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マドフ事件に新展開

2012年03月16日

マドフ事件に新展開

 AIJ投資顧問事件に何らかの参考になればと思います。

 マドフ事件とは、リーマンショック直後の2008年12月に発覚した総額650億ドル(当時の為替で6兆円!)もの巨額証券詐欺事件です。主犯のバーナード・マドフは元NASDAQ会長で、40年以上にわたって顧客の資産を「運用」していると偽り高額の配当も支払っていました。マドフは懲役150年の刑が確定しています。

 米国連邦地裁は昨日(3月14日)、MLBのNY Metsのオーナーであるフレッド・ウイルポン氏と共同オーナーであるソール・カッツ氏に対して3億300万ドル(255億円)をマドフ清算管財人に支払うように命令しました。

 ウイルポン氏らはマドフによって5億2000万ドルの損失を被ったと言っているのですが、これはマドフへ投資した資金の合計です。そして支払い命令の出た3億300万ドルは「マドフの不正を知っていて受け取った不正配当」だとみなされたのですが、実際にウイルポン氏の受け取った配当の累計は5億7000万ドルだったようです(本人は否定)。

 要するに被害総額650億ドル(6兆円)というのは、「被害者」全員がマドフに預けて「増えている」と信じていた金額の合計ですが、そのほとんどが「配当」や「払い戻し」や「運用損」に消えてしまっていたわけです。金額が違うだけでAIJ投資顧問と同じようなものですが、マドフの場合は「運用損」は少なく大半が「配当」と「払い戻し」だったようです。

 つまり、ウイルポン氏のようにトータルで儲かっていた「被害者」も、運よく「すべて払い戻した」投資家も多数いるはずなのです。

 マドフ管財人は、これらの返還を求めて多数の訴訟を起こしていますが、実際に支払い命令が出たのは初めてであり、今後の同様の命令が続出するものと思われます。また、既に和解に応じて返還した「投資家」もいるようです。

 ウイルポン氏への支払い命令は、トータルで儲かった金額(5000万ドル)ではなく、「マドフの不正を知っていて不正に受け取った配当」とみなされた3億300万ドルが対象になっています。またウイルポン氏がマドフと長年の家族ぐるみの付き合いだったことも理由になっているようです。

 ウイルポン氏がオーナーのNY Metsは、昨年5月時点で球団価値が7億4700万ドル(全30球団の上から5番目で、トップはNY Yankeesの17億ドル)とされているのですが、昨シーズンも7000万ドルほどの赤字だったようで、球団売却を余儀なくされると思います。そうでなければMLB人気球団の差し押さえという前代未聞のことになります。

 実は、昨年合意していたはずのヘッジファンドマネージャーのデビッド・アインホーン氏の2億ドルの資本参加(33%の所有権と60%までの取得オプション)が何故か破談になっていました。昨年7月1日付け「ヘッジファンドとMLB(大リーグ野球)」に書いてあります。

 マドフ管財人の訴訟相手はもっと多岐にわたっています。

 マドフの運営していた投資会社の「メーンバンク」のJPモルガン・チェースに64億ドル、UBSに20億ドルの損害賠償を求めています。「マドフの犯罪を手助けした」という理由ですが、保管銀行(カストディー)はマドフ自身の会社が行っていました。

 さらに、「販売会社」に相当する米国内外の複数のファンズ・オブ・ファンズがあります。最大の「被害額」である75億ドル(6750億円)と届けているフェアフィールド・グリニッジ・グループは、要するに自らファンドを組成して集めた資金をそっくりマドフに投資し、そこから1%の運用手数料と20%の成功報酬を受け取っていたもので、年間2億ドルもの収入を得ていました。

 それ以外にもバンコ・サンタンデール(スペインの大手銀行なんですがね)や、オーストリアのバンク・メディチ(イタリアのメディチ家とは関係ありません)などがあり、当然管財人は「共謀した」として巨額の損害賠償を求めています。

 実は野村証券も3億6000万ドルの被害を被ったのですが、管財人から2140万ドル(18億円)の損害賠償を求める訴訟を起こされています。これは「マドフの不正を知っていながらマドフに資金を供給した」が理由のようで、同じ理由でシティバンクやメリルリンチなども対象になっています。

 野村証券も、ファンドに組み込んで顧客に販売して(つまり顧客の損失です)手数料を取っていたようで、間違いなく「クロ」と判断されます。

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 日本では詐欺の規模はともかく、この手の犯罪に執行猶予がついて堂々と再犯を繰り返す輩が絶えません。
法律が詐欺師のために有るようなもので、根本的に改めるべきでしょう。
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