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たくさんある「重大事件」それぞれの行方  その3

2012年04月03日

たくさんある「重大事件」それぞれの行方  その3

 その5「見えてこないAIJ投資顧問事件の落としどころ」

 3月23日に強制捜査を受けたAIJ投資顧問と傘下のアイティーエム証券ですが、捜査当局のその後の動きは依然として鈍いままです。浅川氏とアーティーエム証券・西村社長と厚生省OB・石山氏は、先週の衆議院の参考人招致でそれぞれ「騙すつもりはなかったし、取り返す自信はあった」「運用の内容は全く知らなかった」「私は被害者です」などと言っていました。

 だいたい偽証罪にも問えない参考人招致を、この捜査上の重要な時期にやる意味が全く分からないのですが「再発の防止のため」だそうです。つまり住宅地のど真ん中で火事が起こっているのに、遠巻きに眺めるだけで消火活動もせず、近所を回って「火事を起こさないように火の元に注意して下さい」と言っているようなものですが、参議院でも同じことをやるようです。

 肝心の捜査は、強制捜査権のある証券取引等監視委員会・特別調査課が東京地検特捜部と連携を取って金融商品取引法違反(何回も書いているのですが、最高刑罰が3年以下の懲役か300万円以下の罰金だけです)で捜査することは決まっています。しかし、期待されている詐欺容疑での捜査に踏み切れるかは全く未定のようです。その場合は警視庁の協力が必要なのですが、今のところ協力要請も無いようです。

 資金の流れの解明はほぼ終わっています。そうは言っても流れを解明しただけで、実際に資金がそこからどこへ「消えたのか」の解明はこれからです。

 興味深い数字なので引用しておきますと、2003年3月期から2011年3月期までの9年間にケイマン籍のエイムグローバルファンドが受け入れた資金が1472億円で、それに対して運用損が1092億円、解約払い戻しが17億円、委託手数料が61億円、管理報酬が45億円、監査報酬が6億円、投資事業組合への出資が181億円、海外ファンド持ち分が21億円、現金が49億円で、合計が1472億円と釣り合っています。

 これ以外に、投資額の3%程度の販売手数料を取っていたはずなので、別途45億円ほどが厚生年金基金などから徴収されているはずです。

 まず最大の運用損の1092億円ですが、どうも損失のかなりの部分が日本国債先物と同オプションによるもののようです。つまり「日本の財政赤字が大きいので、日本国債の価格が下落する(利回りが上昇する)」という財務省のネガティブキャンペーンを信じた被害者がここにもいたようです。まあ、財務省によれば「もうすぐ日本国債はギリシャ国債のように暴落する」らしいので、これが浅川社長の「取り返す自信があった」の根拠だとすれば、財務省も罪深いことをしていることになります。

 解約払い戻しが17億円と意外に少ないのは、投資事業組合への出資でいったんファンドの資金を移した後に払い戻しているようなので、投資事業組合自体は「空っぽ」になっているはずです。

 海外ファンド持ち分の21億円は、指南役のUW証券がベトナムで組成したファンドのはずですが、UW証券が指南料の一環で出資させたのでしょう。もちろん全額回収は不可能です。

 委託手数料の61億円は海外のブローカー(不明)に支払ったもののようですが、日本国債や日本株の先物やオプション取引を日本の証券会社経由で取引所につなぐだけのため、料率は不明ですが「明らかな暴利」です。返還請求をかけるべきです。

 「監査報酬」も、海外の監査報告は正しい数字を出していたのを浅川氏が握りつぶしていたようですが、国内で信託銀行や年金基金への監査報告を出していた「監査人」は明らかな共謀で、監査報酬も返還請求すべきです。

 さて、最大の問題は管理報酬の45億円です。浅川氏の個人会社(国内会社)が受け取っているとの報道が多いのですが、そうではないはずです。

 この管理報酬は、オフショアのBVI(英領バージン諸島)に作ったペーパーカンパニー「AIM Investment Advisors Limited」が受け取っているはずで、浅川氏はこのペーパーカンパニーの株主でも取締役でもないはずです。つまり(形式的にしても)浅川氏と関係のない海外会社が「運用も資産管理も価格算定も」する仕組みにしているはずで、そうでなければわざわざ海外運用にした意味がないからです。

 そこで浅川氏の「責任」を切り離しているのです。先日の参考人招致で浅川氏が「自ら運用指図をしていた」と話してしまったのは「不用意」だったはずです。もう一度参議院で参考人招致をするなら、今後のために「この点」は再確認しておくべきです。

 いずれにしても、その海外のペーパーカンパニーから浅川氏を含む「関係者」へ資金が還流しているはずなので、この銀行口座(香港にあるはず)を真っ先に調べるべきです。

 まあ、ここまで数字の集計も出来ているのに捜査が次の段階に進まないのは、依然としてミステリーです。まあいろんな「官僚」の思惑があるのでしょうね。


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某金融機関に勤めておりますが、先日も警視庁、地検、sescからアイティーエムの調査依頼がきました。社長を国会に呼んだあとでしたので、役人のやっつけぶりに辟易します。先に資産保全とか考えないのでしょうか?
官僚は省益などを考えないで国民の事を真剣に考えて貰いたいものです。
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