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そういえば日本銀行の政策決定会合がありました

2012年05月24日

そういえば日本銀行の政策決定会合がありました

 本日(5月23日)の日経平均は172円安の8556円となりました。欧州問題が深刻化していた昨年秋の安値が8135円、日本銀行の追加金融緩和で円安・株高が進んだ本年3月の高値が10255円なので、この間の上げ幅の80%を失ったことになります。

 因みにNY株式市場ではこの間の上げ幅の26%、DAXでも47%が失われただけです(共に5月22日の引値で計算)。

 そして本日、日本銀行の政策決定会合がありました。当然のように何もなかったのですが、その後の総裁の記者会見も「非常に問題」でした。

 まず「短期金融市場の金利が低下しすぎると流動性が下がり、いざという時に市場参加者が資金調達を行おうと思ってもなかなか出来なくなる副作用がある」という「珍説」が出てきて思わず考え込んでしまいました。

 これは「日本銀行は当座預金への0.1%の付利を止めない」という意味のようですが、しかしこれこそ5月1日付け「無駄撃ちなりそうな追加量的緩和  その2」にも書いたのですが、日本銀行に残された唯一の「円安」「株高」対策なのです。それをわざわざ「否定」してしまったのです。

 つまり日本銀行が当座預金の0.1%の付利を行うから、短期金利が0.1%と「比較的」高止まりするので市場参加者(要するに銀行です)が資金調達を見合わせたり、資産買入れ等の基金で残存2年未満の国債を買い入れようとしても国債利回りが0.1%以下とならず「比較的」高止まりするので市場参加者(これは銀行と証券会社)が売却を見合わせたりすることが、確かに起こっています。

 こういう状態を、市場参加者が資金調達を出来ないあるいは2年未満の国債の売却が出来ない状態だとして、資金調達が出来なくなる副作用だと言っているのです。つまり短期金利をわざわざ「高め」に維持させておいて、資金だけは潤沢な市場参加者(要するに銀行です)の新たな資金調達意欲を失わせておきながら、資金調達がなかなかできないのではないかと心配しているのです(過保護ママですね)。

それなら単純に当座預金の金利を半分の0.05%にすれば、資金調達金利や2年未満の国債利回りが0.05%程度まで低下するので資金調達や国債売却が増え、結果的に市中の短期金利が低下して資金調達が活発になるだけの話なのです。

 仮にもっと大量に資金調達や2年未満の国債を売却したい市場参加者がいれば、0.05%を0.07%にでもすれば「好きなだけ」資金調達が出来ます。

 さらに0.1%の付利と言っても当座預金残高が30兆円もあるので、年間300億円も市場参加者(要するに銀行です)に「プレゼント」しているのです。半分にすれば年間150億円も負担が軽くなり(日本銀行の負担ですが、国民の負担のことです)、その結果市中の短期金利も下がれば民間企業の負担も軽くなり、さらに「円安」となり「株高」となり、各段に日本経済が明るくなるのです。

 つまり日本銀行に残された唯一でさらに「国民負担が逆に軽くなる」景気対策なのですが、わざわざ「考え込まなければ分からないような珍説」まで持ち出して「否定」しまったのです。黙っていてくれた方が良かったのです。

 日銀総裁は同時に、「欧州経済は最大のリスク」だとか「中国経済は減速している」などと他国のことは心配しておきながら、日本経済については「持ち直しに向かう動きが明確になりつつある」とこれまた「全く根拠不明の楽観論」を披露しました。

 先週末のG8サミットでは、従来の「財政再建一辺倒」から「成長重視の中での財政再建」へと重要な方向転換がなされたのですが、野田首相だけが「消費増税への強い決意」を重ねて強調して帰ってきてしまいました。

 せめて日銀総裁は「口先」だけでもこの方向転換に沿う発言をしてほしかったのですが、結果的には「言わない方が良かった」ことばかりでした。

 そういえばフィッチが日本国債の格付けをAAマイナスからAプラスに引き下げました。同じような格付け基準を使っているため、Mood’s(現在はAaa3、アウトルックネガティブ)やS&P(同AAマイナス、同ネガティブ)も間もなく追随します。

 これ自体は何の問題もないのですが、また財務省の「消費増税キャンペーン」に使われそうです。

 日本経済の不振や円高や株安は「人災」なのです。

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コメント
[同じ構図]
闇株さん、読者の方々、
何かまるっきり同じじゃないのか。

