闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

AIJ投資顧問の「真相」  その1

2012年03月12日

AIJ投資顧問の「真相」  その1

 本件については、発覚直後の2月25日に号外「AIJ投資顧問の闇」で「極めて単純な損失隠し事件で、関与者も少ない」と書きました。

 ところがその後、単純なはずの「真相」が一向に明らかになりません。それどころか3月9日付け「AIJ投資顧問を巡る官僚組織の思惑」でも書いたように「わざと真相解明を遅らせている」としか思えない状態が続いています。

 本件では、年金加入者のために「残余財産」や「隠匿財産」を一刻も早く探し出して「保全」することが最重要なのです。早くしないとこれらの資産が「消えて」してしまうからなのですが、まだ「強制捜査」すらしていません。

 本誌は「暴露紙」ではないので、何事も先頭を切って書かないようにしているのですが、あまりモタモタできる状況でもないため「ちょっとだけ踏み込んだ真相」を書くことにします。

 AIJ投資顧問の前身は、2000年12月に浅川氏が資本金3000万円で設立した「株式会社エイム・インベストメント・ジャパン」です。投資顧問業に登録しており、2003年10月ころに現在のAIJ投資顧問へ社名変更しています。

 入手した2004年8月付け(後で出てきますが、この日付は非常に重要です)の営業資料によりますと、2002年5月に「運用」を開始した「ミレニアム・ファンド」が、2004年7月時点での累積収益率が71.64%であると書かれています。しかし、そこには「ミレニアム・ファンド」の所在地・運用会社・管理会社・保管銀行などの記載が一切ありません。

 運用会社はAIJ 投資顧問だと「推測」出来るのですが、当時の投資顧問会社は「投資一任業務」が出来るようになるまでのハードルは結構高く、AIJ投資顧問の業務も「助言」に限られていたはずです。つまりファンドの運用が出来なかったのです。

 要するに、当時(2004年8月頃まで)のAIJ投資顧問も、所在地不明の「ミレニアム・ファンド」も、厚生年金基金から運用を委託される「体裁を整えておらず」、もしその時点で「年金運用」をしていたとすれば、非常に「問題」があったことになります。

 現在のAIJ投資顧問は、2004年7月に買収した「シグナ・インターナショナル・インベストメント・アドバイザリー」を社名変更したもので、従ってその後のAIJ投資顧問は会社案内にも営業資料にも、1989年創業の「投資一任業者」と堂々と記載できるようになったのです。

 この「シグナ」とは米国の保険会社のことのようですが、浅川氏にとって必要だったのは、社名でもその時点での運用資産(旧経営陣が他社に運用資産ごと移籍したようです)でもなく、あくまでも年金を含む投資家に受け入れられる「投資一任業者」だったのです。

 因みに2007年の金融商品取引法施行後は、「投資一任業者」は「投資運用業者」となり、5000万円以上の純資産と運用経験のある人的構成があれば簡単に「登録」出来るようになりました。つまりもっと簡単に第二のAIJ投資顧問が生まれるようになっているのです。

 話を戻しますが、その「シグナ」の買収金額は不明ですが、その後のAIJ投資顧問の資本金が2億3000万円なので、買収金額にしても買収後の増資にしても2億円ほどの資金が必要だったはずです。

 何はともあれここで初めてAIJ投資顧問は「年金運用」を受託できるようになり、勇んで全国の厚生年金基金に「営業」を始めたのですが、そこで普通は運用実績(トラック・レコード)が「武器」となります。しかし当然「武器」となる運用成績がありません。

 ここで先ほどの「日付けが非常に重要」と書いた2004年8月付けの「営業資料」が出てくるのです。つまりその時点では「ミレニアム・ファンド」は存在せず、従って「運用」もしておらず、当然71.64%の累積収益率も、全くの「でっち上げ」であったと推測します。

 すべて2004年7月に「投資一任業者」になった後で、「ミレニアム・ファンド」をケイマンに作り、海外の運用会社「エイム・インベストメント・アドバイザリーズ・リミテッド」を同じカリブ海の英領バージン諸島に作り、ついでに運用実績(トラック・レコード)もでっち上げて、天下晴れて「年金運用」が出来るようにしたのです。

 そう思う理由は、厚生年金基金に新たに「ミレニアム・ファンド」を購入してもらう時は、当然に直近の「基準価格」での購入となります。しかしそれまで全く運用しておらず「でっちあげ」の運用実績に基づく「基準価格」なので、最初から辻褄が合いません。

 だから運用実態が分からない海外ファンドにする必要があったのです。つまり最初から「騙し」だったのです。

 ここで最初の疑問は、海外業務の経験もなく英語も読めない浅川氏に、この「騙しの仕組み」を指南したのは誰だったのでしょう?

 次に、AIJ投資顧問はほぼ同時期にアイティーエム証券を「買収」して「営業部門」としています。同証券の現在の資本金が15億円ほどなので、やはり「買収」に数億円かかっているはずです。

 ついでに、やはりほぼ同時期に件(くだん)の厚生省OBのコンサルタント会社へ「出資」しています。まさに「年金運用」のための「小道具」が全部そろったのですが、「シグナ」買収も含めると全部で8億円程度の出費だったはずです。

 そこで次の疑問は、まだ本格的な年金運用を始めていない浅川氏が、この資金をどうやって工面したのでしょう?

 この2つの疑問については、次回に解説します。

 最初の疑問については、海外の仕組みを指南したのは山一証券の国際部にいたアイティーエム証券の西村社長だと考えられると思うのですが、そうでもありません。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:4 | TrackBack:1
関連記事
コメント
先生の文面から性格を読み取るにこの内容にはかなりの裏取りがあるものと推測します。
今も昔も我々が信じていた報道というものが如何に事実を伝えてくれていないのか、またその陰でいろいろな利権が渦巻いているのかが垣間見えます。

こうなると公式に発表された数字すら本当に正しいのかどうかすら疑いたくなります。

実際、震災から1年経っても日本赤十字社からの収支報告書が報道に取り上げられない事もとても疑問です。
本来なら海外から寄せられた義援金の合計も集計し、野田総理から世界に向けて感謝の声明を発表する記者会見があるのが当然ではないかと思うと怒りが込み上げます。
まさかこれもマスコミが取り上げないだけなのでしょうか?
日本童謡に「ほたるこい」があります。

歌詞は・・

ほう ほう ほたる こい
あっちのみずは にがいぞ
こっちのみずは あまいぞ
ほう ほう ほたる こい

いかに、投資顧問業者が企業年金運用<3階部分>するのに、国のルールが甘いのかかと!甘い水に投資顧問業者は、なんとしても近寄りますから・・・

天下り役人が、企業従業員の企業年金を利権として、甘いルールで投資顧問に運用させて、天下り役人も甘い「汁」を吸いつくす構図かと!
以前書き込んだことに加え、たかが証券会社の支店長レベルで、ケイマン経由の運用を実行できるはずがない(失礼)こともあり、当初から投資詐欺ではないかと考えていたが、やはりそのようですね。
やれやれ。
私は、不動産投資の運用サイドで働いています。不動産は必ず借金(レバレッジ)をして投資するので、銀行の資金管理の眼が光り、大体口座を押さえられていますから、AIJみたいな事は不可能です。

株の投資顧問会社って、悪の世界ですね
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

04月 | 2017年05月 | 06月
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム