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幻に終わった指揮権発動

2012年06月07日

幻に終わった指揮権発動

 今週月曜日(6月4日)に内閣改造が行われて5名の大臣が入れ替ったのですが、退任する小川法務大臣が5月に指揮権発動を野田首相に相談していたことを退任記者会見で明らかにしました。

 小沢一郎氏を強制起訴した検察審査会への調査報告書の内容に虚偽が含まれていた件で、検察当局がこの査報告書を作成した東京地検特捜部検事(当時)を不起訴処分にする方針を固めたことに対して、「当該検事を起訴するように、あるいはもっと厳格に捜査するように」という指揮権発動であったと推測されます。

 そもそも、各行政機関(省庁)の最高責任者は(機能しているかどうかは別問題として)大臣です。しかし法務大臣だけは行政機関の長として検察官を一般的に指揮できるのですが、個別の事件の取り調べや処分については検事総長のみを指揮できる(指揮権の発動)と規定されています。

 つまり法務大臣の指揮権限は、個別の事件に対して「大きく制限されている」のですが、その唯一認められた「指揮権」も、たった1度だけ発動された1954年の「造船疑獄事件」以来、実質的に「封印」されたままになっているのです。

 その唯一の「指揮権発動」とは、国会で重要法案の審議中を理由に犬養健法務大臣が佐藤藤佐(さとうとうすけ)検事総長に対し、自由党の佐藤栄作幹事長(後の首相)の逮捕許諾請求を見送るように文書で指示したものです(肩書はすべて当時)。

 たまたま今週発売の週刊ポストで連載されている「狂った牙」に、この辺の内幕が「やや控えめに」書かれているのですが、実際のところは「特捜部の生みの親」で、この造船疑獄捜査を直接指揮していた馬場義続・東京地検検事正による「壮大な自作自演」だったのです。

 その背景は、馬場検事正としては自ら作り上げた特捜部が大がかりに取り組んだものの、どうも「無理筋」であることが分かり始めたため「名誉ある撤退」をしたかったことと、自らの今後の出世のために政界・検察庁上層部双方に「貸し」を作りたかったことと(実際に検事総長まで出世します)、最も重要なことは「政界による検察介入」の批判が強く出ることを予想して(実際に指揮権を発動した犬養法務大臣は翌日辞任、吉田茂内閣も間もなく瓦解)その後の「指揮権発動」を実質的に封印してしまうことだったのです。

 まさに「深謀遠慮」の典型例なのですが、実際にその通りに「指揮権」は封印され、検察庁の捜査・公訴権は誰の干渉も受けないままに現在に至っているのです。

 そこで小川・元法務大臣の考えた「指揮権発動」に話を戻します。

 「指揮権」については、特定の事件の捜査を止めるように指揮するものと考えられるのですが、今回のように特定の事件を捜査するように指揮することも含まれるとは推測されます。

 だとすると三木首相の「ロッキード事件」とか、指揮権により逮捕を免れた本人である佐藤首相のいわゆる「沖縄密約事件」とか、小泉首相のいわゆる「鈴木宗雄事件」「村上正邦事件」なども広義の指揮権発動と言えるので、今後も同様の動きに「法的な根拠と正当性」を与えてしまうことになります。

 もちろん、今回の検察審査会へ虚偽の含まれた調査報告書を作成した検事や、わざわざ赤ペンで強調させた当時の特捜部長などを擁護する必要は全くないのですが、かといって「特定の事件を捜査するように指揮する」前例は、いろんな意味で作らない方が良いと思うのです。

 小川氏は「検察内部の案件について検察が消極的な場合、積極的ならしめるのが法務大臣の本来の姿で、(報告書問題)は指揮権を発動する典型的なケース」とも言っているのですが、これは指揮権と本来の法務大臣の権限である行政処分を混同しています。

 まあ結局、法務大臣在任時にも過去の「違法報酬問題」などを指摘されていた小川氏の「スタンドプレー」だったと言わざるを得ませんが、期待に反して退任となりました。

 どうせ「スタンドプレー」をするのだったら、勝手に検事総長に文書で指示して同時に辞表を出せば面白いことになっていたはずです。

 「思惑」はどうであれ、検察法14条にはっきりと書かれた法務大臣の権限の封印が解かれたことになるため、今後間違いなく検察庁に対する「プレッシャー」になります。またその瞬間に当の法務大臣が辞任しているため、その責任をどこにも問えないのです。

強いて言えば「内閣は行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う(憲法66条)」の「連帯して」のところに違反しているかもしれないのですが、その前に(辞任する前の)法務大臣の権限が優先するような気もします。

 何れにしてもそこまでの度胸もなく、しかも退任が決まってから未練たらたらで記者会見で暴露してしまうような法務大臣は、やっぱり数多くある野田首相の人選ミスだったようです。

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コメント
自由党の佐藤栄作検事長→幹事長
ご指摘ありがとうございます。
修正いたしました。
失礼します
慶應義塾大学講師竹田恒泰先生[トモ仁親王殿下の薨去に際して]ねずさんのブログより
http://nezu621.blog7.fc2.com/?mode=m&no=1537&photo=true&cr=72d02a6d51cfe9f75998231fb08ae89b

軍事百科事典[間接侵略]言語・思想・歴史
http://www.google.co.jp/gwt/x?q=%E9%96%93%E6%8E%A5%E4%BE%B5%E7%95%A5+%E8%A8%80%E8%AA%9E&ei=CXTQT6jsHcfOkAXOWQ&ved=0CAcQFjAA&output=xhtml1_0&hl=ja&source=m&rd=1&u=http://www003.upp.so-net.ne.jp/Zbv/sub31.htm
孔子学院
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%94%E5%AD%90%E5%AD%A6%E9%99%A2?useFormat=mobile
孔子は古代支那の偉人であり中国人ではない[中国という国はない]より
http://m.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&rl=yes&v=QzKv24sOr50

孔子はこう説いています。「国を法と刑罰で治めれば人は法の抜け道を探し、その恥を知る事はない。しかし、徳をもって指導し礼によって治めれば、人は恥を知り正しい道をふみ行うであろう」。
日本は天皇の徳と武士道による礼、忠心を世界で唯一体現してきた国です。


昨今、生活保護の不正受給問題に見受けられるように、明らかに日本人の誇るべき道徳心が破壊されつつあります。

日本を守りましょう
http://m.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&v=lsOFxj9To-o
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