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サムライと愚か者

2012年04月04日

サムライと愚か者

 オリンパスの不明朗なM&Aを最初に取り上げて「雑誌ジャーナリスト大賞」を受賞した山口義正氏による「サムライと愚か者 暗闘・オリンパス事件」が出版されています。

 本屋でぱらぱらとめくっているうちに読んでしまったので買わなかったのですが、改めて感じたことがあります。

 たまたまオリンパスの社員から「不満」を聞かされた山口氏が、そこからかなり時間がたってから月刊FACTAに記事を書いたのが昨年夏ですが、そのころは「ゲリラ記事」の類(たぐい)としか見られていなかったようです。

 昨年10月14日に、就任してわずか半年のマイケル・ウッドフォード社長が解任され、直後の10月16日付け英国Financial Timesに「不明朗なM&Aについて菊川会長(当時)らに問いただしたところ解任された」との本人のコメントが掲載されてから一気に騒ぎが大きくなり、この山口氏の記事も俄然注目されました。

 つまり、ウッドフォード氏が解任されなければ(もっと言うと菊川氏の指名した社長が外国人でなければ)FTの記事もなく、山口氏の記事もいつの間にか忘れられて、オリンパス事件が発覚することはほぼ永久に無かったはずです。

 つまり、日本では「上場企業もの」の記事は「胡散臭いゲリラ記事」の扱いしか受けていません。確かに「情報源もはっきりしない無責任で、あやふやな噂や誹謗・中傷の類」が多いことも事実で、その中で「真実」あるいは「真実を含む」ものを見分けることが不可能に近いからです。結果として「みんな怪しい記事」とされてしまうのです。

 本誌のことを書くのが本日の目的ではないのですが、これが本誌の「いかなる事件も先頭を切って書かない」理由なのです。

 オリンパスについてはFTの記事が出るまでは、大手マスコミ(新聞・テレビ・週刊誌)はウッドフォード社長(当時)の解任をごく客観的に報道していただけで、それ以上突っ込んだ報道は全くありませんでした。

 そしてFTの記事が出て初めて大手マスコミの取材競争が始まります。確かにFTはウッドフォード元社長本人のコメントを掲載していたのですが、掲載したのがFTのような海外マスコミでなく、また解任された社長が外国人でなければ、やはりここまで真剣な取材が始まらなかったはずです。例えば2009年9月の富士通の社長解任では、その背景を掘り下げた報道はほとんど見られませんでした。

 つまり「サムライと愚か者  暗闘・オリンパス事件」を見て(ぱらぱらと読んで)、一番感じたのが、これら大手マスコミをはじめとする日本のマスコミの体質です。

 本誌はFTの追随記事が出た直後に、昨年10月24日付け「オリンパスの闇・第2幕」で「初めて」本誌が理解していることの一端を書きました。その理由はFTの記事が非常に不正確であるにもかかわらず、日本の大手マスコミが無条件に追随すると思ったからです。

 またこの記事の中で「これら不明朗なM&Aは、過去から隠していた巨額な損失を最終処理したもの」とも「初めて」書いたのですが、これも今後の展開でどうしても理解しておかなければならないポイントだったからです。ただ本誌は今後も基本的には「いかなる事件も、いかなる事実も先頭を切って書かない」方針です。

 本誌の最大の目的は、報道されている重要事件について「隠されている事実」や「本当に意味するもの」を出来るだけ分かり易くタイムリーに書くことで、今後も続けていくつもりです。

 これだけだと何だか精神論だけなので、もう1つ本屋で見た「興味ある」記事をご紹介しておきます。

 今週発売の「サンデー毎日」が、大阪地検特捜部の証拠改竄事件で「そもそも改竄されたとされるフロッピーディスク」について文書作成ソフトの開発元であるジャストシステムが、バージョンの違った「一太郎」で作成された文書を取り出したり保存したりすると、日付が自然に書き変わる可能性があるとの報告書を提出していたと報じています。もちろん前田元検事の裁判の前に提出されているのですが、裁判では証拠になっていません。

 前田元検事の裁判は確定して本人も服役している(もうすぐ出てきます)のですが、その前田元検事の改竄行為を知っていて隠匿したとされる元特捜部長と元副部長の裁判は続いています(先日一審有罪で控訴)。

 まあ、最強の官庁である検察庁の、これまた特別に捜査の「達人」の集まる特捜部の、これまたエースと呼ばれた前田元検事とその上司である元特捜部長と元副部長が、自らにとってリスクでしかない改竄や隠滅をしたという「見立て」は、当初から非常に違和感がありました。