日本銀行は資金供給を渋ることを通して経済を停滞に維持し
不景気、デフレ、低金利、それでも減らない国民の預貯金額を
よいことに
本来国民所得たる利息を、金融機関の収益へと移転させて
不良債権を作った失政の埋め合わせとしている。
これは明白な金融失政の国民負担への押し付けと言える。

東京電力とそれをとりまく政策決定の流れ=
地域独占と総合原価方式による高コスト体質、
株主及び債権者責任を問わないままで、
足らざるを利用者への料金値上げでまかなおうとしている。

公務員給与とその派生関連団体等への支出、議員定数及びその
手厚い各種歳費及び補助金の支出をとりまく政策決定の流れ=
身分保障と天下り、民間よりも高い各種手当てや退職金や年金
等を温存した高コスト体質をそのままにして、足らざるを、
国民への増税でまかなおうとしている。

また今回の消費増税を確実に毎年増えてゆく福祉予算に充てる
安定財源ためと言うが、結局のところ財政全体のくくりのなかで
の配分の問題だ。特定支出と特定税収に色付けして見せることは、
ご都合主義の方便であり、ひいては配分の硬直化を招く。
結果として税率の度重なる割り増しや新税乱立を招くことになる。

金融当局が実施したバブルサドンデス政策は、巨額の不良債権化
した資産とその返済による国内金融の停滞と長期デフレを蔓延さ
せ、さらに円の急速で大幅な切り上げ圧力を受け入れたことで輸出
価格急騰と競争力の低下が国内生産の海外移転を促進し、国内雇用
と投資の海外流出となって、国内環境を長期にわたる不況にしている。
その結果、長期に渡り税収減を重ねることとなった。
その間も公務員とその天下り外郭組織への給与及び、支出は、省益箱物
の新設にも及び総額漸増を続けて会計支出を食潰したうえ硬直化させ
本来やりくりすべき予算に充てることができない実質的欠損となり続
けて財政を赤字体質にする大きな要因を構成してきた。

だが、そのことにはひたすら触れず、足らざるは、国民負担の
増税へと、ひたすら道筋をつけることを規定路線とする2大政党
と、ニュアンスは異なるが、小党にあり増税やむなしの論調に立
つ同じ命脈でつながったも者らをも支持できるはずがない。

増税は消費をさらに減退させ、国内の景気の悪化となり逆に税収減になる。
公務員と一部の輸出企業役員等は、焼け太りするかもしれないが、そ
の他の国民は、さらに減る収入から、増税される分、その生活は日々
痛みを増す。
前の政権選択で国民が選んだはずの政策と違う。
なぜ国民に無用な苦難、ひいては日本の国力をおとしめ、
国難を招くような、政策をすすめる政権へと変容する状況が続くのだろうか。
もうその元凶を見極める時がきているのではないだろうか。
今、世界で言われる財政危機と、緊縮財政の論には必ず裏がある。
マネーというものがまやかしの道具になって経済の専門家ほど
実像が見えなくなって実際にはありもしない恐怖をつくりだす。
ホラーや、ゾンビの世界を見ている。
もっと足元をみて、生活に根ざした経済を学びなおす時がきている。
過去のものをいくら算用しても既に過ぎたもの。
今、今日、そして明日を生きるに供するに足るものを考えること。
それが今生者の実経済ではないか。
そして、それに足るものは、世界に大災害や大飢饉がおきていないなら、
明日も、一月先も、来年も、特に危機は無い。
マネーなどにまやかされてはいけない。
今日も明日も、おむねの人々が堅実な生産を維持していれば根源的に
実経済に危機は存在しない。
存在しない危機を言う者は、まやかしによる利益を狙う者。
おはようございます。
以前もご紹介しましたが
http://www.h5.dion.ne.jp/~bond7743/doramemon1205.html
こちらの今週の分だけでもぜひ目を通してみてください(私自身は元債券市場に身を置いていたイチ読者です、念のため 笑)。
3年以下のJGBが軒並みビッドサイドで0.1に張り付いている中、日銀の買い入れ償却は札割れ(そりゃそうでしょう)、という現状で0.1の付利を0.05に変更したら3年以下が0.1→0.05に変わるだけで経済効果(景気浮揚効果)が乏しいばかりか、オペ先に対する収益プレゼントにしかならないという主張ですがおおむね同意です。
常々思っていたのですが債券市場参加者とその他市場参加者にはかなり心理的ギャップがあると言いますか、闇株新聞さんもおそらく株式寄りの方でしょうから、こんな見方もあるよ、という程度に参考になれば幸いです。
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