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旧・内務省の亡霊が支配する日本  その2

2012年03月22日

旧・内務省の亡霊が支配する日本  その2

 昨日の続きです。ここで、内務省とはどういう官庁だったのでしょうか?

 内務省は明治維新直後の1873年に設置され、当初は大蔵省・司法省(現在の法務省)・文部省の所管事項を除く内政の全般を管轄していました。その後、農林省・運輸省・逓信省(後の郵政省)が分離していくのですが、ずっと地方行政・警察・土木・衛生などの重要な内政部門を管轄していました。

 当時は、各道府県知事は内務省が任命しており、内務官僚がそのまま任命されることが多かったようです。また警察部門では国家警察と首都警察である警視庁を内務省が直接管轄し、地方警察は各道府県知事を通じて間接的に管轄していました。また土木部門はもちろん公共事業関連で、衛生部門は医療・薬事関連と、多くの利権が集中していました。

 第二次世界大戦が近づくと防空・国土計画も管轄するようになり、国家総動員法や治安維持法の元締めとなり、悪名高い特別高等警察も管轄していました。つまり軍部と並ぶ(あるいはそれ以上の)強力な官庁だったのです。

 終戦後の1947年に、内務省はGHQによって解体されました。管轄していた地方行政は自治省(現在の総務省)に移管されたのですが、地方行政で最も重要なことは各道府県知事が公選によって選ばれるようになったことです。また警察は国家行政組織の警察庁と地方組織の警視庁(東京都)と道府県警察に分けられました。また土木部門は建設省を経て現在の国土交通省へ、衛生部門は厚生省(現在は厚生労働省)に移管されています。

 しかし非常に重要なことは旧・内務省が管轄していた数多くの利権は、分離されてもそのまま内務省系の各省庁に引き継がれているのです。

 年金制度は厚生労働省の管轄なのですが、そもそも国民年金制度が導入されたのは1940年代であり内務省が解体される直前のことでした。しかしその管轄は当然のように内務省から厚生省(現在の厚生労働省)に移管されて現在に至っているのです。

 現在の官僚組織において旧・内務省が優遇されている点として、官僚のトップである内閣官房副長官(事務担当)は歴代・旧内務省の警察庁、旧自治省、旧厚生省の次官経験者から選ばれていたのですが、阿部内閣では大蔵省出身の的場氏、現・野田内閣では旧建設省出身の武歳氏となっています。

 それから宮内庁長官も旧・内務省系省庁の事務次官か、それに準じる警視総監経験者が就いています。現任の羽毛田氏は元厚生事務次官です。

 宮内庁については多くを書くつもりはないのですが、天皇陛下および皇族の国事行為の調整を一元的に行い、さらに天皇陛下のご意見の代言すら行っているのです。これは「名誉を配分する権利」であり、考え方によっては強大な利権なのです。

 ここまで言うとこじつけかもしれませんが、小沢氏がかつて中国の習近平国家副主席の来日の際、天皇陛下との会見をゴリ押ししたことがあります。これも官僚(宮内庁も官僚組織です)を敵にまわした理由の1つなのかもしれません。

 つまり現在の官僚組織の中でも、旧・内務省の影響力(亡霊)は想像するよりはるかに強大なのです。

 それでもってAIJ投資顧問事件をもう一度考えてみましょう。つまり旧・内務省の厚生労働省が管轄する年金資産を、旧・大蔵省の金融庁が監督する投資顧問会社が「消滅」させてしまったのです。

 あまり論理的な比較ではありませんが、検察庁が旧・内務省の本流である厚生労働省の高級官僚を「間違って」逮捕して「証拠改竄」までバレてしまった時のような「狼狽ぶり」のはずなのです。官僚組織にとって怖いのは国民でも政治家でもなく、官僚組織の中で力を失うことなのです。

 ある省庁が、ある事件をきっかけに長期にわたって発言力が低下する(もっと分かり易く言うと天下り先を他の省庁に奪われる)ことが結構あり、それが一番怖いのです。何しろ官僚組織は1300年以上続いてきており、凡人の常識では計り知れないヒエラルキー(階層構造)が出来上がっているのです。

 AIJ投資顧問事件では、やはり3月23日の証券取引等監視委員会の勧告を受けて、同日に「登録取り消し」として、やはり同日に証券取引等監視委員会の特別調査課が「強制捜査」をするようです。しかし、この場合の最終目的はあくまでも金融商品取引法違反による逮捕・起訴であり、容疑まで「募集の偽計」と既に発表されています。

 金融庁の最大の関心事(心配事)は、(年金加入者に対してではなく)厚生労働省に対してどのように説明をするか(言い逃れをするか)であり、それによって今後の捜査の方向やルールの変更などが決まってくるのだと思うのです。


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コメント
毎日興味深く読ませていただいています。
特に官僚組織といわゆる役人体質については、現在の日本状況を作り上げた最大の原因だと思っています。

この状況を解決するには政治に期待するしかない状況だと考えますが、他に何か方法はあるとお考えですか?
厚生労働省の側にも、どう見ても穴埋めできそうもない、厚生年金基金の代行部分の不足金を、ゆくゆくは公的資金で面倒を見てもらいたいというスケベ根性があると思うので、金融庁・旧大蔵省サイドに投資顧問の監督責任を迫るのではなく、持ちつ持たれつの関係を続けるインセンティブがあるのではないでしょうか?
マイナンバーの危険性
[消費税増税]それを受け入れさせようと、
負担の重い低所得の国民に手当をする手段として、
国民一人一人の収支を一元的に把握するマイナンバーを
導入しようと言うが、
この論法の実像は、
そもそも、国民経済を抑制し、結果として税収減の
スパイラルを生じさせて財政の改善に結びつかず、
国民生活に痛みを加えるだけの悪しき政策案である
[消費税増税]を導入するために、更に
それと関連させて、
そもそも支払う必要のなかった金の割り戻しを餌にして、
彼等がいつでも国民各戸の家計簿が見られるように家の合鍵
を手渡せ、と言っているに等しい。
国民を馬鹿とみていなければ、とても、持ちかけられない
政策案だ。
国民にとって、このような情報の集中を利権を欲する
財務-官僚に、与えることは、想像を超える危険性を
はらんでおり、日本の将来に暗く重い足かせとなる。
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