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アカデミー賞の発表が近づく

2012年02月13日

アカデミー賞の発表が近づく

 先週書いた「国債」や「量的緩和」などについては数多くのコメントを頂いており、参考にさせて頂いた記事を必ず明日以降に書きますが、本日はこの話題です。

 現地2月26日にロサンゼルス・ハリウッドでアカデミー賞の発表と授賞式が行われます。映画界の一大イベントなのですが、意外に知られていないことがあるので解説します。

 まず対象となる作品は、前年の1年間にロサンゼルス郡で連続7日間以上有料公開された映画で、それ以前にテレビ・劇場・DVD・ネット配信などで公開されていないものです。そして作品だけでなく監督・脚本・俳優・音楽・撮影・衣装など数多くの部門で受賞者が選ばれます。

 投票権があるのはアカデミー会員だけで、アカデミー会員とは監督や俳優だけでなく映画にかかわるあらゆる人々と映画製作会社役員などの約6000人です。基本的には米国、それもハリウッドで映画にかかわっている人々が大半で、外国人は比較的少ないようです。

日本人では故・勅使川原宏監督と故・黒澤明監督が生前会員だったはずで、現役では渡辺謙さんとワダエミさんが会員のはずです(はずですと言うのは、会員であることを外部に話さないルールになっているからです)。

 対象年の翌1月に各部門の会員がそれぞれの部門の候補を投票で決め(作品賞だけは会員全員の投票)、そのなかから全部門の受賞作品(者)を会員全員が投票して、2月末か3月初めに開票・発表・授賞式が行われます。6000人も投票するため「特定の力」が働くことはありません。

ただ外国語映画賞だけは各国の映画界が推薦したもののなかから会員全員の投票で選ばれます。外国語映画は上記の条件であるロサンゼルス郡で公開している必要はありません。2008年(授賞式は2009年)には日本の「おくりびと」が選ばれました。

 また授賞式会場(ここ10年ほどはハリウッドのコダック・シアターですが、コダックが今年に入って破産したため命名権も売却されます)に入れるのは会員と招待客だけです。またどの受賞者にも同じ金メッキの人型の彫像(オスカー像)が贈られるだけで、賞金・副賞は一切ありません。同じように授賞式の司会者などへのギャラも一切ありません。

 つまり、アカデミー賞とはあくまでも米国(それもハリウッド)の映画界が内輪で決める賞で、評論家や記者や(映画への)投資家なども候補や受賞の決定には参加できません。従って受賞作品(者)は、その時その時の米国映画界を取り巻く状況や景気、または世相や政治を強く反映します。一般的にハリウッドは民主党支持者や反戦支持者が多く、ゲイに理解があり、東海岸へのライバル心が強く、また当然米国映画界を牛耳るユダヤ人寄りです。

 また映画界の身内同士が選ぶので、どうしても若手より実績を積んだベテラン(重鎮)が有利になります。また映画界全体の発展(雇用の拡大など)に貢献した作品が選ばれるはずなのですが、2009年にリーマンショック後の映画界の不況からの回復に大いに貢献した「アバター」が作品賞・監督賞ともに落選しています。

 さて、これらの「基本知識」をもとに、すでに発表されている各部門の候補から受賞作品(者)を予想してみましょう。ただ「作品賞」だけでなく各部門に候補者を出している作品のほとんどが日本ではまだ未公開です。これはどうしても候補に選ばれるためには前年の前半より後半の公開作品が有利なこともあります。

 まず間違いないのは主演女優賞のメリル・ストリープ(マーガレット・サッチャー・鉄の女の涙)です。彼女はユダヤ系で主演・助演女優賞候補に史上最多の17回も選ばれている「重鎮」です(受賞は主演・助演各1回)。以前、本誌で取り上げたルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女)は初登場のため受賞は無理です。

 監督賞はマーティン・スコセッシ(ヒューゴの不思議な発明・作品賞候補にもなっています)が有力で、受賞すれば2006年に「ディパーテッド」で作品賞とダブル受賞して以来となります。イタリア系のスコセッシと、年長でユダヤ系のウッディ・アレンの争いでしょう。どちらも「重鎮」の域に入っています。

 同じく「重鎮」という意味で間違いなさそうなのが助演男優賞のクリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)です。御年82才で、なんと1965年公開の「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐役だった人です。「ドラゴン・タトゥーの女」でも重要な役を演じているのですが、これも同じ候補者のなかに同い年のマックス・フォン・シドーもいるのでやや流動的です。

