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もう一度考える「日銀券」「政府紙幣」「永久国債」

2012年04月18日

もう一度考える「日銀券」「政府紙幣」「永久国債」

 4月13日付け「それでも追加量的緩和が必要と思う理由  その3」の中で、少しだけ「政府紙幣」と「永久国債」について書いたのですが、あくまでも追加量的緩和の必要性を強調する中でのご説明でしたので十分ではありませんでした。考えていくと結構奥が深い内容なので、もう一度改めて書くことにしました。

 まず「日銀券」も「政府紙幣」も価値の裏付けがないことは同じであるとのコメントを頂いているのですが、これについてはこう考えます。

 「日銀券」は日本銀行の保有する国債などの資産を裏付けに発行されます。正確に言うと日本銀行が国債などの資産を取得する際に「日銀券」を刷って渡すだけ(もっと正確に言うと、相手の金融機関が日本銀行に開設している当座預金の残高を「書き換える」だけ)なのですが、とりあえず資産が裏付けになっていると言えなくはありません。

 これに対して「政府紙幣」は実際に発行されているわけではなく、また先進国にも事例が無いため(注)具体的な発行方法が分からないのですが、「政府紙幣」と同じと考えられる記念コインは現金(日銀券)との交換で市中に配られるため、市中にある資産(現金)を裏付けにしていると考えられなくはありません。

(注)シンガポール・ドルは政府機関であるシンガポール金融管理局(MAS)が発行・管理しているのですが、これは政府が中央銀行の機能を兼ねていると考えるべきです。

 また流通している貨幣は政府発行なのですが、政府は同額の現金を引き当てたうえで発行しているようで、鋳造コストとの差額が政府の「収入」になっているわけではないようです。これは前回書いた時に勉強不足でしたので訂正いたします。

 それでは「政府紙幣」を刷って国民に配ったらどうなるかですが、これも国民への配布方法の問題で政府はその分の予算を取って発行するため、やはり価値の裏付けがないということにはなりません。

 つまり巷間主張されている「デフレ対策としての政府紙幣の発行」というと、政府が何の裏付けもなしにどんどん紙幣を刷って政府の支払い(公務員の給料、公共事業の工事代金支払い、防衛省の戦闘機購入、年金支払いの国庫負担分など)に充てたり、最近約束してきたIMFへの600億ドルの増資のために紙幣を刷ってこれを外為市場でドルに換えて支払うようなことになるのです。

 最近では、ジンバブエの軍事政権がこれをやって年率何百垓(がい)%のインフレを起こしています。確かに15兆円あると言われる日本の需給ギャップの範囲内でこれをやってもインフレにならないという意見もあるのですが、やはり先進国がやるべき政策ではないと思います。

 やはり、デフレ対策・景気対策としては「中央銀行の正当な金融政策を思い切って行う」ことが王道で、日本銀行が金融機関から資産(国債)をもっと買い入れる追加量的緩和しかないと思うのです。

 「永久国債」については、最近英国が再開を検討しているようですが、これも市中で引き受ける限り正当な金融の枠組みを外すものではなく、普通国債との唯一の違いは「償還義務」がないため「政府債務残高」に含まれないことです。つまり「永久国債」を発行する意味はこれだけなのですが、普通国債も基本的に借り換えを前提としており「永久国債」と言えなくもなく、また「政府債務残高」の急増が気になるなら一部だけでも「永久国債」を発行して普通国債に置き換えることは、一考の価値があるような気がします。

 問題があるとすれば、「永久国債」の利率をある程度高くしなければならないことと、多分金融機関が保有した場合に自己資本から一定量を差し引かれることです。償還期限が無くても流通市場を整備しておけばよいはずで、ある程度の「需要」は出てくるはずです。

 現在最長期債である40年国債の利率は2.2%なので、今発行すれば2.5%程度の利率になると思われます。そんなに高くしないでもよいはずなのです。

 償還期限が無いため最終利回りは計算できず、あくまでも直接利回りと日本の将来性への信頼度で価格が決まります。たとえば2.5%の直接利回りが毎年入ってくるのであれば、年金などには結構魅力的な投資物件となるはずです。

 実験的にでも発行してみるべきだと思います。

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コメント
>最近約束してきたIMFへの600億ドルの増資のために紙幣を刷ってこれを外為市場でドルに換えて支払うようなことになるのです<

IMFへの4.8兆円出資金は、外国為替特別会計の積立資産からの出資ですから、紙幣を刷ることにはならないかと思います。

政府による円売り・ドル買いの為替介入時に政府短期債を発行し、国内金融市場から得た資金が外国為替資金特別会計に組み入れられ、為替市場で円売り・ドル買いする時の場合と、IMFへの4.8兆円拠出資金の原資は違うかと思います。
記事の訂正とお詫び

上から11番目のパラグラフの下から2行目の、『普通国債も基本的には借り換えを前提にしており「永久国債」と言えなく』とありましたが、『普通国債も基本的に借り換えを前提にしており「永久国債」と言えなくもなく』の誤りでした。

全く反対の意味ですので、訂正いたします。皆様にはご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。
中銀の国債引き受けが王道であり、それを推したいのは判りますし、
その通りなんですが、先日の補足を少し…
まず、日銀券の裏付けが国債って話ですが、日本銀行自体がその様な
説明をしている様ですが、これは闇株さんがいつも問題視している
官僚によるウソにほかなりません。日銀券は不換紙幣なので裏付け
は必要ないのです。少し考え方を変えて裏付けに国債がある事に
しても国債というのは政府保証なので、これにも実体はないです。
また政府紙幣も当然ながら政府保証に基づいて発行されるので、
日銀券と同じという事になりますよね。(永久債も同じです。)
量的緩和を行ううえで「中銀の国債引き受け」「政府紙幣」「永久債」
は全て同じ効果があります。戦前は日本政府が政府紙幣を発行していたし、
イギリス政府も永久債を発行して共に成果を出していたのです。
それとは別に日本の場合は量的緩和による効果は欧米と比べて低いと思われます。
その理由は需要が無いからです。日本の真の問題はここなんですよ。
まぁ大枠では間違ってないのでこの話はこの辺でやめますね。
闇株新聞毎日楽しみにしてますのでがんばってください。
政府紙幣の発行は、国会で例えば100兆円と決議し、それを日銀の政府口座に入金するだけです。印刷しません。銀行の新規融資で借り手企業の口座に数字が書かれるのと同じです。この時、銀行が信用想像したお金の価値の裏付けは何でしょうか?

政府紙幣を発行し、借り換え国債の償還に使えば、借金が減り、その分減税できます、あるいは増税不要になります。弊害は、銀行の運用先がその分無くなる位です。

マネーサプライは何故増えたり、減ったりするのでしょうか? 銀行の新規融資で増え、企業の返済で減る、文字通り消滅するのですよね。あと、国の借金増加もあります。

民間銀行によるマネー創造は無害で、政府紙幣は有害というのはただの思い込みではないでしょうか? どちらも銀行口座の数字です。お金は、その持ち主が変わりながら、銀行口座の中で往来してるだけです。
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