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日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その4

2012年02月21日

日本政府と日本銀行の対応をもう一度考える  その4

先週(2月14日)の日本銀行による10兆円の追加量的緩和で円安・株高が進んでいます。本日(2月20日)日経平均が一時9500円台半ば、円・ドルも一時80円一歩手前となりました。

 まさに量的緩和の効果が理論通りに出ているのですが、米国やユーロ圏の状況が好転していることや中国の金融緩和の影響なども大きく、今回の10兆円の追加量的緩和だけで株高・円安が定着するかどうかはわかりません。

 というのは、本来は金融政策と一緒に財政政策や為替政策(というものが日本にあればの話ですが)などすべての政策を動員して経済回復を図らなければならないところ、明らかに金融政策のみの単発で、消費増税へ一直線で、かつ金融政策自体も僅か10兆円の量的緩和にすぎないからです(今週発売の「週刊朝日」も読んでみてください)。

 だから本シリーズで、いま日本がとるべき政策のパッケージを考えているのです。

 本日は、(少し円安に振れているのですが)円高のうちにやっておくべきことを考えます。2つあるうちの1つです。

(その5)「海外の国債保有を増やすべきと思う理由は?」についてです。

 そう言うと「これは景気対策にも財政再建にも何の関係もない」「海外に国債を保有されたらギリシャのようにデフォルトする」「ヘッジファンドに売りたたかれる」など反論が山ほど来ると思うのですが、とりあえず基本的な考えを書きます。

 昨年9月末時点の海外投資家による日本国債保有額76兆円ほどで、これは国債発行残高の8.2%で過去のピーク(8.5%)に近づいています。そのうち22兆円が政府短期証券です。

 確かに国債を海外投資家に保有してもらっても、これで債務問題が解決するわけではありません。しかし「円」の国際化を進めるために是非必要なのです。

 何故「円」を国際化しなければならいかというと、国際社会における今後の日本の立場を考えると、ぜひ「円」を国際化して(もっと言うと「円」を基軸通貨の一部にして)世界の金融市場で「ある程度」の役割を担えるようにしておく必要があるのです。

 「円」を国際化するということは、海外が「何の疑問も持たず自然に」円を保有することで、通常「国債」などの資産の形で保有します。

 現在の基軸通貨であるドルは、発行される紙幣の約50%、国債の発行残高の46%が海外で保有されています。これは(最近こそやや状況が違ってきているのですが)が海外の投資家や銀行や企業が「何の疑問も持たず自然に」ドルや米国国債を保有していることで、それだけ米国の債務が海外で「自然に肩代わり」されていることなのです。これが基軸通貨の特権です。

 「円」が国際化(基軸通貨化)されるということは、海外の投資家や銀行や企業が「何の疑問も持たず自然に」円や日本国債を保有することで、結果的に日本の債務がかなり「自然に肩代わり」されることになるのです。

 ただ「円」が国際化(基軸通貨化)されるためには、海外投資家などに「円」を保有するメリットがなければならず、「利便性(規制が少ない)」「安全性(革命が起きないというような意味です)」「流動性(市場の大きさ)」と並んで「通貨が強い」ことが絶対に必要となります。

 日本は、米国と違い(当分の間は)経常黒字国のため、自然に「円」が海外に流出するということはなく、また邦銀の海外支店も円ローンに積極的ではなく、国際債券市場での円建て債の発行額・流通額も少ないため、このままだと円が国際化(基軸通貨化)しません。

 だから、まず「日本国債」の海外保有を増やすのです。「日本国債」の海外保有が増えれば当然海外での売買量が増え、結果的に「日本国債」を売却してもまた買い戻すために「円」のまま保有しておくとか、(少ないものの)利払いを円のまま保有しておくなど、少しずつ海外における「円」の保有・流通が増えてくるはずなのです。「円」の保有が増えるとこれまた「日本国債」の保有も増えていくのです。