 主演男優賞と助演女優賞その他はよく分かりません。

 最後の作品賞は「マネーボール」と「ツリー・オブ・ライフ」以外は日本でまだ未公開のため上記の「基本知識」だけで考えてみます。最近10年で「作品賞」と「監督賞」のダブル受賞が8回もあり、今年もスコセッシ監督と「ヒューゴの不思議な発明」のダブル受賞が有力なのですが、ウッディ・アレン監督と「ミッドナイト・イン・パリ」の組み合わせもあるかもしれません。

 前評判の高いのがフランスの白黒・無声映画の「アーティスト」ですが、いろんな理由で無理だと思います。英語圏以外の映画(無声だから関係なのですが)という以外に、これを選んでしまうと現在の米国映画界の3D・CG化に「反対」のメッセージを送ってしまうからです。それより9.11同時多発テロを題材にした「ものすごくうるさくて・ありえないほど近い」(原題のExtremely Loud and Incredibly Closeの直訳ですが、もう少し工夫できなかったのかなあと思います)の方が有望だと思います。

発表は日本時間2月27日(月曜日)の午前中でWOWOWが放送しますが、現地で独占中継するABCは実際の映像を5秒遅れで配信します。これは何かハプニングがあった時に「瞬間的にぼかしを入れる」ためで、2004年のSuper Bowlのハーフタイムショーでのジャネット・ジャクソンの「ハプニング」から導入されたものです。

実際は技術的にかなり難しいようで、先日のSuper Bowlのマドンナのハーフタイムショーでもあった「ハプニング」では間に合わず、1億1000万人以上が「見て」しまいました。

平成24年2月13日


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コメント
Iron Sky Trailers 1, 2 & 3
http://www.youtube.com/watch?v=JHs2nKI0dXk&feature=related

アカデミー賞も興味津々ですが、ハリウッド、大作、そうしたものの対極、まっ反対 180度にある映画がやっと完成したようです。この[IRON SKY」プロジェクトは2008年にスタート。資金の多くをインターネットの有志からの出資で賄う「マイクロファイナンス」方式で作られたのも注目ですし、テーマがテーマなだけにその映像の奥にあるメッセージ(闇株さんのこのHPでいけば’行間’にいつも思いを巡らせますが)、セリフのひとつひとつを是非エンジョイしてみたいところです。日本公開は実現するかどうか、、。
nazi secret wepones (Wunderwaffe )
http://www.youtube.com/watch?v=D0itnYrKJrg&feature=related

今やユーロ問題では主役の感のある「ドイツ」。一説には現首相はヒトラーの孫(子)との話もある中で、~そういえば確かに似ている~、「ありえない」とか「そんな馬鹿な」もしくは、そうした常識外(?)を排除する傾向、精神(気持ち)が今日のわが国の衰退を招いたマイナスの負の原動力になっていったのかもしれないですね。平易に言えば島国根性でしょうか。グローバルに見ても、子々孫々にはつらい思いをしてほしくないものです。
闇株さんのアカデミー賞の記事を読んで、ダルトン・トランボのことが頭をよぎった。

売れっ子脚本家だったトランボは、1947年当時全米に吹き荒れていた赤狩りによってハリウッドを追放された。
彼は時の権力に屈する事無く、その後も貧困の中偽名を使って脚本を書き続けた。

最近になってわかったことだが、その不遇の時代にトランボが手がけた作品の一つにあの不朽の名作「ローマの休日」がある。
もちろん偽名でゴーストライター的な活動なので表舞台には一切出ることはなかったが、
「ローマの休日」公開50週年のデジタルリメイク版には、原案・脚本のクレジットはトランボの名前に変更された。

トランボが時の権力に屈することなく闇の中から活動を続けたのが、「ローマの休日」と世界の妖精オードリー・ヘップバーンを世に出したのだ。

闇株さんとトランボ、共通点があるようで。
 確か、フランスの アーチスト といよきハリウッド時代を彷彿させる、フランスの白黒無声映画がほとんどの賞を取りましたよね。うろ覚えで申し訳ないのですが、賞を取ったフランス主演男優のまだ公開されてない次回作に911のことが入ってるらしく、それを削らなければならなくなった、、、。などと、さらっと、ヤフーフランスのニュースにあったように記憶してます。
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