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JT株の売り出しから早くも締め出された野村証券

2012年06月21日

JT株の売り出しから早くも締め出された野村証券

 コメントも頂いているのですが、6月18日に財務省が「政府保有日本たばこ産業株式会社(JT)株式の第4次売り出しに係る主幹事証券会社選定手続きの結果について」で、国内区分として大和証券とみずほ証券、海外区分としてゴールドマン・サックス証券とJPモルガン証券に決定したと発表しました。

 このうち大和証券とゴールドマン・サックス証券は一段重要なグローバルコーディネーターに指定されています。

 実際はこの4社に加えて数社の証券会社が販売団に加わります。また売り出しの時期や株数については(国内と海外の売り出し比率も含めて)現在のところ未定とされています。

 さて、野村証券の名前がありません。

 最近証券取引等監視委員会が、2010年に巨額公募増資を行った4銘柄で増資公表前にインサイダー取引を行ったとして、それぞれ1社ずつの投資家に課徴金納付を勧告しました。「日本の株式市場の信用を損ねる重大な事件」だと強調しています。

 そのうちの国際石油開発帝石、みずほフィナンシャルグループ、東京電力の主幹事を野村証券が務め、さらに増資公表以前にインサイダー情報を提供していたとされており、今回のJT株の売り出しの主幹事選定に「影響」したようです。

 同時期に巨額公募増資を行った日本板硝子は、増資公表以前にインサイダー情報を提供していたのがJPモルガン証券だと「特定」されているのですが、こちらの方は無事に主幹事(海外区分)に選ばれています。

 増資インサイダーの方は、これ以外にやはり同時期の三井住友フィナンシャルグループの巨額公募増資で、社内の営業担当役員が増資公表以前にインサイダー情報を営業店に知らせたとして日興証券SMBCにも、野村証券と同じように「行政処分」が勧告されるはずです。

 現行の法律ではインサイダー情報を提供した方は処罰の対象ではないので、とりあえず何らかの「行政処分」となるようです。

 さて「増資インサイダー事件」の根本的な問題とは、本当の問題の温床である海外市場(外資系証券会社による海外発行分)の大がかりな(インサイダー取引を含む)不公正取引に意識的に目をつぶり、国内発行の中でも「わざわざ小さいものだけを摘発」していることです。明らかな「問題のすり替え」があるのです。

 上記5銘柄の海外発行分の主幹事を務めた外資系証券とは、国際石油開発帝石がGoldman Sacks、みずほフィナンシャルグループがJP Morgan Securities、日本板硝子もJP Morgan Securities(国内発行分にもJP モルガン証券が入っていてインサイダー情報を提供した)、三井住友フィナンシャルグループがGoldman Sacksとなっており、東京電力だけは国内・海外の証券会社区分がなく野村証券が主幹事でした。

 つまり東京電力を除く4銘柄は、発行株数の半分もしくは半分以上(日本板硝子)もある海外発行分を引き受ける外資系証券が(といってもGoldman SacksとJP Morganだけなのですが)、海外発行分のみ認められている事前需要調査の名目でのインサイダー情報と貸株をセットで海外投資家(主にヘッジファンドです)に提供することにより、極めて短期間で巨額の引受手数料を受け取っている事実が全く問題視されていないのです。

 そして今回のJT株売り出しの主幹事証券(海外区分)にも、Goldman SacksとJP Morgan(財務省の発表では日本語表記)がしっかりと選ばれて、インサイダー情報はともかくとしても貸株の提供によるごく短期間の値鞘稼ぎ(つまり売り出し以前も、売り出し時も、売り出し後も、一瞬たりともJTの株主ではない投資家への販売)で巨額の手数料を「提供」するのです。

 一連の増資インサイダーに関して「行政処分」を受けそうな三井住友グループ傘下の日興証券SMBCは、さすがに今回のJT売り出しの主幹事(国内区分)には漏れましたが、明らかに株式引き受けの実績で見劣りする「みずほ証券」はしっかり主幹事に選ばれています。

 証券当局(金融庁と証券取引等監視委員会)にとって、銀行(銀行系証券会社)は「身内」、外資系証券会社は「聖域」なのです。

 ただ今回の一連の増資インサイダー事件では、これらの根本的な問題に加えて「野村証券(正確には野村ホールディングス)首脳陣」のあまりにも稚拙で自分のことしか考えない対応が問題を大きくしたことも否めません。