 本当に「データをいじっているうちに誤って書き換えてしまった可能性がある」(前田元検事の最初の説明)が正しく、それを聞いた元特捜部長と元副部長が信じた(従って改竄を認識して隠滅したのではない)可能性も出てくるのです。

 この記事が、そのまま無視されて消えてしまわないことを期待します。


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コメント
FACTAの次のターゲット
FACTAの次のターゲットはSBI。今年の夏は特に暑いだろうにゃ~。
『日本のマスコミの体質』と言われるようなものに陥いらないようにするには日本の新聞記者が英語の新聞やテレビに日常的に接する必要があると思います。私はかって外通に在籍したものですが、彼らのあいだではアメリカの新聞では『知ってることを書かないと首になるが、日本の新聞では知ってることを書くとくびになる』と、揶揄してました。
>本当に「データをいじっているうちに誤って書き換えてしまった可能性がある」(前田元検事の最初の説明)が正しく、それを聞いた元特捜部長と元副部長が信じた(従って改竄を認識して隠滅したのではない)可能性も出てくるのです。

そうすると、事件全体の見立てはどうなりますか?
もし、3人が真っ白というのであれば、違和感がありますが。
真偽はともあれ、前田元検事が
「データをいじっているうちに誤って書き換えてしまった」(上書きしてしまったが内容は書き換えていない)と説明しており、それを聞いた元特捜部長と元副部長が信じていた場合が考えられるというところでしょうか?
前田元検事はともかく、元特捜部長と元副部長は過失というか、データの上書きを知っていたとしても改竄と認識していなかった場合が考えられますね。
その場合管理責任はあるでしょうが、証拠隠滅とはニュアンスが違うと思います。(無罪を立証できるロジックトがあるかもしれません)
>つまり「サムライと愚か者  暗闘・オリンパス事件」を見て(ぱらぱらと読んで)、一番感じたのが、これら大手マスコミをはじめとする日本のマスコミの体質です。<


オリンパス記事の執筆者・山口氏は、生出演したラジオ番組で、編集長の阿部氏との話で、FACTAだけではと考えて、大手出版社等へ記事の持ち込みをしたと。しかし、1社からも共同で記事をなんてなかったと言っていました。

マスコミ各社からすれば、オリンパスは広告の金主企業ですから、マスコミ一社員の身分で、保身からもそんな冒険をしでかす社員なんていないのかと!

仕方なく、FACTA1社が記事にして、オリンパス事件をスッパ抜き、そのあと、当ブログで、阪中さんがバブル時の財テク失敗の損失処理と記事にされました。

まあ~、証券会社に在籍していたことから、裏のことまでは書けないでしょうけど、行間からは、氷山の一角と読みとれもしましたし、オプション取引を利用したプット・売りによる手法、決算期末対策も財テク処理企業には存在していたのかとも読みとれました。

ですから、東電の件に関しても、原子力損害賠償支援機構法が、平成23年8月10日施行されましたが、マスコミ各社が、この法に関して、どれだけ書いたか疑問かと。

この法施行で、東電を破綻させないスキーム完成ですから、債券市場は安心して、保証料は、下がっています<CDS値下落>。

官僚主導の支援機構法かと<破綻すれば、東電へ融資する金融期間への観点から財務省主導の>。民主党政権<政府>は、官僚から赤子の手を捻られたのかと!

マスコミの大本営体制的体質から、真実とは何かなんて記事を書くジャーナリスト精神はは、骨抜き。
いつも記事を参考にさせていただいています。ところで、最近どうしても納得いっていないこととして日本振興銀行の元会長木村剛氏の判決の軽さなのですが、あんなものなのでしょうか?あの事件というより設立自体、なんか最初から腑に落ちていないのですが・・・。当該記事と関係ないことですみません。どこに書けばいいかわからなかったのでご了承ください。
オリンパス事件で一世風靡したFACTAの阿部氏とSBIの北尾氏の全面戦争が始まってますがどちらに勝機があるでしょうか?
またどちらを応援いたしますか?
オリンパス事件、AIJ事件ともに
野村證券OBが深く関与してましたが監視の届きにくいケイマンとかヴァージンや香港、シンガポールのプライベートバンクを使用してます。こういうルートの使用を
金融庁で規制することは不可能なのでしょうか?
また捜査当局は海外当局と連携して
解明を進めてると一般報道してますが今後進展があると思われますか?
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