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ドラギvsバーナンキvs白川

2012年03月02日

ドラギvsバーナンキvs白川
 
 2月29日付け「ドラギECB総裁のジレンマ」で、中央銀行総裁の資質として「中央銀行の権限の範囲を超えることなく」「明瞭な政策を」「手遅れになることなく」「思い切って行い」かつ「市場との対話が出来ること」と書いたのですが、「政権や海外の圧力に負けることなく」が抜けていました。
 
 ここまではドラギECB総裁は「合格点」で、バーナンキERB議長も地味ではあるものの専門家の間では「合格点」が付けられています。日本銀行の白川総裁については書きませんので皆さんで考えてください。
 
 さて、中央銀行総裁の資質としての理想形は「存在自体が市場に安心感を与え、行動すべてが金融市場だけでなく経済全般に好影響を与える」なのですが、ドラギ総裁はこの域に達しつつあると思います。就任後に矢継ぎ早に打ち出した政策、特に昨年末の長期資金供給オペ(LTRO)によりユーロ圏の金融市場がすっかり落ち着きを取り戻したからです。
 
 過去、この域に達していたのはボルカーFRB議長だけだったような気がします。
 
 そして昨日(2月29日)、注目されていたLTROの第2弾があり5295億ユーロ(57兆円)が域内の約800の銀行に供給されました。LTROとは、政策金利(現在は1%)で3年間、しかも大幅に担保条件を緩和して域内の銀行に「希望額すべて」を供給するもので、昨年末と合わせて1兆ユーロ以上が供給されたことになります。
 
 米国や日本の量的緩和に比べてLTROが優れている点は、最初から目標の金額を決めずに「各銀行が必要とする金額すべて」とし、期間を最初から「3年間」としたことです。最初から量的緩和の目標を決めてしまうと「はたしてその金額で十分なのか誰も分からない」「目標額に近づくと打ち止め感が出てしまう」などの弊害があり、また一度緩和してしまうと「打ち止め」や「資金回収」に切り替えるタイミングが難しく「ついだらだら続き、効果が中途半端になる」ものを、「最初から3年間と決めているので、緩和期間を巡って市場に無用の期待と不安を与えない」からです。
 
 まあドラギ総裁自らの発案ではないかもしれないのですが、非常に優れた「量的緩和」と言えます。
 
 LTROは一応これで終了のようなのですが、今後の状況をみながら対応していくとされています。供給された合計1兆ユーロは「今後3年間の期間限定で」、銀行の資金繰り、短期金融市場、欧州国債市場、株式市場、銀行の商業貸出などの順番で行きわたり、経済回復や債務問題の解決に最大限の効果をもたらすはずです。
 
 今回の5295億ユーロは大体予想の範囲内だったのですが、発表後のユーロは1ユーロ=1.345ドルから1.332ドルと1%ほどの下落となりました。ドルがこの間に対円で80.30円から1%ほど上昇したため、ユーロは対円ではほんの少し下落しただけで108円前後となっています。
 
 米国ではバーナンキERB議長が追加金融緩和(QE3)に言及しなかったため「ややドル高」になったこともあるのですが、「思い切った資金供給(量的緩和)の割にはユーロが底堅い」と言えます。昨年末のLTROの直後からユーロ安が進んだのとは大違いです(ユーロの安値は1月16日の1ユーロ=1.261ドル、対円で97.04円)。
 
 その違いは、ドラギ総裁の金融政策でユーロ圏の諸問題(マイナス成長、ギリシャ以外にも債務問題国が多い)が解決されると「世界の市場」が期待し始めたからのような気がします。
 
 米国もユーロ圏も日本も「金融政策」で時間を稼いでいるうち経済を立て直さなければなりません。日本のように「増税」を強行しようとするのは「論外」でも、米国もユーロ圏も「財政再建」の中で「金融政策」だけで戦わなければならないため、それだけ中央銀行総裁(米国は議長)の「存在感」が重要となってくるのです。
 
 今後の「為替相場」や「株式市場」を考える時に、この「存在感」の違いが重要な要素となってくるはずです。つまり「同じ金融政策」でもこの「存在感」によって効果が違ってくるからです。
 
 ドラギECB総裁の「存在感」が目立ってきているのですが、バーナンキFRB議長も2008年の金融危機を乗り切った実績があり、またユーロ圏と違い政府は1つであるため政府との協力体制が取りやすい「有利さ」があります。
 
 白川日本銀行総裁については書きませんので、皆さんで考えてみて下さい。
 
 この「存在感」を比較しながら、今後の相場予想をしていこうと思います。
 

 


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コメント
ユーロに関して当面の問題はフランス大統領選挙でしょう。もし、オランドが勝利すると、政権交代となり、しばらくは独仏関係がギクシャクすることが予想され、重要事項の決定がおくれたりするなどマイナスの影響をもたらす恐れがありますね。
ドラギ氏のここまでの手腕はよい意味でのサプライズでしたが、ECB内部では早くもタカ派が「出口戦略」を主張し始めたとの報もあり、今後ドラギ氏の手腕がますます問われる場面が増えそうですね。
ひるがえってわが日本では、リフレの主張が急速に国会議員の間でも浸透しつつあり、白川総裁も渋々ながらだとは思いますが、リフレの方向に舵を切ってきています。ただし、目標が1%と低いことも含め、今後は「出口戦略」が争点となってくると思われます。おそらく、「高級マンション」の売れ行きが急速に伸び始めたあたりが正念場となるでしょう。
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