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改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その3

2012年05月11日

改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その3

 中断ばかりでなかなか進まないので急ぎます。前回は5月7日付け「同、その2」の中で「円の国際化(基軸通貨化)を推進する」の途中まで書きました。

 「基軸通貨」とは、世界中で「決済」「金融(貸付や起債など)」「貯蓄」など幅広く使われている通貨のことで、それらの使われ方の中で一番「円」の比率が高そうな「世界の外貨準備の占める割合」ですら3.8%(注)に過ぎません。それ以外の「決済」などはもっともっと少ないはずです。

(注)米ドルが61.7%、ユーロが25.7%、ポンドが3.9%(2011年9月末現在)

 確かに「円建て貿易決済」も「ユーロ円債の起債」も「円建て借款」もあるのですが、「円」を受け取った海外の輸出企業や発行企業や借入れ先は、受け取った「円」をすぐにドルやユーロに換えてしまうため海外で流通している「円」が増えないのです。

 その理由は、日本はまだまだ経常黒字国なのでそもそも日本からネットで流出して行く円資金がないことや、邦銀が海外で円建てローンを増やそうと言う発想自体がないことなどで、これは一朝一夕に変わるものではありません。

 そもそも円を「国際化(基軸通貨化)」すると言っても、別にドルに代わって世界の決済通貨になろうと言うことではなく、あくまでも基軸通貨であるドルの機能の「一部」である「世界の投資・準備資金の受け皿」のこれまた「一部を分担する」ことが一番簡単でメリットが大きいのです。

 コメントも頂いているのですが、基軸通貨国になるためには軍事力が必要なことは当然で、あくまでも日本の選択肢としては「ドル基軸通貨圏のなかでの役割分担」でしかないはずです。まさに「基軸通貨としてのドル」の最大の弱点である「減価(値下がり)」を「円」がカバーできるからです。

 これもコメント頂いているのですが、世界の基軸通貨体制はドルを中心にユーロ・ポンド・円などが仲良く分担していく「バスケット体制」にはなりそうもありません。あくまでもドル・ユーロ・(そして多分)人民元の3極が争い、通貨圏が分裂していくような気がします。

 英国はEU(ユーロ圏)から距離を置く可能性があります。そもそも英国はERMから離脱したままなのですぐにユーロに加入できず、また加入する意思もありません。昨年12月26日付け「2012年に起こりそうなこと その3  英国のEU離脱」もご参照ください。

 もちろん日本の選択肢としてはドル圏・ユーロ圏・(そして多分)人民元圏に対抗して「円圏」を主導していくことも考えられ、通貨・円としてはその条件を備えているのですが、日本の政治が弱すぎで軍事力も無いためお話になりません。またユーロ圏に入ることも現実的ではありません(コメントも頂いているのですが、法的には阻害されていません)。

 日本にとって重要なことは「しっかりと方向を決めること」です。米国にもEUにも中国にも「中途半端にいい顔」をしていると誰からも相手にされなくなります。本誌がしつこく「IMFへの600億ドルの資金提供」と「1億ドルの中国国債購入」を批判しているのは、まさにこの点を危惧しているのです。

 話しを戻しますが「ドル基軸通貨体制の中で世界の投資・準備資金の受け皿機能を分担する」ことが一番簡単でメリットも大きいのですが、それですら現状では前に進みません。

 そのために絶対に必要なことが「日本国債の海外保有を増やす」ことなのです。国際化でも基軸通貨化でも「海外における円および円資産(主に国債)の保有」を増大させる必要があり、一応経常黒字国の日本は、まず「日本国債の海外保有を増やす」ことから始めるべきなのです。

 これが(財務省によると、日本国債は間もなく国内資金で消化しきれなくなるらしいので)日本の「国益」に最も合うもので、そのためにも(これも財務省によると、日本は間もなく経常赤字国に転落するらしいので、それなら余計に海外から不足分をファイナンス出来るように)円の国際化(基軸通貨化)を進めておかなければならないのです。

 まさに、国を挙げて「日本国債」の大キャンペーンを行わなければならないのです。最近、再度円高に向かい、日本10年国債利回りが0.8%台まで低下している中で、「円建て」で「安全資産の国債」である日本国債に世界の需要が集まらないはずがありません。

 財務省の消費増税のための「ネガティブキャンペーン」や「マインドコントロール」に騙されて「国益」を見失ってはいけないのです。国債の外国人保有が増えたら「売りたたかれて、国債が暴落する」というのも根拠不明の暴論です。

 これが1つめの「真摯な提言」です。もう1つの「戦略的な外貨取得の推進」は次回にしますが、基本的には「通貨政策」にかかわる同質の提言です。

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緊縮財政のゆきつく先は?
闇株さん、読者の方々、
テーマに関連して、答えを求めたいことがあります。
緊縮財政のゆきつく先は?。
財政赤字は、過去の総生産の余剰により組成されている。
つまり赤字を作れたということは需給ギャップがあった
からにほかならない。
では、
供給力に対して需要が不足している場合、これを放置すれば、
物価の下落をまねく。 それでもギャップが埋まらないなら、
供給調整(生産調整)が行われる。=生産活動の縮減=
生産効率及び労働時間の調整(縮減)=賃金の調整=
雇用の調整。=可処分所得の調整=景気後退=税収の縮減。
へと行き着くのではないか。
需給ギャップを埋めることは、悪いことなのだろうか?。
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