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スペインに支援決定の影響

2012年06月11日

スペインに支援決定の影響

 週末の6月9日(日本時間10日)にユーロ圏17カ国の財務相が緊急電話会議を開き、欧州連合(EU)が資本不足に陥っているスペインの銀行に最大1000億ユーロ(10兆円)の支援を行うことを決定しました。

 これでギリシャ、アイルランド、ポルトガルに続きユーロ圏4カ国目の支援となります。

 スペイン経済の最大の問題は銀行の不良債権で、支援を受ければ緊縮財政を強いられることを嫌うスペイン政府と、スペインの銀行が破たんすれば欧州金融市場全体に巨額損失が出ることを恐れるドイツ政府などとの間で、ギリギリのタイミングで探り出した合意案のようです。

 具体的にはEFSF(欧州金融安定基金)に残った資金を使うのですが、スペイン政府を通じて支援するのか、スペインの銀行に直接資本注入をするのか(そうするとスペイン国営ではなくEU営?となってしまいます)など具体案でまだまだ難航する可能性はあります。

 今秋の大統領選挙を控えて米国経済への悪影響を心配する米国政府や、前日の8日に「スペインの銀行は少なくとも400億ユーロの資本増強が必要」と盛んに介入しようとするIMF(日本では同じ立場と思われているようですが、IMFとEUの関係は微妙です)などの「外野の雑音」をかわして、EU内で最善と思われる合意をしたと言えます。

 先週の理事会で追加金融緩和を見送っていたECBも、もっと良いタイミングで資金供給などが出来ることになります。つまり「無駄撃ち」が避けられたのです。

 いずれにしてもユーロ圏は17カ国の「寄せ集め」であるにも関わらず、いざとなれば結束して危機に対応出来ることが改めて確認できたことが、金融市場にとって最大の安心材料となるはずです。

 米国政府も追加量的緩和などの「側面支援」をする可能性がありますが、これで金融市場が落ち着けば(特に株式市場が改善すれば)またもや「口先」だけで「無駄撃ち」を避けると思われます。

 いずれにしても週明けの世界の金融市場が落ち着きを取り戻し、特に株式市場が上昇することは間違いなく、日本の株式市場もそれなりの恩恵を受けるはずです。

 しかし現時点で日本政府が全力で取り組んでいるのは消費増税で、それぞれの危機回避や経済回復に機動的に動くユーロ圏や米国政府と比べて、いかにも見劣りします。

 やはりよく考えると6月5日のG7財務相・中央銀行総裁の緊急電話会議で少なくとも「方向性」は出ていたと思います。そこで安住財務大臣と白川日銀総裁が「何を話し、何を言われ、何を約束したのか」が気になります。

 今週の14~15日には日本銀行の政策決定会合があります。しかし唯一考えられる「資産買入れ等の基金」の増額も、最近は明らかに「機能」しなくなってきています。

 最善の方法は「消費増税の凍結」なのですが、間違ってもありません。

 つまり、週明けの日本の株式市場は「EUのスペイン銀行支援」のおかげで確かに上昇し、少なくともユーロに対しては円安になります。

 しかし肝心の日本政府が消費増税一辺倒では、すぐに効果が剥げ落ちてしまいます。

 その消費増税法案ですが、21日の今国会末までには、長老主導の自民党と公明党の賛成で、小沢グループが反対しても「成立」してしまいます。

 老い先短い自民党長老としては、ここで反対して総選挙にして仮に政権を取ったとしても、いずれ自らの手で増税を議論しなければならず、そんな悠長な時間は無いからです。

 最終的には、自民党も公明党も「メンツを維持するためだけのどうでもよい修正」を織り込んで「成立」となります。
 
 そこで本来はセットであったはずの社会保障の改善や、公務員のリストラや、国会議員の定数削減や、特別会計の埋蔵金利用などは「とっくに消滅」しているのです。

 またしても「官僚組織の大勝利」なのです。


「お知らせ」

 6月11日午後に発信予定の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」のメインテーマを変更しました。

 週末の増資インサイダー報道を受けて、際立つ野村証券首脳陣の対応の稚拙さについて書きます。

 題名は「自壊する野村証券」です。

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コメント
財政危機といわれるものを長期マネーというものの見方で、
考えてみました。

少額の [預貯金]が取り崩されて、需要が開放された場合には、その時
の通常の供給余力で吸収できるとしても、一時に多額の[預貯金]が取り
崩されて需要が開放された場合には、通常の供給余力で吸収できない。
相対する供給能力は、事前に準備されている必要がある。
ところが、ある時点に、その時に確保できる生産供給システムである
人、物、サービスは、いわばなまものである。
マネーを貯蓄すると相対する生産供給システムも貯蓄できるのか。
と問えば、それは不可能なことだ。
現実的には、マネーが貯蓄から開放された時に、それが相対するのは、
その時(未来)に調達できる生産供給システムということになる。
この現実は重要である。

