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さりげなく出てきた「連用制」のもつ重大な意味

2012年02月16日

さりげなく出てきた「連用制」のもつ重大な意味

 本日(2月15日)衆議院選挙制度改革に関する各党協議会で座長を努める民主党の樽床伸二幹事長代理が、「小選挙区比例代表連用制」を検討対象に含めた「試案」を提示しました。

 要は衆議院選挙の1票格差については最高裁で違憲判決が出ているため早急に何らかの変更を加えなければならないのですが、これだけなら小選挙区(定数300人)の0増5減で済みます。

 そこへ消費税増税のために議員定数を削減する話が出てきて、比例定数(定数180人)を80人削減する話が出てきました。

 さらに本日でてきたのが、比例定数削減に伴い「民意が過度に集約される事を補正するための(はっきり言って詭弁です)小選挙区比例代表連用制」です。簡単に言うと比例代表選挙の結果、各党に当選を割り振る方式(ドント方式)は変わらないのですが、その際に小選挙区の当選数を比例の当選数から差引というものです。ただし比例全部に「連用制」を適応するわけでもなさそうです。

 現行制度は有権者が小選挙区と比例を別々に投票する「小選挙区比例代表並立制」であり、必ずしも小選挙区に投票した議員の属する政党を比例でも投票するわけはないので問題が複雑化するのですが、仮に部分的にでも「連用制」が導入された場合に最も恩恵を受けるのが3~4番目の政党(具体的に言うと公明党と共産党)であり、選挙後に仮に連立を組む場合も非常に重要な位置を占めることになるのです。

 もちろんその分「ワリ」を食うのが民主党と自民党なのですが、じゃあ何故民主党が音頭を取っているのでしょうか?

 こういう思惑があるはずです。

 「連用制」をちらつかせることによって、それによって一番恩恵を受ける政党(具体的には公明党)を「現時点で」引き込んで、消費税上げを含む重要法案を可決し、同時に内閣不信任や解散などを回避してしまうことです。

 要するに「将来」の選挙における恩恵をちらつかせる(あるいは約束する)ことによって「現時点」の国会を乗り切り「消費税上げ」も通してしまおうということなのです。

 従って解散もなくなるので「橋下新党」も戦う場所がなくなり急速にしぼんでしまいます。さらに比例定数の80削減など最初からやるつもりなどなく、最終的には30程度の削減でお茶を濁すはずです(小選挙区の0増5減は違憲状態なので必須です)。

 さらに突然出てきたような「樽床私案」ですが、消費税上げを通すために用意周到に練られてきたもので、野田首相を含むごく少数の「幹部」が財務省と連携を取りながら「満を持して」出してきたものです。もちろん樽床氏自身が考えたわけでもなく、報道では各党の思惑が一致せず難航しているように伝えられるのですが、「ここで出てきた」ということは「通す目途がついている」のです。

 決して「推測」で書いているのではなく、「報道」が出た瞬間に書こうと前から決めていた記事なのです。

 最後に余談ですが、現行の「小選挙区比例代表並立制」の原型が導入されたのが1996年の衆議院総選挙ですが、その原因となったのが1988年に事件化した「リクルート事件」で未公開株という「賄賂」を受け取った議員があまりにも多かったので政治改革論議が盛り上がったからです。これ自体は大変結構なことだったのですが、何故か長い議論の末に導入された政治改革がこの「小選挙区比例代表併用制」だけだったのです。

 選挙制度とは、そもそも何でこういう制度になっているのかを後から考えてもなかなかわからないものなのです。昨年3月9日付け「あの事件はどうなった? その6 リクルート事件の検証」に書いてあります。

 さて、余った紙面で「オリンパス」について少し書いておきます。先日「オリンパスに官僚の利権が入り込むという認識は時代遅れだ」とのコメントを頂いていましたので、これについてです。

 確かにオリンパスには過去に官僚が天下っていたわけではなく、また業務自体も「認可」などの官僚権限に関係するものではありません。従って従来は全く官僚とは関係のない会社でした。

 そこに今回の「損失隠し」が発覚したのですが、過去の類似の事件に比べて「はるかに長期にわたった巨額の事件」であったにもかかわらず、上場が維持されたとか、刑事事件化の動きが鈍い(最終的には最小限に刑事事件化すると思うのですが)とか、巨額報酬を山分けした者への追及をやめてしまっているとか、「非常に遠慮がちな」対応が続いており、マスコミの追求も完全に止まっています。

 その理由としては「海外から発覚した」ため、日本の当局としては「見落としていた責任」を問われたくないこともあるのですが、最大の理由は「7000億円にも上る銀行の貸付債権」を保全するために「財務省」が采配を振るっているからなのです。当然その結果「利権」が発生することもあるのですが、まず最重要はこの銀行債権の保全なのです。

 つまり、今後のオリンパスを考えるにあたっての「キーワード」がこれで、オリンパスの今後の収益状況や財務状況の改善のための方策が最重要視され、有力企業との資本提携もその1つなのです。そのためには最大債権者である銀行を支える「財務省」が権限を使って采配を振るう必要があるのです。株主の損害賠償が簡単でないと思う理由もこれなのです。

 それを「官僚の利権」と呼ぶことが適切なのかどうかは分かりませんが、分かり易くそう呼んだわけです。

 ただ最近、オリンパス側から「自主再建」の声が上がっています。これは「財務省」にとってあまり都合の良い動きではないため「何らかの牽制」が出てくるはずです。

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コメント
経済の衰退とともに先進国の政治も行政も企業も劣化してしまう。
本日の国会議員削減がらみの搦め手も妙に納得。
消費税を上げても不景気で消費税収入は増えないし社会保障は増え続け、近々破綻し全額自己負担も視野に入って来ているのではないでしょうか?
日本の年金はどうなるのでしょうか?
世銀が2000年までは世界の富の80%を先進国20%が後進国と言う分配だったのが、いまでは72%が先進国28%が中国インドブラジルを筆頭にした後進国になって、今後2030年までには、富は逆転し35%が現在の先進国65%が中国インドブラジルアフリカを中心にした後進国と言われている。
まさに現在の経済はそれを象徴するようなパラダイムシフトが起きていると言われていますがどう思われますか?
2030年ではなく
今後2050年までには、富は逆転し
のまちがいでした。
○○政経塾出身の政治屋さんによる政治ごっこにウンザリしていた矢先、、またまた新たに政治塾??ですか・・。


この国への想い、祖国を思う気持ち、、彼らの子々孫々への想いに同調しようと試みたとき、なんと今の政治屋に落胆することか。まさに「憂国」の感、です。

神風特攻隊員たちの遺書
http://www.youtube.com/watch?v=_QOXodCXpTs
>オリンパスへの「何らかの牽制」

ご指摘の通り、
菊川元社長など旧経営陣3名が
逮捕されましたね。
現行の選挙制度は「小選挙区比例代表併用制」ではなく「小選挙区比例代表並立制」です。
「小選挙区比例代表併用制」は現在ドイツで用いられている制度で「連用制」とほとんど変わらない制度です。
「並立制」とは全くの別物です。
ご指摘いただいた通り、現行制度は「小選挙区比例代表並立制」です。お詫び申し上げるとともに本文を訂正させて頂きました。おいどんさん、指摘ありがとうございました
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