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あの事件はどうなった  その3

2010年12月03日

「NOVA倒産の真相」

 平成22年12月2日に、倒産したNOVA元社長の猿橋望氏の控訴審で、懲役2年の実刑判決が言い渡されました(一審は3年6カ月の実刑判決)。社員の積立金3億2000万円を資金繰りに流用したというのが罪状です。

 2006年ころ、英会話教室のNOVAは1000近い教室を持ち、テレビコマーシャル等の宣伝を積極的に打ち拡大路線をひた走っていました。ところが2007年2月に通産省の立ち入り検査が入りました。前払いした受講料の途中解約時の返還に関するトラブルが原因だったとようです。
 ところが、立ち入り検査の直後に「業務停止か?」という報道が出たのです。そして実際に同年7月に、新規に前払い受講料の受け入れを禁止するなどの一部の業務停止命令が本当に出ました。まさにお決まりの官僚とマスコミの連係プレーによるリークでした。

 NOVAはたちまち資金繰りに窮することとなり、当時の猿橋社長は日々資金繰りに奔走することになりました。その間にお決まりの悪徳ブローカーに自分の持ち株をだまし取られるようなこともありましたが、なんとか資産売却や教室の保証金を軽減してもらうなどでしのいでいました。本人は、この期間に10億円以上の私財を投入したと言っています。
罪状となっている社員積立金の流用もこの頃に起こったものですが、全て給料などのNOVAの資金繰りに使われました。

 ところがその間、猿橋氏以外の役員3名は、全く違う行動をしていました。密かに裁判所に会社更生法の相談をし、支援スポンサーと称する会社(後で言いますがジーコミュニケーションです)と話し合いをし、ひたすら自らの保身を図る事のみを考えて、猿橋氏の資金づくりの手伝いや、なんとか会社を立て直そうとういう努力など一切していませんでした。

 そして2007年10月25日深夜に、猿橋氏不在のまま勝手に取締役会を開き、猿橋氏の解任と会社更生法の申請を決議しました。実はその前日の新株予約権の払い込み金7000万円が入ったのですが、この入金を待って更生法申請のための弁護士費用を支払ったのです。厳密にいえば、会社更生法の申請を決めていた取締役会(猿橋氏を除く)が、知らん顔して新株予約権の払込金を受取り、しかも更生法申請のための弁護士費用等の支払いに充てたのです。言語道断の行為ですが、なぜか問題になりませんでした。

 猿橋氏を除く取締役会の背信はまだまだあります。たった20ほどの優良教室のみを、前述のジーコミュニケーションに引き継がせたのですが、これら優良教室はその時でも十分利益が出ており、教室の賃貸保証金もあり、全くの優良資産だったのです。
 ジーコミュニケーションが引き継いだ債務は全くなく、わずかに受講料を前払いした受講者が、引き継いだ20ほどの教室で割引で授業を受けられるようにしただけでした。
 まさに火事場泥棒のような行為でした。

 ジーコミュニケーションは、「焼肉のさかい」などの経営不振に陥った飲食会社を傘下に入れて大きくなった会社です。ジーコミュニケーション自体も上場していたのですが、現在は、ジー・テイスト(ジャスダック上場。コード2694)やジー・ネットワークス(東証2部。コード7474)の筆頭株主となっているだけです。
 尚、ジーコミュニケーションは最近NOVAを創業者の個人会社に売却したようです。

 NOVAの残りの大半の教室、大半の講師や社員、預かり受講料の全額は、全て切り捨てられました。その批判をかわすためか、直後のマスコミの報道は、NOVAの豪華なゲストルームをテレビで公開するなど、ひたすら猿橋氏のワンマンぶりを批判するばかりで、書いてきたような事実の報道は、全くありませんでした。

 ここで、改めて猿橋氏を除く取締役会の責任を考えますと、まず取締役は会社の危機に際し、社員(講師を含む)と債権者(最大は、もちろん預かり受講料です)の保全を最優先に考えなければなりません
 ところが実際は、優良資産だけを、あらかじめ決めてあった支援企業と称するところに差し出して、社員や債権(預かり受講料)を平然と切り捨てたのです。
 それと、前述のように、会社更生法申請を決めておきながら、平然と新株予約権の払い込み金7000万円を受取り、あろうことか会社更生法申請の費用にあてたのです。

 猿橋氏が、必死の資金繰りのさなかに、社員の積立金を会社の資金繰りに使ってしまったことは、それだけ見ると犯罪行為なのかもしれません。しかし背信行為をしていた他の取締役や、火事場泥棒をした自称支援企業や、新株予約権の払込金を平然と更生法申請の手数料として受け立っていた弁護士(名前はわかっていますが、公表は差し控えました)や、どさくさにまぎれて猿橋氏の株券をだまし取った悪徳ブローカー(これも名前は分っているのですが、公表は差し控えました)など、自分のことばかり考えて行動した者は、みんな見逃されてしまったのです。

 猿橋氏の判決が出たので、しばらくはその報道が出ると思いますが、こういった事実が報道されることは全くないと思いますので、ここに急遽レポートしました。


「あの事件はどうなった?」の過去の記事も併せてお読みください。
11月10日 「乗っ取り屋の影におびえたブルドックソースの対応は正しかったか?」
11月17日 「ライブドア事件よりはるかに重大ながら、なぜか課徴金で終わった日興コー 
       ディアル事件」


平成22年12月3日

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コメント
知らなかったです
私にとってNOVAは、親切なスタッフ、綺麗な教室、最高の先生、楽しくて仕方ない素晴らしい英会話教室でした。
猿橋社長を誤解していました。テレビドラマにありそうな悲しい理不尽な事件だったのですね。また英会話を習いたいと思い、潰れたというニュースを見ていたのに、街ではまたNOVAの看板を見るようになりました。どうなっているのかな?と不思議に思っていました。
悪徳社員の運営するNOVAではなく、猿橋社長の運営する教室に通いたいものです。
この記事は、とても分かりやすく、大好きだったNOVAのイメージが悪徳会社にされてしまい、悲しかったのですが、実は良い社長の教室だったとわかり嬉しくなりました。猿橋社長を応援したいと思います。
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