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AIJ投資顧問は「詐欺罪」に問えるのか?

2012年04月26日

AIJ投資顧問は「詐欺罪」に問えるのか?

 昨日(4月24日)、参議院財政金融委員会がAIJ投資顧問の浅川和彦社長とアイティーエム証券の西村秀昭社長を証人喚問しました。これで衆参両議院それぞれが参考人招致と証人喚問を1回ずつ、計4回も「ご足労願った」ことになります。

 まあ、依然として「何のために何回も呼んだのか?」が良く分からず(再発防止のためだそうです!?)、一番重要な「年金加入者のために隠匿財産などを探し出す」ヒントも全く追求できず、「5万円以上の接待回数」など何のための質問なのか分からないものも多く、「国家最高機関における壮大な時間つぶし」でした。

 本日(4月25日)の報道では、警視庁捜査2課が詐欺容疑での立件を視野に入れて年金基金側の事情聴取に乗り出したと書かれていますが、その理由として「参院の証人喚問で一連の日程が終了したから」とされており、やっぱり「国家最高機関の壮大な時間つぶし」が捜査を阻んでいたことになります。

 AIJ投資顧問事件に関しては、発覚直後から何故か捜査方針や重要日程が簡単に報道されるのですが、捜査当局は浅川社長らが「逃亡」や「証拠や財産の隠匿」をしないと安心しきっていることなります。一応用心しておいた方が良いと思うのですがね。

 さて、本件については金融商品取引法違反の「募集の偽計」が適用されることが既に報道されており、浅川社長らもこの点は認めているようです。ただ「募集の偽計」は最高刑が懲役3年以下(つまり初犯なので執行猶予)、罰金300万円以下(併科あり)で、同じ金融商品取引法違反の「偽計取引」や「有価証券報告書の虚偽記載」の懲役10年以下、罰金1000万円以下(併科あり)に比べると格段に軽いのです。

 ただし「募集の偽計」でも、他の金融商品取引法違反と同じで「利得した金額の全額を没収する追徴金」はあるはずです。

 本件は、一般の年金加入者という「証券市場に関係のない被害者」が多数おり、社会的に重大な事件であるため「詐欺罪」の適応が当然だと思われていたのですが、ここにきて「ようやく」警視庁捜査2課が専従班を設置して取り掛かったようです。発覚から2ヶ月も貴重な時間を無駄にしているのですが、その理由は冒頭の「国家最高機関の壮大な時間つぶし」も含めた「官僚組織の事情」にあるはずです。

 この「事情」については、本日は書きません。ただ本件の「最終的落としどころ」を予想するにも必要なので、近々、有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」に書く予定です。よろしかったら左上から登録しておいてください。

 本日は、本件が本当に「詐欺罪」に問えるのか?を考えてみます。

 詐欺罪の構成要件は「相手側を錯誤に陥らせて財物ないし財産上の利益を処分させること」で、行為者は「行為時においてその故意および不法領得の意思があったと認められる」ことが必要です(刑法246条・10年以下の懲役および犯罪で得たものの没収・追徴)。

 つまり、行為時(本件では年金基金へ投資を勧めた時)に「故意および不法領得の意思」があったと立証しなければならないのです。だから浅川社長が参考人招致でも証人喚問でも繰り返し「騙すつもりはなかった」と強調しているのです。

 これに対しては、運用資金を預かってすぐに(運用せずに)他の基金へ解約資金として支払ったことが該当しそうなのですが、そもそも合同運用のはずなので「新規資金」が「合同運用勘定」に一旦入って、そこから「解約返戻金」が支払われたとすればセーフのような気がします。

 もう1つ重要なポイントは、募集時あるいは運用報告に際し「資産を水増しした」と答えてはいるものの(従って金融商品取引法違反「募集の偽計」は認めているものと思われる)決して「虚偽の報告」とは言っていないことです。

 じゃあ「水増し」と自覚していたなら「行為時に故意および不法領得の意思」があったことにならないのかですが、「水増し」していたから「故意に投資資金を不法領得する意思があった」は、やや無理があるような気がします。

 だったら「水増し」したので、本来の基準価格での投資資金より多い資金を投資させたことになり、「その差額」は「不法領得の意思があった」とは言えるかもしれません。

それ以外では、「運用の損失」は当然「詐欺罪」に問えず、傘下のファンドや投資事業組合で資金や利益を付け替えていたとしても「一任運用」の範囲内なのです。

詐欺罪の立件は意外に難しいのです。現状では立件できる可能性は5分5分だと思います。


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コメント
金融商品取引法違反の偽計の募集=刑法・詐欺罪じゃありません。

私は、浅川氏の一連の行為が、詐欺の法律構成要件である相手を欺罔し、錯誤に陥りさせ、財物を騙取<へんしゅ>したとする証明は難しいと思います。

企業年金運用資金を預かり運用することと<偽計の運用成績を提示してして運用資金を集めても>、刑法・詐欺罪の法構成要件を立証することとは別ですから。

新たな企業年金運用者からの資金等を解約の申し出に応じる資金の捻出に対して自転車操業的ですけど、そこには返済する「意思」がありますから、その返済「意思」を打ち崩す証明は難しいと思われます。

コメントにもこの事件に対する一任勘定にした問題<認可から登録制>提起がありましたが、登録制後の事件ですから、やはり一任勘定問題もあるかと。

また、投資顧問業者の検査問題も露呈しているかと思います。検査体制に問題あるから、投資顧問に対して、AIJ事件後に一斉検査を実施。

今後、この類の事件は、個人顧客に被害が広がる恐れもあるかと一任勘定制度からあり得るかと思います<リタイア組の資金狙いですね>。

個人的な話となりますが、不動産売買取引<買主の仲介業務として>で、警察へ詐欺の相談に行った時、まず、嫌がりますね<詐欺罪の立証が難しいからです>。その取引事件結果は、偽造有印私文書行使及び公正証書原本不実記載の罪で詐欺罪とはなりませんでした。

事件は、土地所有者から印鑑証明書を取得し、スキャナーを利用して偽の実印を作成して、本人に成り済まして土地の所有権移転登記をし、第三者と不動産売買契約を締結し、売主は、手付金及び中間金を買主から受領し、残金決済日に応ぜず、買主へは、売主が受領した一部代金を返金<詐欺師の常套手段でして、返金の意思を示すことで、詐欺罪が成立しない工作です>。元司法書士も登場した事件で、朝日・読売で記事もなりました<知人に事件関係者のことを聞きましたら、某警察署管内では、有名な女詐欺師とのことで、途中から可笑しいと感じたんですけど、大失態でした。土地取引の場合は、登記簿を逆上り現所有権登記名義人前の所有者までも確認する必要があり、猛反省でした>。
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