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大塚HD上場について

2010年12月06日

大塚HD上場について


 本日12月6日に、大塚HDのブックビルディングによる公開価格が決定され、12月15日に新規上場となります。大塚HD(大塚製薬)は、サントリーや竹中工務店と並ぶ、数少ない未上場の有名会社でした。

 また、DHC(正式社名は大学翻訳センター)と並ぶ、未公開株式に関する事件の多かった会社です。DHCが株券そのものの偽造が多かったのに対し、大塚HDは、本物の株が親族等の関係者から流出していたことが多かったようです。

 大塚HDについては、たくさんの記事が出ていると思いますので割愛して、発行目論見書を見て気がついた点を書いてみます。

 今回の新規上場に際しての新株発行は、以下の3種類です。現時点での発行株数は557,835,617株です。


1)80,000,000株の募集。

 このうち、38,678,800株が新株発行で、41,321,200株が自己株式の処分です。大塚HDは自己が第2位の株主でしたが、これを全額処分します。従って発行株の増加は38,678,800株だけですが、80,000,000株分の代金が大塚HDに入ります。

 未上場の会社でこれだけの自己株を抱えているということは、非常に珍しいケースで、今まで数多くの親族や関係者に株式を持ってもらい、あるいは持たせて、それを会社で買い取っていたが分かります。

 この80,000,000株のうち、23,300,000株が国内募集、56,700,000株が海外募集となります。この比率がどうかということは会社の決定事項なので、コメントは控えます。

 この80,000,000株について、ブックビルディングにより需要を積み上げ、満額募集となるところで公開価格を決めます(12月6日に発表)。公開価格のレンジは2000円~2400円の間となっています。

 細かいことですが、この80,000,000株については、引受証券会社は募集の仲介をするだけで、リスクを取る必要がなく、1700円でも需要が不足した場合は、全額が発行中止となります。

 国内及び海外の募集の主幹事はジョイントグローバルコーディネーターと呼ばれ、国内は野村証券、モルガンスタンレーMUFG(三菱銀行との合弁会社)、UBS証券、海外はNomura International plc, Morgan Stanley International plc, UBS limitedが務めます。

 主幹事は実質3社で、国内1社、海外2社という組み合わせがどうかという事ですが、海外募集分が圧倒的に多いことを考えると、やや海外組を優遇しているような気はします。

 ただ、ブックビルディングは国内外一緒に行うはずなのに、最初から国内と海外の株数をきめてあるので、もしどちらかの需要が足りなかったらどうするのかなあ? とは思います。


2)10,000,000株の売出し

 「売出し」と言うのは、株主の持ち株を公開時に売出すことで、大塚HDには資金は入りません。発行目論見書には、この売出しは、大鵬薬品工業はじめ7社と、個人株主520名の持ち株の合計10,000,000株を売出すと書かれています。 

 これも大塚HDの株主数が、未上場にも関わらず非常に多岐にわたっており、その一部の株主の処遇が大塚HDにとって非常に重要だったことが分かるような気がします。

 これも細かいことですが、この10,000,000株は、「引受人(特定していませんが主幹事のことだと思われます)の買取り引受による国内販売」と書かれています。これは1)の募集と違い、引受人がリスクを負って引き受けなければならないことになります。
万一の場合は海外分に回してもよいとか、募集の中止のときは行わない、などと決められていますが、やはりどうしてもこの売り出しを優先して行いたい大塚HDの意向が感じられます。


3)オーバーアロットメントによる売出し4,500,000株

 普通、大型の公募増資に関しては5%のオーバーアロットメント枠が主幹事に与えられ、この4,500,000株もそれに沿っています。

 仕組みは、主幹事である野村証券が、大塚HDの第5位の株主である野村ホールディングスから4,500,000株を借り入れ、需要状況を見ながら販売します(しなくてもよいのです)。販売してしまうと、野村証券はこの借りた株を返却するために、大塚HDに追加の株数を請求する権利が与えられています(グリーンシューオプションといいます)。

 普通は、それに見合う第三者割当増資を公開価格と同価格で、後から野村証券に対して行うことを、あらかじめ発表しておくものです。

 ところが、今回大塚HDは、第三者割当増資をせずにグリーンシューオプションを野村証券に与えています。つまり、あと4,500,000株くらいの株は、株主から調達できるということなのです。そして、この資金も大塚HDには入りません。

 以上、国内外の募集80,000,000株、売出し10,000,000株、オーバーアロットメントによる売り出し4,500,000株の、最大上限94,500,000株が市場に供給されるのです。

 しかし、募集の80,000,000株のうちの自己株売却分の41,321,200株、売出しの10,000,000株とオーバーアロットメントの4,500,000株の、合計55,821,200株は、過去のいろんな株主に対する対策分と言うことになります。予想レンジの上限である2400円で計算すると、実に1340億円にもなります。

 こう考えると、上場後の値上がりを待って売却しようとしている株主も、結構多いのではないかと思います。
 
 本日(12月6日)の値決めと、12月15日の上場後の株価を注目してみてみましょう。


(お知らせ)
11月15日付けの、「今そこにある株式市場の危機」で、NFKホールディングス(コード6494)が一部株主の請求をうけ、一部取締役の解任、新たな取締役選任等を議案とする臨時株主総会開催を強いられていることをお伝えしました。
明らかに会社が保有する多額の現金を狙った「合法」的な乗っ取りでしたが、12月3日に臨時株主総会が開催され全議案が否決され、とりあえず多額の現金は無事でした。
今回は、乗っ取り側も明らかに準備不足のようでしたが、類似のケースは今後も出てくると思います。

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