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改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その2

2012年05月09日

改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その2

 1日空きましたが続けます。いろいろ書くとキリがないので「国策上」絶対に必要だと考える2つだけに絞ります。

 それは「円の国際化(基軸通貨化)を推進する」と「戦略的に外貨取得を推進する」の2つです。何故これらが「国策上」絶対に必要なのかを順に説明していきます。

 まず「円の国際化(基軸通貨化)」からです。

 現在の日本を冷静に見渡して、日本が世界で戦える数少ない武器が「円」です。これは国内の金融資産額が大きい(財務省のシナリオでは間もなく枯渇するそうですが)以外に、「通貨として強い」「金利が低い」「流動性がある」さらに「金融市場が一応整備されている」「国債の発行市場・流通市場が大きく・整備されている」さらに「一応経済大国である」「一応国民が真面目である」なども含む「総称としての円」のことです。

 一方「基軸通貨」とは、その通貨の発行国だけでなく、世界中が「何の疑問もなく」決済や借入れや貯蓄のために使う「通貨」です。もちろん「ドル」のことで、「ドル紙幣」だけでなく「米国国債」もほとんど同様に「何の疑問もなく」受け入れられています。

 その結果、発行されている「ドル紙幣」も「米国国債」も、約半分が海外で「何の疑問もなく」保有されているのです。

「ドル紙幣」が海外にあるということは、極論すれば米国政府や米国企業が海外からモノやサービスを購入して(援助もありますが)その代金として渡した「紙切れ」が流通していることで、「米国国債」が海外にあるということは、その「紙切れ」が「米国国債」に置き換わっているだけなのです。

 もちろん「ドル紙幣」は米国に持って行っても金(きん)には換わらず(モノは買えます)、「米国国債」を持って行っても「ドル紙幣」に換わるだけです。分かり易く言うと量販店などで返品すると渡される商品交換券みたいなものです。

 つまり海外にある「ドル紙幣」も「米国国債」も、大半が米国にとって永久に返還する必要のない「負債」で、これこそ「基軸通貨国」の特権なのです。

 最近のようにFRBの超金融緩和政策でドルが下落し、リーマンショック以降の数年間は米国の財政赤字が毎年1兆5000億ドルに上っても、世界中どこにも「取り付け」が起こらず、世界中が誰も「米国国債が償還されるか不安」に思わないのです。

 もちろん、世界中で「少しくらい」は「ドル紙幣」や「米国国債」の保有を減らそうと言う動きはあります。しかも単に「減らそう」という消極的行動ではなく、もっと積極的に「基軸通貨の特権」を奪い取ろうと言う動きが出てきているのです。

 もちろんその代表が「ユーロ」です。

「ユーロ」とは、全欧州が米国(ドル)に対抗するため作り上げた通貨で、多少参加国に財政問題が出ようが、政権が交代しようが、絶対に「引っ込めない政治カード」なのです。昨日付け「混乱の金融市場を読む」にも書いてあります。

 アジアでも、大国となった中国や、もともと融資残の大きい欧州や、中国と対抗する米国などが「水面下での囲い込み」を進めています。

 「真摯な提言」とは、この日本の唯一の武器である「円」を使って、この「基軸通貨の特権」獲得レースに参加することなのです。あらゆる状況を冷静に考慮しても「円」は基軸通貨の必要条件を満たしているのです。

 紙面の関係で、円を「基軸通貨化」した場合の「国策上の利益」や、具体的に「何から始めればよいのか?」は次回にします。

 本日に強調しておきたいことは、日本の選択肢は「現在のドル基軸通貨体制を維持し、その役割の一部を円に置き換えていく」しか無いことです。

 そう考えていくと、最近の野田政権の「IMFへの600億ドルもの資金提供」は「メリットの何もないユーロ支援」であり、中国の国債購入は「メリットの何もない人民元の国際化(基軸通貨化)のための支援」であり、韓国国債の購入やアジア開銀への資金協力(1570億円)も「何のメリットもない可能性が強い」のです。

 財務省や外務省の「省益」を優先する野田内閣の「恐るべき政治・金融・国際センスの無さ」なのですが、単に「国益」にならないだけでなく、明らかに「国益」を損ねているのです。

 続きます。

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コメント
基軸通貨になるには
軍事力がたりない。
=外国に征服されて紙切れになる恐れがある。
(実際はこれだけ核物質もってて、ウランもプルトニウムも、宇宙開発もしている状態だとないと思うけれど)
昔は円を東南アジアの基軸通貨として流通させたら良いと考えていましたが、
近年のユーロを見ていると、複数国間で通貨を統一することのデメリットがよくわかりました。

まぁ基軸通貨とまではいかなくとも、円の国際化は進めて欲しいですね。
今は中国の台頭により円の存在感が薄れてきてしまってますからねぇ・・。

例えば、今月15日にリリースされるDiablo3という米国産のPCゲームがあるのですが、アジア向けに中国語・韓国語版がありますが、日本版は無く、また日本はアメリカ地域に区別されていますが、ゲーム内取引では円が使えず、ペソにすら負けています(利用できる通貨はUSD (U.S. Dollar), AUD (Australian Dollars), MXN (Mexican Pesos), BRL (Brazilian Real), CLP (Chilean Peso), ARS (Argentine Peso)のみ)。

日本のお家芸の業界ですらこの体たらくなのですから、国力・国際的な影響力の低下は推して知るべしってとこですね。
円が基軸通貨レースに参加出来れば、国際的な通貨バスケット体制が出来ると言うことですよね?

世界経済の担保としては、多軸通貨体制が必要だと思います。
そもそも円の保有率が低いのは
日本政府は日本円を外貨準備として保有していないからでは?
あと構造的に他の国が日本円が欲しいと思って
日本円を買うとその分外貨が日本側に貯まるので相対的な比率はさほど変わらんのでは?
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