闇株新聞 the book


闇株新聞 the book
発売中です。
よろしくお願いします。

もっと「戦略的外貨取得」について考える  その1

2012年05月28日

もっと「戦略的外貨取得」について考える  その1

 先週、再度の円高に襲われる可能性が強まったので、今度こそ本誌が真摯に提言している「戦略的外貨取得」を強力に推進し、「1971年以降に日本経済が負担した膨大円高コスト」を一気に取り返し「今の日本のどうしようもない閉塞感」から脱却するべきだと書きました。

 提言そのものは5月14日付け「改めて日本経済に対する真摯な提言 その4」にまとめてあります。

 ご批判を含むコメントを幾つか頂いていますので、それぞれについて考えます。

 まず「戦略的外貨取得」を行ったら欧米から批判を受けるはずで、どう対処するのか?ですが、外貨取得の中心になるはずの対米国から考えます。

 確かに米国財務省は1988年から年2回議会に「国際経済と為替政策に関する報告書」を提出し、対米通商を有利にするために為替介入し為替相場を不当に操作している国を「為替操作国」と認定し、関税をかけるなどの制裁を行うとしています。

 この制度が策定された直後に韓国・台湾・中国が「為替操作国」に認定されたのですが、1994年7月以降はどの国も認定されていません。

 最新の報告は5月25日に提出されたのですが、人民元相場については「なお著しく過小評価されている」としたものの、中国を「為替操作国」に認定する事は見送りました。これも「中国を牽制するカード」に過ぎず、実際に認定することは絶対にありません。

 日本は今まで一度も認定されていません。実は昨年12月に提出された前回の報告書には「米国は日本の単独介入を支持しなかった」と指摘していたのですが、今回の報告書では削除されています。

 実際の米国政府の日本政府に対する直接的行動としては、1993年1月に就任したクリントン大統領はすぐに「日米不均衡是正」を打ち出し、具体的には「為替不均衡の是正(つまり円高誘導)」と「自動車および同部品の輸入数値目標」を要求してきました。

 そして1994年2月の日米首脳会談で、時の細川首相が「日米関係は成熟した大人の関係になるべき」などと息巻いて米国の数値目標をはねつけてしまったため円高が加速し、翌1995年4月には79.75円まで円高が進んでしまいました。

 しかし、米国政府が日本政府に「為替不均衡の是正(つまり円高誘導)」を持ち出したのはこれが最後で、その後は金融市場を含む「日本の市場開放」が優先課題になり現在に至っています。

 事実、クリントン政権の2期目にはゴールドマンサックスCEOから転じたルービン財務長官のもとで、「ドルの信認回復と米国への投資拡大」を重視する政策にはっきりと転換し、1998年8月に147円まで進んだ「円安」にも「不満」は一切出て来ませんでした。

 米国政府の日本政府に対する優先課題は、2000年代に入るとさらに変化します。

 日本政府(正確には外国為替資金特別会計)は、2003年1月~2004年3月の間に35兆円もの巨額(ドル買)介入をしたのですが、これは明らかに同時多発テロ後の経済不振と金融システムの不安を側面支援するために米国政府の「強い意向」を受けたものです。

 つまり、為替介入で買い入れたドルはFRBに預けられ、FRBへの貸付(つまり米国の金融システムの信用補強)と米国国債の購入に充てられます。つまり「日本政府のもの」と名前は書いてあるのですが、実際は米国政府が勝手に(いいように)使っているのです。

 これは確かに基軸通貨国の「特権」であり、これも本誌が「円の国際化(基軸通貨化)」を主張する理由の1つなのですが、現実はFRBに預けたドルとか購入した米国国債を「日本が勝手に売る」ためには、今でも米国政府の「許可」が必要なことは事実です。

 つまり「一生懸命お手伝いをしてお小遣いを貯めても、実際は親が預かったままでゲームソフトが欲しくても許してくれない子供」と同じなのです。

 いずれにしても現在の米国政府は「ドル買い介入」に反対どころか、実際には日本政府に「ドルをどんどん買ってもらい、それをFRBへの貸し付けや米国国債の購入に充て続けてもらうこと」が最優先課題のはずです。

 本誌が主張する「戦略的外貨取得」とは、この状況を打開してイニシアティブをとるところまで考えているのですが、週末に「明らかに優先順位がおかしい人民元の国際化」が突然出てきたりしていますので、この解説も含めて次回に続きます。

闇株にご賛同頂ける方は下のバナーをクリックをして頂けると助かります。
現在は「株ランキング2位」です。

Ads by Google

コメントをする⇒
| Comment:1 | TrackBack:0
関連記事
コメント
>優先順位がおかしい人民元の国際化が突然出てきた

これって6月から開始される施行人民元/円の直接取引のことでしょうか?昨年末の野田総理と温家宝首相の会談で既に決まったことで、「突然」出てきたわけではありません。中国とのFTAが締結されれば円建てでの決済も増えるでしょうし、円の国際的地位の向上につながるのではないでしょうか。
コメントの投稿
闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム
Ads by google
Ads by Google
最新記事
最新コメント
全記事表示リンク
フェイスブック
カテゴリ
カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

07月 | 2017年08月 | 09月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ブログ内検索
Loading
お問い合わせ

※ページが見れない・表示されないという方はお手数ですが、原因究明のためお使いのOSとブラウザを記述の上お問い合わせ頂けますようお願い致します。

名前:
メール:
件名:
本文:

闇株新聞プレミアム

各種メディアに掲載されている闇株新聞の裏・・・

闇株新聞プレミアム