 つまり、海外で「円」や「日本国債」の保有を増やすためには、「円」が強くなければならず、消費増税のために「日本国債」のネガティブキャンペーンを海外でやってはいけないのです。「円」をある程度国際化しておけば、将来的に日本が経常赤字国に転落したり、国内金融資産だけによる国債消化能力が減少しても、海外投資家がある程度「吸収」してくれるのです。

 因みに2011年9月末時点の「世界の外貨準備」の総合計は10.1兆ドルで、そのうち通貨別内訳がはっきりしている5.4兆ドルの中で、ドルが61.7%、ユーロが25.7%、ポンドが3.9%、円が3.8%となっています。日本はこれら4か国(地域)の中でGDPの約16%を占めているため、これだけ見ても「円」の国際化が遅れていることが分かります。

 突拍子もない考えだと思われるでしょうが、非常にまじめに考えているのです。


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コメント
ナンセンスな消費増税のための「日本国債」のネガティブキャンペーンは論外としても、「円を強く」というのは量的緩和政策(リフレ政策)とは矛盾するのではないでしょうか。
> 何故「円」を国際化しなければならいかというと、国際社会における今後の日本の立場を考えると、ぜひ「円」を国際化して(もっと言うと「円」を基軸通貨の一部にして)世界の金融市場で「ある程度」の役割を担えるようにしておく必要があるのです。<

現実は厳しい状況かと。宮沢氏・榊原英資氏コンビで、アジア通貨基金構想<ファンド>があり、円を基軸とする構想でしたけど、米国が握りつぶしたのが現実でしたし、中国の台頭もあり、その構想は非現実的となりました。

ギリシャ債務危機問題は、約13兆円金融支援策実施に向けて、ギリシャが緊縮財政をしていく決定しましたら、3月のギリシャ国債償還が債務不履行とはならなくなってきました。この償還ができなければ、財政危機問題がイタリア、スペイン問題にも発展しかねませんでしたから、投資家は、安堵したんじゃないかと思います。

ただ、円が基軸通貨としての米ドル、ユーロ通貨のような通貨になっていくかは、疑問かと。それには、日本に進出する海外企業に対して世界基準のルール<規制緩和>にしませんと、日本へ投資しても数年後には事業を縮小したり、撤退していく海外企業が多いかと思います。

もう数年前の統計となりますけど、GDPに対して海外からの投資資金割合が、どのくらいあるかで、日本は5%以下で、確か、中国、韓国よりもGDP割合からの投資資金が少なかったかと。

GDPに対して約30%の投資資金流入国は英国で、17%前後だっかかとの記憶ですけど、それが米国でした。

ただ、円を強くと言いましても、海外から投資するには、規制からして魅力ない国家じゃないんでしょうか。米国だって、投資先は、13億人の中国かと!次には、10億人のインドが控えています。

今回の日銀の発表は、幸運だったのかもしれませんけど、サプライズでした。安住財務大臣の、あきれ果てた為替介入への暴露<手の内公開>とは違い、円安・日経平均上昇への弾みとなりました。下らない 政治家のパーフォマンスは不要!

金融相場の様相であり、米国の追加量的緩和策の発表を待つだけの感じですけど。
米国債30年物チャート 10月3日2.761 12月19日 2.801を底に 75日平均線を25日平均線が抜いてきました。GCです。

前回は10年8月を底3.530に11年2月4.763まで上昇、日本の長期金利もそれに合わせて0.845から1.359まで上昇しました。

今回、日本の金利は1月16日0.946を底に1.2程度まで約3カ月かけて上昇すると思いますがどうでしょうか。

また、長期金利と日経平均のチャートは連動性が高いです。
 
そして、3月決算対策で間違いなく株価を維持したい政府の意向も働きます。


 
>「円」が国際化(基軸通貨化)

元大蔵官僚の中平幸典は、日銀によるマネタイズに反対する理由として円の基軸通貨化を挙げています。90年代後半の円安を日本売りと考えて円買い介入したのも、「通貨が強い」による基軸通貨化を背景にしたものでしょう。もしそのまま円安にしていたらデフレは定着しなかったかもしれません。

デフレと財政危機を招いた為替PKO
http://www.dir.co.jp/publicity/column/060227.html
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