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ギリシャ再選挙に単純に(?)反応した東京市場

2012年06月19日

ギリシャ再選挙に単純に(?)反応した東京市場

 本日(6月18日)の朝には、ギリシャ再選挙が緊縮財政派の勝利に終わりそうなニュースが入っていたため、日経平均は朝から上昇し結局151円高の8721円で終わりました。

 先週末のNY株式が、追加金融緩和への期待から115ドル高の12767ドルとなっていたことも雰囲気を明るくしました。

 為替市場もユーロが朝方、先週末から1円以上も円安の100.80円近くまで上昇していました。

 つまり「ギリシャのユーロ離脱回避」「ユーロ高・円安」「安心した株高」と、とりあえず常識的に(単純に?)反応したわけですが、もうちょっと深く考えてみましょう。

 まずギリシャの再選挙結果ですが、ギリシャ国民もさすがにこのタイミングで緊縮財政反対との意思表示をして新たな混乱を内外に起こしてしまうことを「とりあえず回避」しました。つまり「(緊縮財政に)NOと言ったら混乱が大きくなるので、とりあえずYESと言って様子を見るしかないね」という程度なのです。

 仮に選挙結果が逆になっていても本当に困るのはユーロ圏首脳でギリシャ国民ではないのです。実際にギリシャをユーロから離脱させると(実際は制度的に不可能なのですが)大損するのはギリシャ向け債権を大量に抱えているユーロ諸国だからです。

 大体こういう時は債務者の方が強いもので、ギリシャに「もうユーロから出て行く。債権はドラクマで返すから」と言われないように、ユーロ圏に留めて影響力を残しておかなければならないのです。

 次は、それでは実際に財政緊縮が粛々と進むのかというと「全く別問題」です。大体2011年の財政赤字がGDP比9%もあったギリシャが、2014年までに3%以下にすることなど出来るはずがなく、仮に強行したら税収が激減してもっと財政赤字になってしまうのです。

 ユーロ当局も、そうは言っても資金支援をするために大義名分として緊縮財政政策を押し付ける必要があるだけで、本当に削減できるなんて思っていないはずです。しかも「本当にギリシャにユーロから出て行かれたら、資金支援を今後も続けるよりもっともっと負担が大きくなる」ことも本音では分かっているのです。

 つまり「ギリシャ再選挙で緊縮財政派の勝利」「本当にギリシャの財政問題が解決」「ユーロが安定してユーロ高(円安)・世界の株高」「日本の株高」と考えるのは「全くおめでたい」のです。

 ユーロ圏が採れる方策は「ユーロ安によるユーロ圏全体の景気刺激」しかなく、市場に積み上がった「大量のユーロショート」がある程度解消すれば再びユーロ安(円高)に向かいます。ユーロ圏の株価は上昇するかもしれませんが、日本株にとっては厳しい状況となります。

 日本の株式市場は、これに加えて先週末にとうとう実質合意してしまった「消費増税」の悪影響も考慮しておかなければなりません。悪影響の「度合い」は想像がつきませんが、前回(1997年)の経験から「壊滅的悪影響」となるかもしれません。

 本日の東京市場で、この「消費増税」への反応を読み取ることは難しいのですが、今後「消費増税の合意」「財政の健全化を期待した外人買」「財政の健全化による日本経済の持続的な成長」「長期的な日本の株高」と本気で考えているのは「政府の意向を受けた御用エコノミスト」「同じく大手マスコミ」「本当におめでたい人」だけです。

 あとG20(18~19日)、米国FOMC(19~20日)といったイベントが残っています。

 G20は、「国際公約だった(?)消費増税」に目途がついたと野田首相と安住財務大臣が意気揚々とメキシコに乗り込むのでしょうが、だいたい20ケ国も集まって「真剣な会議」が出来るはずがなく、単なるセレモニーです。

 米国FOMCは、とりあえず6月までの「短期国債売却・長期国債買入れ」をどうするかです。10年国債の利回り1.5%台まで低下して、逆に2年国債が0.28%まで上昇しているため、続ける意味があまりなくなっているような気がします。

 ただ、もし打ち切りとなれば米国2年国債の利回りが低下するため、これは新たな「円高」要因となります。

 東京市場は単純に(ギリシャ再選挙を含む)海外要因で「円安」「株高」が進むことはありません。そこへ「消費増税による景気への悪影響」が加わってくるのです。

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コメント
ギリシャ選挙結果から、当面、ギリシャがユーロからの離脱は回避されての株式市場の反応ですから!

それは、それとしまして、いいんじゃないですか!

また、消費税率引き上げに関して与野党で合意した点は、外人投資家は歓迎かと!ただし、そうしたからと、GDPに占める割合の日本の借金割合が改善されるわけでもなく、付け焼刃的ですけど。

第一、消費税率10%は、一時的なことであり、将来、税率引き上げられるのは明白。

米国は、長期債を購入し、短期債処分するツイスト・オペは継続かと推察します。米国不動産市場が、まだ、上向いているとは言えませんから。それは、差し押さえられている物件が滞留して証左でもあります。

まだ不良資産を買い取る資金が必要でしょうから、その資金としての長期債発行は持続するでしょうから・・・
話題からそれますが、政府売出しJT株の幹事証券が決まりましたね。国内は野村・SMBC日興が(インサイダー問題が原因で?)外れ、主幹事として大和が選ばれました(国外ではやはりインサイダー問題で問題視されているのにJPモルガンが幹事に選ばれています)。
やはり、お上としては①野村を銀行傘下に、②行く手真っ暗の大和にも今回貸しを作ったことで再編への足掛かりにといった考えなのでしょうか。とりあえず、大和は他証券がバタバタしているうちにお零れを全力で取りにいくのでしょうね。
>>トンビ氏

>外人投資家は歓迎かと!

「政府の意向を受けた大手マスコミ」はそう報じるでしょうね。理論的には悪材料でしかないんですけど。

>GDPに占める割合の日本の借金割合が改善されるわけでもなく

政府債務のGDP比と財政破綻はあんまり相関しないんですけどね。「政府の意向を受けた御用エコノミスト」に毒されてませんか?

そんなことだと「本当におめでたい人」になっちゃいますよ。

浜さんの1$=50円はどう思いますか?1$=360円時代も有ったから無いとは言えないと言う人も居ますが…。形而上的には有り得ると思いますが…。

消費税が増税されると、増税前の駆け込み需要が発生して、住宅、機械、自動車、家電など、ありとあらゆる物が売れて、一時的にですが景気が良くなって株価が上がることも考えられませんか?

また、消費税が増税されれば、家計が苦しくなるので働く女性が増えて、結果的に世帯収入が増えて税収も増えるらしいです(笑)

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