単に数値的な情報であるマネーは、その値を記録することにより
「預貯金」として容易に取り扱いが可能だが、これに相対する
生産供給システムを貯蔵することが、ほぼ不可能であることから
マネーを長期に預貯金するということについて、将来にわたる
その効力については何ら保証がないことを認識しなければならない。

では、最善の策はあるだろうか。
A.
[人]:たとえ生体を冷凍保存できるようになっても、人権的な問題がある。
[物]:技術的な進歩に従い貯蔵できる種類は増えてゆく可能性がある。
[サービス]:生体としての人に依存しない部分については、技術的な進歩
に従い貯蔵できる種類は増えてゆく可能性がある。
以上のように可能なものは、コストを勘案したうえで、貯蔵に努める。

B.
このような状況でマネーが貯蓄から開放された時には、貨幣経済は、
過剰な「マネー」による需要 > 供給は増産が間に合わない
従って、
[相対レート] である [物価]の上昇をまねくことになる。
結果として同額のマネーで調達できる商品の量の減少と質の低下と
なることが予想される。
このような弊害を緩和する方策は、、
マネーが貯蓄から開放される時に、相対する十分な生産供給システムを
保有している状況を用意しておくことである。

1.マネーによる預貯金をリスクに対応する目的明示の保証である
  有限期間のオプションへ転換するよう法令化する。
2.オプションの内容にともなう潜在需要に相対する生産供給能力の
育成をたえまなく行い、常に有効性の検証と最適化を重ねること
  で保証を維持する。保証を維持するコストである手数料を再計算
  して次の期間に適用する。
3.結果として明らかになる真実の認識。
  貨幣経済において、現在の需要の留保であるマネーの預貯金は、
  利息を得るものではなく、将来の需要に相対する生産供給能力の
  保証を維持することと、そのための手数料(コスト)の負担をかけ
  なければ、効力がない。
  このことが以前から真実であったが正しく認識されていなかった。

4.財政危機と云われるものへの適切な対処の考察。

  [始めに整理しておくべきこと]
債務国(ギリシャ)と、債権保有者(欧州の金融機関及び仏独英国等)を
例として事実の確認をすると、
欧州の金融機関及び仏独英の国から調達したマネーはギリシャにより
消費され、その債務がギリシャに残っている。
しかし
貨幣経済全体では、現時点でマネーと相対する供給がなされた状態に
あり需給は正常に循環しバランスした過去である。
ここで本来のマネー所有者(債権者)によらず、別人のギリシャ(債務者)
において供給と消費がなされた。このことが問題となっている。
マネーの本来の所有者(「債権者」)にギリシャが返済するマネーを
調達できることが、従来の危機回避の処方であったが、先の考察で
それでは、そもそも効力がない処方であることがわかる。
たとえギリシャが財政赤字をつくっていても、いなくてもここで用い
られたマネーが長期に属するものであったなら、将来において効力の
保証がないものだったのだから大差ないのである。

[事実認識]
財政赤字とそれを要因とする財政危機がいわれている。
そして、その処方として当然のように増税と緊縮財政
の施策をとるべきとの論がでてくる。
しかし、その施策は、経済成長ではなく不況へと導く。
総生産もマイナスとなるだけであり、愚策で人災となる。

蓄積されたマネーが誰によってであろうが開放されて、その時
の生産供給に相対し既に循環し効力を発揮した。そのマネーがギリシャ
の財政赤字の残高として積みあがろうが、それを融資したEUの金融機関
や 独仏国の債権として積みあがろうが、元々が、長期預貯金として将来
の効力が保証されないマネーであったのだから、長期的には事実上は何の
影響もあたえられることはない。事実上の無効なマネーである。


[処方箋:債務減免と債権共に償却し預貯金をオプションに転換する]
そもそも過去に行われたマネーの長期預貯金は、その効力の保証
がなかった。

1.ギリシャの債務を同国の向こう3年の経済成長で償却できる程度の額まで減免する。
これは最低限のペナルティーである。
2.その債権者へはその額面に相当する額で債権者の属するそれぞれの国がその
通貨を発行して、無償交付し同時に債権を回収。ただちに債権を消滅させる。
  その交付の際には、長期預貯金の取り扱いの終了と、それに代わるオプション
の法を成立させて、貨幣経済に無保証の長期マネーが関与することを排除する。

