していくことでしょう。
今晩31日の米国市場

ダウ
買い
レベル3 ☆☆☆

バトルポイント
@12870
@12730
@12610
@12580
@12440
@12310


ナスダック
買い
レベル2 ☆☆With赤信号(超高値観測での買いシグナル  十分注意を)

@2870
@2840
@2800
@2790
@2760
@2720


米国市場は再びダイナミックな「・・らしい」「いかにも!」の動きを見せてくれました。特にダウはまさに歓迎の「ツッコミ買い」が十分可能なボラ、安値@12529を見たあとに切り返しての高値@12659、そして大引け@12653という 見方によれば100ドル以上の利幅を日中で見せた格好です。まさに、フロアトレーダーであれば嬉々として買い参戦できたのではないか、と実に米国市場は羨ましい限りです。130ドル安からの切り返しですからしてやったり、のトレーダーのニンマリが目に浮かびそうです。

さて、指数解析ですが、このように米国市場は「買いシグナル」下、スタンス、投資マインドとしては買いを狙っていきますから、仕込みどきは、昨晩のような軟弱ツッコミ場面は絶好の「買いの種まき」として歓迎します。そしてこうして多くの投資家が「もどったのでしっかり」と感じた頃には利益確定ができている、という理想系が実現できる環境と見ています。引き続き買いスタンスですからこのような姿勢で見ていきます。
ところが、ナスダックは別です。指摘のように、これでは「下げ渋り」どころかまさしく「下げそこない」の中での買いスタンスですから、ポートフォリオとしては現状、ナスダックは両建て。売り:買い=76:1 ですから、もうこれは「売り」スタンスではないか、となります。それだけ今のナスダックは高いところにいる、との裏返しです。100ポイントの割高の落としどころ、破壊的なものになるのかどうか、注目しています。



フロアトレーダーとは
フロアトレーダー(floor trader)とは、アメリカの証券取引所の会員業者の一種であり、立会場内で自己勘定による取引のみを行うトレーダーのこと。取扱銘柄を限定せず、一般投資家やプローカーからの委託注文は受けない。相場の細かな変動を利用して値ざやを稼ぐため、価格の平準化や相場の継続性維持に貢献している。

一方、同じく証券取引所の会員業者の一種であるフロアブローカー(floor broker)はブローカー専業である。やはり、一般投資家からの委託注文は受けない点はフロアトレーダーと同じであるが、立会場内で他の会員から委託注文を受ける点で違っている。

比較的低額の手数料で迅速に出合いをつける(売買取引が成立する)ことを業務としている。一般投資家の注文を代理執行するコミッションブローカーはフロアブローカーに委託することで、業務の効率化とコスト削減を図ることができる。

2004年にニューヨーク証券取引所の電子取引が開始されたが、並行してオープンアウトクライも引き続き行っているため、フロアトレーダーも残っている。

米ドル/円




ドル円 USDJPY
買い
レベル60 ☆☆☆・・☆☆
MAX

バトルポイント
@77.69
@77.12
@76.55
@76.42
@75.85
@75.28

2012年「初!」の強い、否、非常に強い買いシグナルが出ました。ボラも大きいのでできれば「大ツッコミ狙い」として大台割れ(=75.00円台)も欲しいところですが、さてさて・・。ツッコミ買い好機!と捉えたい一日です。
23年度一般会計予算:約94兆円

一般会計予算は、100超円規模は時間の問題!

歳入:所得税・法人税・消費税・その他の税収入で53.2%であり、46.8%・44兆円は公債収入<特例公債と建設国債>

家庭が、1か月50万円の収入で100万円の生活をしていたら破綻していきます。

日本は、水道の蛇口を閉めないとですね・・・国債利払いだって大変ですからね~

ところで、GSの会長オニール氏が、日本国債のショート・ポジションが、利益を生む日が近づいていると予想していました。利回り上昇<金利上昇・債券価格下落>すると見ていますね!それから、1%利回り国債、公的債務のGDP比率200%からして、円が25%過大評価されていると発言。

金利上昇→インフレなら、公的債務は助かりますけど、デフレ脱却できないのは「円高」だからという人もいますから。まあ~、インフレで公的債務が実質的に減少なんてならないかと!

個人金融資産目当てに個人国債発行が増加していくのかと・・金融機関はもう消化剤を飲まなきゃでしょうから!

公的債務は、GDP比率200%!
もし日本国債が暴落したら金利は上昇してさらに円高になりますか?それとも円の信任も低下して円安になりますか?もし円安になるなら株式市場や日本経済にとってはプラスになりますか?
政権政党が自民であれ民主であれ、日本国内はすべて財務省の思うように進んでいっているようですが

世界では、連中の思いの及ばないところで大きな落とし穴が掘られている、そういうことですね
相場の方向感が読みにくいため、上げ相場でも下げ相場でもリターンを上げる
ヘッジファンドへの投資が個人でも増えているようです。
ただし、違法な投資助言業者には要注意。
日経新聞に出ていましたが、「無登録業者」との契約は無効にできるそうです。
http://www.minkaigai.com/archives/4854
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