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えっ追加金融緩和?

2012年02月15日

えっ追加金融緩和?

 本日(2月14日)午後、日本銀行が追加金融緩和を発表しました。

 政策決定会合が行われているものの、多分FRBの追加金融緩和(QE3)とかECBの追加資金供給(4000億ユーロと予想されています)を見てからでなければ動かないと思って、昨日「50兆円の量的緩和を!」と書いたのですが、珍しく先行して「10兆円も!(皮肉です)」量的緩和をしてくれました。

 内容は「資産買入れ等の基金」を現状の55兆円から65兆円に増額し、増額した10兆円は長期国債の買入れに充てるというものです。

 この「資産買入れ等の基金」とは、2010年10月28日の金融緩和時(FRBによるQE2が行われた時)に35兆円の枠で導入されたもので、そのうちの30兆円が固定金利方式・共通担保資金供給オペによる貸出し(もちろん銀行に対する貸出)で、「ほんのついでに」5兆円の枠で長期国債・短期国債・社債・CPなどを「ごちゃまぜ」に買入れるものでした。

 ところがその「ごちゃまぜ」に中にETF・4500億円とREIT・500億円が入っており、「いかにも安直な市況対策」もやってしまおうというものだったのですが、当時はこの合計5000億円の枠でかなり株式市場・不動産市場が明るくなったものでした。

 まあ、当然その後に評価損となっているのですが、それより中央銀行の権威(日銀券つまり「円」に対する信認)の維持の観点からは非常に問題があるものです。

 その後「資産買入れ等の基金」は何回か増額され、今回の増額を入れて内訳が、長期国債19兆円(本年1月末現在の買入れ3.5兆円、以下同じ)、国庫短期証券4.5兆円(2.3兆円)、CP・2.1兆円(1.7兆円)、社債2.9兆円(1.7兆円)、ETF・1.4兆円(8479億円)、REIT・1100億円(660億円)、共通担保資金供給35兆円(32.8兆円)で合計が65兆円(43兆円)となっています。

 つまり長期国債15.5兆円を含む22兆円ほどの買入れ枠ができたということです(見落としているのかもしれませんが。いつまでに買い入れるという説明がありません)。また、日本銀行はこれ以外に国債を月間1兆8000億円(年間21.6兆円)買い入れています。

 もう1つ、「消費者物価の前年比上昇率1%を目指し、それが見通せるようになるまで実質的なゼロ金利政策と金融資産買入れ等により強力に金融緩和を推進していく」(日銀総裁記者会見)とも発表されています。

 これは日本銀行の物価に関する考え方が不明瞭であると先日の衆議院予算委員会で「批判」されたからかもしれませんが、一応意味するところは「明瞭」になりました。

 ただ10年国債の利回りが1%であるため、消費者物価上昇率を1%と「明言」してしまったら、仮に何らかの外部要因で消費者物価指数(昨年12月の全国消費者物価の前年比はマイナス0.1%)がプラス0.5%くらいになると、金融緩和の打ち止めが近いとパニックになって不必要な国債価格の下落を引き起こすかも知れません。

 ここはいつものように「デフレ状況から完全に脱却したと確信が持てるまで」などの「玉虫色の表現」にしておくべきだったと思います。つまり「無駄に明瞭」なのです。

 まあ、今回の追加金融緩和が「十分か?」と聞かれれば「大変不十分で中途半端」であり、一応敬意を表して(?)78円台に入った為替も持続するかどうかは疑問です。

 そう思うのは「量が不十分」である以外に、本来なら「財政政策」「為替政策」「貸し渋り対策」「株式市況対策」などすべてを動員して「整合性のある」「国民が納得する」総合政策のパッケージとして打ち出すべきものを、「何となく中途半端に1つだけ出てきた」印象がぬぐえないのです。

 あまりこういう詮索はしたくないのですが、ついこれ「消費税上げのためのサービス?」と思ってしまいます。

 追加金融緩和にしても、あと何回も切れるカードではないため絶対に「無駄打ち」は避けるべきだったのです。その「あと何回も切れないカード」で最大限の効果を出せるようなパッケージがぜひ必要だったのです。

 どういうパッケージにすべきかを、昨日からの「日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える」シリーズで考えて書こうと思っていたのですが、先に単独で「対応」されてしまいました。

 でも、明日からまた続けます。

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コメント
自民党も日銀法改正を主張し始めたことから、阻止するためのアリバイ作りでしょう。

「デフレ脱却」前面に 自民衆院選マニフェスト 日銀法改正も
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120215/stt12021500130001-n1.htm
日銀の1%のインフレターゲットはやはりサプライズ。
円安来ましたね。
闇株先生、そうですか?
78円でグズグズしていないでしょう。
ユーロも103円から半値戻しへ。
日銀が全く無能で前の週の天気予報の結果発表する機関くらいにしか思っていない貧乏神だ、無能だ、日銀の法改正だと言われやっと重い腰が上がったようです。
期待していなかったからサプライズ効果はじわじわと効き始め
日銀は前回為替介入した分が大きく利益になりそうです。
為替は円安に既に舵を切り始めて週足で2本陽線、
月足で2月でこのままなら2本と本格反転。
123円の長期トレンドと75円の3割上昇で90円が当面の目標値。
100円になれば息を吹き返しそうです。
ヘッジファンドがどういう動きをするかも興味津々。
年が変わると一変すると言う典型的なパターン。
株も為替も完全に上昇基調。
円という名の為替は全て円安方向へ一直線。
加速度がつくのは3月からかな?
このタイミングで政府の為替介入で、一気に円安に持っていくのではないでしょうか?