3.かくしてその後の全世界の貨幣経済における長期マネーはオプションとなる。

各国に属する債権の償却をそれぞれが痛みわけで通貨を供給することにより、
実施する。

一日でも早く貨幣経済にマネーによる預貯金をリスクに対応
する目的明示の保証である有限期間のオプションへ転換する施策を
   とるべきである。
これが現実的な最善の処方となるのではないでしょうか。
捨て人氏のオリジナルな力作に対して
コメントに困る。けんかするつもりはないですし。素人さんだとばかにするつもりもないですし。漏れ的には嫌がられようが大いに投稿し、大いに他人の意見を聞いてみて下さいと。
過剰流動性、銀行の信用創造と機能不全、バランスシート不況、ギリシャスペイン危機を問題視して書いたのかと好意的に解釈しました。
詰めが甘いようです。経済用語を使って書いて下さい。また、経済界に身を置く者には理解しやすくなります。例えば、過剰流動性にしても投機資金の問題に限定するか、金融システム全体の問題とするか。当局は後者です。アメリカ当局は投機資金でさえ救済してきました。
国際経済関係では、特に国益重視ですから、誰が得して誰が損するのか分かることが必要です。ドイツの立場は、ギリシャが得することはあってはならないということです。
長期と短期の問題は、製品サイクルが短期化し長期雇用保証は超ハイリスクだと事業会社は認識しています。事業会社が背負えないリスクは倒産という形で長期資金の出し手である銀行に降ってきます。捨て人氏は貨幣経済の性質であり解決不能なものだとしているようです。ケインズは貨幣利子率は下げ止まり、過剰流動性が発生するので、政府が国債発行し財政出動し、過剰流動性を吸収するべきだとしました。ケインズの時代の失業は非自発的であって、社会的に労働力が有効に活用されず、労働力が一種浪費されているようなものだと考えたからです。
中原信者につぐさん、
内容を読み取っていただいたうえ、丁寧なコメントに感謝いたします。
「詰めが甘い」とのご指摘も用語の不備もご指摘の通りと思います。
知識のがないのに書かせていただいたのは、
現下の財政問題についてメディアに流れている論調から、各国の
統治者が本気で危機を未然とする意思を持ち合わせていないと
読み取れることにとが我慢ならない気持ちからです。
問題はもっと以前から認識されていたはずです。
各国の都合でそしらぬ顔で、利する部分は享受してきたのに、いざ
不都合が眼前に迫ると責任回避と逃げ腰姿勢を見せる。
そこには統治者として自国だけではなく関連国の生活者としての
国民を自分たちの責務として無用な苦難から守ろうという覚悟も
強固な使命感も感じられないのです。
それが本気で示されれば、世界的天変地異でも、戦争でもない
この状況は、それらのような脅威と比べれば、対処を適時適切
に実行することで、例えば、数万人を収容したコンサートの
最中に「家事だ!」と誰かが叫んだのをきっかけに我先にと群集
が出口に殺到し、将棋倒しで圧死するということに似た人災を
未然に防止できるはずです。
まさに覚悟と使命感をもちあわせない統治者こそ人災を引き起こす
原因とも思うのです。
その後、通貨について文献を読み、得られた概念は、
先に私が使っていたオプションとは一致はしないが、
補完的な役割を担っているのが金融機関による信用
創造だと思います。
この資金が経済を循環することにより、経済成長を
支える設備投資、インフラの整備、人材の育成など
へと有効に活用されるなら、有効だと思います。
ただし、オプションのように、目的にジャストフィ
ットしているわけではないので、預金を引出した時
に、必要なものが期待した条件で市場で調達できな
いというリスク(需給のミスマッチの状況)が懸念さ
れます。

[貨幣経済のリスク要因について]
1.貨幣発行が発行権者が通貨発行益を得る目的で行われ可能性。
これは間違いなく、国家が国民のために行うのであれば有効
ですが、もしも特定の者が私欲で行うようなことがあるなら
アンフェアーの極みであり、貨幣経済に巣食う寄生そのもの
と言える。
2.信用創造が不良債権化する可能性。
信用創造された資金の用途について将来の生産供給システム
の整備と育成への貢献がミスマッチとならぬよう、常に検証
し資金の用途を適切に導き修正することが金融機関の社会的
使命でありモラルをもって業務が遂行される必要がある。

-------------------------
常に上記1に該当する懸念がつきまとうのは、基軸通貨発行を行う
権限を有した機関ということになるが、ひろく国家(ある意味世界)
国民のためであると正当化されることを否定するだけの材料を持た
ない。

上記2について生産供給システムの整備と育成への貢献としては、
どこまいっても結びつかない投機マネーへの資金供給とならない
よう監視し、厳重に規制されなばならない。

今のところは、ここまでの理解です。
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