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案の定「いやな」方向へ行き始めたAIJ投資顧問事件

2012年03月05日

案の定「いやな」方向へ行き始めたAIJ投資顧問事件

 週末の報道では、2つの「動き」が出ています。

 まず1つめは、証券取引等監視委員会がAIJ投資顧問を金融商品取引法違反(事業報告書の虚偽記載など)の疑いで「強制捜査」する方向で検討に入ったというものです。

 現在、AIJ投資顧問は証券取引等監視委員会の開示調査課による「任意調査」を受けている段階で、金融庁がとりあえず「騒ぎが大きくなって解約が殺到すると困るので」1ヶ月間の「業務停止命令」を出しているものの、あくまでも浅川氏ら関係者に「任意で」事情を聴いているだけなのです。

 最初の段階で出てきた「残っている資産200億円だけ」というのは、あくまでも浅川氏の「任意の」の供述によるもので、開示調査課の最終目的は金融庁に処分を勧告することで、多分「一任勘定の投資顧問会社」の免許の取り消し処分が出るだけです。

 つまり現状では、開示調査課は資料の押収が出来ず、あくまでもAIJが任意で提出した資料だけを「調査」しているわけで、浅川氏ら関与者は自由に動き回っているのです。「業務停止命令」の直前まで年金資金獲得の「新規開拓」をしていたようです。

 3月1日付け「AIJ投資顧問の闇  その3」で強調した通り、ここは一刻を争って年金加入者のために「残余財産」の確保に全力を挙げなければならないのですが、驚くほど「悠長」な動きなのです。

 週末の報道では、強制捜査権を持ち、かつ捜査当局(具体的には東京地検特捜部)に告発が出来る証券取引等監視委員会の特別調査課が出てくることを意味するのですが、それにしても現在の開示調査課の「調査」が3月中に終わった後でと、これもまた驚くほど「悠長」なものです。何よりも「強制調査しますよ」と事前にマスコミに漏らしていたら何にもならないはずです。

 金融商品取引法違反(事業報告書の虚偽記載)は立証が簡単なため、まずこれで関係者を逮捕して金の流れを徹底的に「捜査」するべきなのです。

 もう1つは、AIJ投資顧問の営業活動に旧社会保険庁のOBが積極的に関与していたことが報道されています。このOB(まだ実名が報道されていないので控えます)の設立したコンサルタント会社にAIJが出資し、年間数百万円の顧問料を支払っていたようです。

 そもそも浅川氏にしても他の関与者にしても「年金運用」の経験など全くありません。普通、人間が商売を始める時に「自分が全く経験のない」分野で始めることはなく、最初からこのOBの人脈ありきで始めたのがAIJ投資顧問であると考えたほうが自然なのです。

 そもそも、このOBはAIJ投資顧問とコンサルタント契約をしておきながら、同時に自分の「顧問先」である厚生年金基金にAIJを強く推薦していたわけで、これだけで「犯罪」です。

 また、その厚生年金基金側にも(このOB自らもそうだったようですが)多数の旧社会保険庁の幹部が天下りしており、このOBが「厚生年金基金は運用のプロがいないため、自分がいくつかの投資顧問を紹介した」と言っているのも「笑止」です。

 この社会保険庁は、厚生労働省の外局(当然天下りが多数いたはず)だったのですが、数多くの情報漏洩や台帳の改竄等の不祥事が発生したため廃止となり、2010年1月に特殊法人「日本年金機構」へ公的年金業務が移管されました。

 この際、日本年金機構に旧社会保険庁からどれほどの「幹部」が天下ったのかは不明ですが、日本年金機構は特殊法人のため「天下り規制」の対象外だったようです。

 いずれにしても、厚生労働省が公的年金を「好きなだけ天下れる対象」としていたことだけは確かです。

 マスコミはAIJ投資顧問事件を「日本版マドフ事件」(注)と書いていましたが、正確には「第2のプリンストン事件」(注)だと思います。その一端が出始めてきたという意味で、「案の定いやな方向へ行き始めたAIJ投資顧問事件」と書いたのです。

 その意味はいろいろあるのですが、またの機会にします。

 以下、(注)の解説です。

 「マドフ事件」とは、リーマンショック直後の2008年12月に米国で発覚した被害総額650億ドル(当時の為替で6兆円)、被害者1万1000人の史上最悪の証券投資詐欺事件です。被害者から預かった資金を運用せずに流用していたものです。
 「主犯」とされたバーナード・マドフはユダヤ人で元NASDAQ会長であり、被害者もユダヤ人の富豪が多いのですが、30年にわたって「被害額」以上の配当を受け取っていた「被害者」や、高額の手数料を取って積極的に「販売推奨」していた業者もおり、真相はよく解明されていません。
 被害者の中には、野村証券(3億6000万ドル、第16位の被害額)など日本の金融機関が多数含まれています。

 「プリンストン事件」については、一昨年12月8日付け「あの事件はどうなった  その4」(プリンストン債事件の闇)を読んでみて下さい。

平成24年3月5日


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コメント
この事件は、公務員による年金強奪詐欺の可能性が高いですね。日本の公務員も落ちるところまで、落ちたようです。
“最初からこのOBの人脈ありきで始めたのがAIJ投資顧問であると考えたほうが自然”

との予想されていますが、この人(既に顔出しでテレビのインタビューに答えているので実名でもOKとは思いますが)が年金基金を辞めて、XX年金研究所というのを立ち上げたのは2004年なので、AIJ投資顧問(あるいは浅川氏)の営業開始より遅れてしまいます。
むしろ、AIJ投資顧問の方が“おっ、ちょうどいいオッサンが独立してくれた”と思って利用しただけのような気がします。
AIJは証券取引等監視委員会の「任意」の調査ではなく、法的な検査権限に基づく証券検査課の検査ではないですか。
 この事件を知った瞬間,深い深い闇があると感じましたね。
やはり,闇の一端が暴露されつつあります。
それにしても,役人の腐敗は止まりません。
OBを退任させるだけでは生ぬるいでしょう。この連中にはgpsでも括りつけて24時間行動を監視する必要があります。
名前を偽って同じような詐欺を働く可能性があります。
ところで,オリンパス事件は組織ぐるみだと一部報道があります。
それだと,どう逆立ちしても上場維持は不可能で,証取の上場維持の判断は噴飯ものになります。
どう責任をとるつもりでしょうか。
AIJ投資顧問と旧厚生省OBの関係については、3/4付けの産経新聞のネット記事で、コンサルタント会社設立時にAIJ側から設立資金の6割を出資して、コンサルタント契約を結んでいたことが掲載されています。それを踏まえても、たまたま、ではなく。当初から共同正犯であった、と考えるべきでしょう。後にコンサルタント契約を解消したのは、出資金について返還する目処が立ったからではないでしょうか。
ところで、この辺に関連した情報は、その後の報道ではいっさい振れられていません。セミナーでの関係ばかりが情報として流されています。もしかすると、これは本来オープンにされるはずのない情報だったのかもしれないと勘ぐってみたり。
業界通のサイト主様のところには、どのような情報が入ってきているのでしょうか。
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