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改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その4

2012年05月14日

改めて日本政府に対する「真摯な提言」  その4

 先週は、1つ目の「真摯な提言」である「円の国際化(基軸通貨化)」を推進すべき」について書きました。

 世界の金融市場で「円」が安全通貨とみなされているうちに「円の国際化(基軸通貨化)」を強力に推進し、世界の中で日本の存在感を高めるためです。そのために、まず海外投資家による「日本国債」の保有を増やす努力から始めるべきと書きました。

 本日は、もう1つの「真摯な提言」の「国家で戦略的に外貨取得を推進すべき」です。

 現在の日本では、外為資金特別会計を通じて約100兆円の「外貨」を保有しています。ここでは為替介入による外貨(主にドル)取得のほかに、金(きん)の保有や、最近の野田政権が約束してきたIMFへの資金協力や中国国債の購入などを行います。

 その資金は国債(政府短期証券)の発行で賄うので立派な国民負担なのですが、その投資(と呼べるかどうかわかりませんが)の意思決定過程や現実の損益が国民に説明されることはなく、利益配分を含めた「国民にとっての存在意義」が全く分からない壮大なブラックボックスとなっています。

 今まで為替介入をしても「円高」が止まらず、当然に外為資金特別会計に評価損が積み上がるだけで何の役にも立たず、そこへ「やっぱり国債発行を原資として国家で外貨取得」などと書くと「何を突拍子もないことを言うのか?」となると思います。

 しかし、どうしてもそう考えてしまう理由を順に書いていきます。

 まず1番目は、歴史的に見て低利回りの日本国債の発行で調達した「円」を、これまた歴史的に見て高い(つまり円高)水準で売却し、その資金で歴史的に見て安い外貨(ドルなど)を購入することは、単純に考えて経済的合理性があると思うからです。

 2番目は、日本経済全体は1971年のニクソンショック以降「膨大な円高コスト」を負担しています。それを「運命」だと諦めるのではなく、「取られたものは取り返すべき」という単純な考え方で、そのためにも現在の円高水準は「大変なチャンス」と思うからです。

 3番目は、外貨を大量に取得すれば当然に円安になります。異論もあるようなのですが、円安は間違いなく日本経済にとってプラスで、現在の日本経済の閉塞感を払拭してくれるはずです。5月3日付け「そもそも円安は日本経済にとってプラスなのか? その1」、5月4日付け「同、その2」に書いてあります。

 4番目は、日本経済にとってプラスである以外に、取得した外貨の評価益が実際に積み上がる「直接的効果」があり、実現化して国民生活向上のために還元出来ることです。

 最後に5番目として、取得した外貨を使って、収益性だけでなく、国際社会で日本の存在感が増すような「国策投資」を行えることです。

 特に3番目の「誰が実際に外貨取得を行うのか」、4番目の「実現益をどう国民に還元するのか」、5番目に「誰が実際に投資決定をするのか」など、官僚組織の利権にされてしまいそうなところが山ほどあるのですが、そうならないための対策も含めて具体的に考えていきます。

 まず、総論的な説明です。

 現在の世界の金融市場は「先進国の極端な金融緩和策をうけて世界中に投資資金が溢れ返っている」、「その投資資金は、世界的に株式などのリスク資産から、特定の国債などの安定資産に向かっている」、さらに「基軸通貨であるドルも、それに対抗しようとするユーロも、近い将来間違いなく存在感が大きくなる人民元などの新興国通貨もすべて、それぞれ固有の事情によって自国通貨を安く維持している」、「特に世界的に圧倒的に保有されているドルの保有を減らす通貨分散の動きが世界的にある」という構造です。

 その中で日本は何もせずにいただけなのですが、気がついてみると歴史的「円高」で、日本国債の利回りも歴史的低水準に近づき、その他の世界的状況も含めて、大変な「外貨取得のチャンス」が来ていたのです。

 日本にとって「現在の日本経済のどうしようもない閉塞感」と「1971年以降、日本経済が負担した膨大な円高コスト」を一気に取り返せるかもしれない「歴史的チャンス」なのです。逆に言えば、このチャンスを何となく逃してしまったら、日本は永久に世界の中心から外れたローカル国家となってしまうのです。

 続きます。


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コメント
>その中で日本は何もせずにいただけなのですが

白川総裁に言わせると
「失敬な!日銀は『何もしない』と言う事をしているのだ!素人にはわからんだろうが!」
とのことですw
現状のことを歴史的とかいうのは止めた方が良いと思います。歴史的円高といっても、それは過去常に言われてきたこと。180円の時もそうでした。150円の時も、120円の時も。いつも歴史的円高と言われてきました。また金利も歴史的というなら、独や米国の方があきあらかに歴史的低水準でしょう。日本は0.4%という長期金利も経験してますから。
今までも散々外貨買いをやってきて評価損が膨らんできたのは、過去の歴史。それが、これからやれば評価益が積み上がるというのは、どう考えてもおかしい。
またそれだけの金を使うなら、徹底的に公共投資をやれば、景気は回復するでしょう
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