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混乱の金融市場を「読む」

2012年05月08日

混乱の金融市場を「読む」

 本日(5月7日)は、昨日に続いて「日本政府に対する真摯な提言  その2」を書くつもりだったのですが、日経平均が261円安の9119円、為替市場では円が対ドルで一時79円台半ば、対ユーロでも一時103円台前半まで円高が進んだため、テーマを変更しました。

 「専門家」のコメントも常識的すぎるものばかりなので、少し「踏み込んで」考えてみることにします。

 まず米国市場ですが、先週末(5月4日)に発表された非農業部門雇用者数が11万5000人と予想(16~17万人)を大きく下回ったことからNY株式が168ドル安の13038ドルとなりました。米国10年国債利回りも1.86%まで低下しました。

 直観的に思うことは、最近の米国金融市場では「悪い」経済指標が出てくれば、逆に「追加量的緩和(QE3)」の期待が盛り上がり、株式市場がそれほど下落せず、米国10年国債利回りもそれほど低下しないものでした。つまりQE3があれば景気が回復し、株式市場が上昇し、国債利回りも上昇するはずなので、それを「先取り」する動きが出るのです。

 非常に逆説的な言い方なのですが、先週末の雇用統計の悪化だけでは、まだQE3まで発動する必要がないと市場が判断しており、従って米国経済はそれほど悲観的でもないと言えます。

 確かにNY株式も先週末に下落したといっても13000ドル台で、本年2月からのレンジの中にいるのです。

 つまりNY株式は、すぐに本格調整とはならないはずです。

 欧州を見てみましょう。

 予想通りではあったのですが、フランスの大統領選挙では現職のサルコジ氏が落選し、緊縮財政への反対意見を表明していたオランド氏が当選しました。

 またギリシャの総選挙でも緊縮財政に反対する政党が躍進しています。

 つまりユーロ参加国の財政規律が再び緩んでしまい、それがユーロを下落させるという「予想」が多いのですが、少し常識的すぎる気がします。

 一般論で言うと、債務問題を抱えて経済が不振の国に対する処方箋は「通貨安」「金利安」「財政刺激などの景気対策」です。ところがユーロの枠組みの中ではギリシャだけでなく、アイルランドもポルトガルもイタリアもスペインも、すべて「通貨高(統一通貨であるから)」「金利高」「緊縮財政」を強いられており、このままでは財政再建も景気回復も不可能なのです。

 ところが今のところユーロ首脳は、このユーロの仕組みを維持しつつ債務問題国を金銭的に支援していく方針に固執しています。経済常識から考えて明らかに「効率の悪い」方法に固執しているのです。

 その理由は、全欧州が団結して米国に対峙するというEUの基本理念から来ており、そのために統一通貨ユーロの仕組みの維持が「不可欠」だからです。米国と対峙するためには、ドルに対抗できる通貨が必要だという「政治的判断」なのです。

 じゃあ構成国の政権が代わって緊縮財政に反対したらどうなるのでしょう?それは多少妥協してでも「ユーロの維持を優先する」という「政治的判断」になるはずです。

 つまり、ユーロは無くなりも崩壊もしません。従って「ユーロの信認が揺らぐ」とか「ユーロが崩壊する」などの理由でユーロが下落することはありません。

 ユーロの変動は、純粋に経済状況や金融政策を反映したものになるはずです。ただこれらの要因では、やはりやや「ユーロ安」となるとは思います。また欧州株式は上昇するはずです。

 日経平均が急落したのは、それだけ日本経済の実体が悪いからのようです。

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コメント
欧州問題については全くその通りだと思います。最終的には、金融緩和・通貨安にゆくしかないでしょう。そうしなければ、問題は解決しないと思われます。結論は明らかであるにもかかわらず、ドイツがモラルハザードを重視して緊縮策へのこだわりを捨てないことが問題の解決を難しくしています。しかも、長期的にはドイツの主張にも一理ある点がさらに厄介です。従って、欧州問題の解決にはしばらく時間がかかるというのがコンセンサスになりつつあると思われます。
問題は、こうした問題が起こった時、FRBはドルが基軸通貨であることもあり、予防的あるいは金融機関の資金繰り支援のため積極的に金融緩和する傾向にあるのに対し、日銀は対岸の火事とばかり静観しがちなことです。このことも日米の経済の差になっているように思えてなりません。
相場の上下で利益を上げている仕事は、変動しないと利益は上げられない。下げたからといっても下げっぱなしでは利益は上がらない。何だかもう無理やり上げ下げしている相場が続いているような気がします。胴元が全取りしたらゲームは終わりでしょう。ただ冷静な博打打だけがゲームに参加していれば良いのですが・・・博打打の時代は終わったのでしょうか?少しは勝たせないともうお客さんは来てくれない。・・商売は大変です。その辺のさじ加減を考えて。・・今はシステムという機械に任せて人は楽をしすぎているのかも知れませんね。・・
欧州危機に関しては闇株さんのご意見に全く同意いたします。ユーロ圏諸国は不完全な国の様なものですので、今後は少しでも完全な国に近づけるよう努力するでしょう。手始めは徴税でトービン税がEUの財源となるべく導入されるでしょう。

ところで、韓国の大手3行を含む貯蓄銀行4行が営業停止となった件、日本では殆ど報道されてませんが、なぜでしょうか?人肉カプセルはあんなに報道してるのに?
雇用統計は雇用者数がアナリスト予測を下回っただけであって
失業率自体は改善を続けています。
QE3は現状ではありえないと思いますよ。

なぜFRBの2大目標である雇用も物価も
安定して改善傾向にあるのに
QE3をしなければいけないのか。

失業率が継続して悪化するか
インフレ率が下がり始めるか
どちらかが無いとQE3は無いでしょう。
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