1995年榊原財務官の時のようにhttp://www.geocities.jp/real_chart_fx_sgxnikkei_dow/USDJPY_1995.html
2.13日<火> 日銀の量的緩和報道が流れた後、米ドル・円は78円台へ右肩上がり<円安に向かうと右肩上がりとなる罫線から>となり、225先物分足も右肩上がりとなり、まさに、日銀によるアナウンス効果でした。

でも、FRBによる物価上昇目標2%とした政策に日銀<バーナンキ氏は、インフレ・ターゲットじゃないとしていますが、白川氏は米国の2%目標をインフレ・ターゲット類と>も刺激を受けたんでしょうかね?10兆円増加分は、長期国債買い入れで、これも、米国の長期国債買い入れに習った動きで、独自路線よりは猿真似方式!

でも、突然でしたから、マーケットにはサプライズ効果ありでしたし、為替トレーダーもポジション調整でしょうからね!

問題は、日銀が打ち上げた「アドバルーン」が、今後消費者物価指数を上昇させていき、デフレ脱却となるかを投資家は検証していくでしょうから!

個人消費を活発にするには、賃金を上げて可処分所得を増加させなないとですね。今年度の春闘ですね!

個人消費が良くなれば、国内生産増加→売上等増加→法人税増加・・・単純すぎますけど!

そのためには、民主党政権が、日本丸のグランド・デザインをしなきゃならないのですけど、ただ、年金を含む社会保障制度の資金枯渇化での消費税率引き上げに懸命になっていて、国民が安心して消費活動に向う政策はなし。

フランスは、長期に渡り人口減少対策に取り組みしてその効果がでてきていますから<勿論、フランスと日本とでは、結婚に関して実質婚に対する考えの相違はりますけど>。日本も、人口減少に歯止めをする対策をしないと、老人国家になります。

今回の日銀の金融緩和ですが、まず何もしないよりはマシだということは言えます。緩和の規模として、年40兆円ペースでの長期国債買い切りオペは年間の国債発行額にやや足らないにしてもそれなりの規模だとは思います。問題は、「消費者物価の前年比上昇率1%を目指し、それが見通せるようになるまで実質的なゼロ金利政策と金融資産買入れ等により強力に金融緩和を推進していく」です。まず、1%というゴールは低過ぎます。世界標準は2%です。これは意味のない数字でなく、CPIの上方バイアスやゼロインフレの弊害などを考慮に入れた水準なのです。日銀の場合、1%が上限というようにもとれるので、実質的にはデフレターゲットとなる可能性が残ります。前回の量的緩和解除では、「フォワードルッキング」で前倒しで引き締めに動いた過去があるだけになおさらです。全体として、デフレスパイラルに陥らないよう下支えはするが本格的なリフレーションを行う気はないという従来の日銀の金融政策レジームは変わらないということだと思います。
昨日、馬渕治好さんという元日興証券のアナリストの方の講演を聞いたのですが、彼は量的緩和の円安効果に非常に懐疑的で、米国のQE2についても、FRBの発表する全商業銀行の資産データによれば、“現金資産が積み上がっただけ(QE2期間中に8881億ドル)で、ローン残高はむしろ減少しており”、QE2の6000億ドルが市場にあふれ出たというのはウソ、と断じておられました。
この方のご意見に穴はありますか?
昨日の続きです。

従って、今回のあるいは今後あるかもしれない追加緩和で株も景気もおそらくは回復に向かうのでしょうが、その回復は従来(1996年や2000年、2007年)同様きわめて中途半端なものに終わる可能性が高いと思われます。すなわち、今回も早過ぎる金融引き締めが景気の腰を折るのではないかと危惧します。少々先回りのし過ぎかもしれませんが、この心配が杞憂に終わることを望んでやみません。
>CFAJ氏

それはリフレ政策に対するよくある誤解の一つです。
量的緩和を行った場合の効果は、必ずしも銀行貸出しの増加となって現れるわけではありません。企業や個人が投資に慎重で現金資産を積み上げているような状況下では、投資はまずその積みあがった現金資産を取り崩して行われるためです。貸し出しが増えるのはその後のことです。
これはかつての大恐慌の時のデータを見てもそうであったようです。
こうしたことは多くの著作で既に指摘されており、そのアナリストは不勉強なのか確信犯的にウソを言っているのかいずれかであると思われます。
金属相場が下がっています。平均株価に先行して下がる傾向があります。お気をつけあそばせ。
金融緩和しても円キャリトレードで日本以外の世界のどここかで投機マネーになるだけでは?日本国内の需要に回っていくのでしょうか?
>川瀬茶尊氏

金融緩和で円キャリートレードが盛んになれば、円安となり、輸出増を通じてGDPが増えますね。
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