 有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」の6月11日号のメインテーマ「自壊する野村証券」で、この辺の事情をかなり突っ込んで書いてあります。

 そこで「今後の大型増資(JTは売り出しですが同じことです)ビジネスから野村証券は締め出される」とはっきりと予告してあります。

 政府売り出しではない一般上場企業の増資ビジネスは本来無関係のはずなのですが、そこはJTの売り出しで政府(当局)に「無言の前例」を見せられてしまったので、やはり「後に続かざるを得ない」のです。

 「闇株新聞 プレミアム」は、お申込み頂ければ今月分をすべてお送りいたしますので(課金は来月分からです)、ぜひお申込み頂いて「自壊する野村証券」だけでも読んでみて下さい。


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外人さんから見ましたら日本の株式市場が魅力ある市場かと言えば、東京市場と大阪市場都が経営統合するように、世界の市場で戦え得なくなる可能性もあり、外人さんにそっぽを向かれたら、窮地に追い込まれますから、外資証券には、甘い構造となっているのかと!

東証一部の年間売買代金に占める外人投資家の割合:外人売買金額÷<自己金額合計+委託金額合計>×100%
2004年  35.4%
   5年  35.3%
   6年  41.8%
   7年  46.0%
   8年  47.1%
   9年  39.3%
  10年 47.9%
  11年  54.5%

225先物及びミニ、TOPIX先物金額も加えましたら、外人投資家からそっぽをむかれましたら市場としての機能は、どうなんですかね?

でありますから、アーバン・コーポレーションのスワップ契約問題でも、BNPパリバには、甘い行政処分だけで幕引きでした。
貸株市場<主に法人が証券会社から調達する借株>のことですけど、制度信用取引の信用空売り残高は、証券取引所が原則としまして週に一度公表し「ガラス張り」ですけど、法人が貸株市場から調達吸えう借株は、不透明!

ですから、東証担当者から、信じ難い文言が飛び出しました。

個人投資家は、貸株に関しては、法人と同じ土俵じゃありません。この他に、相対取り引きでの株券貸借<消費貸借>契約による貸株もあり、この分は、貸株市場からの調達じゃありませんから、やはり、個人には不利な状況<特に、非貸借銘柄でこの借株を利用されたらですね>。


数年以上前になりますが、東証の担当者と電話で貸し株市場としての証券会社から調達する借り株の空売りにの案件で、やり合った経験があります。

信用取引の空売り残高は、原則として週に一度公表されて「ガラス張り」であるのに、借株利用の空売り残高を信用取引の売り残のように発表をしないのかと迫まりました。

担当者は、現渡し決済されたら、分からなと言いました!私は、間髪をあけずに現渡し決済された場合、証券会社から証券取引所へ現渡し決済の報告義務を課せばいいじゃないですかと言いますと、担当者は「沈黙」し、やがて、担当者は証券会社が営業努力して大株主等から株券を調達した努力を認めてはと、また、信じ難い文言で、そんなに透明にしてどうするんですかとね!この文言には驚きでした!法人御用達の借り株による空売りは、「不透明」でいいじゃないですかと言っているも同然ですね!

証券会社から証券取引所への売買注文をするには、取引態様明示が必要でが、確かに、有価証券の空売りに関する内閣府令規定にある空売りには、取引態様明示義務が不要ですから、証券取引所だけじゃ、この問題は解決はしません。

ですけど、借株による個別銘柄毎の空売り残高は、関係する法を改正すれば、信用取引の売り残高の如く、取引所からの発表はできますけど、ただ、しないだけかと思いますね!

ようするに、証券会社有利に法が、取引所を含めて関係官庁も証券会社業界寄りにしているのかと思いますけどね!
機関投資家への事前ヒアリングは、発行額を決めるうえで、やむをえない行為。なぜなら増資をした場合に、捌けなければ証券会社が自己で持つしかないから。事前ヒアリングされれば、証券会社が言わなくても機関投資家は増資の可能性を知ることは火を見るより明らか。ただしどのくらい自分が調達できるかはわからないが調達企業名で大体増資規模は見当がつく。この中で営業行為かインサイダーかラインを引くのは困難。従って管理人の言うとおり、お上の意向での判断しかない。それが善意か悪意かわからないけど、お上が出すぎると長期的にはマーケットはシュリンクするでしょう。所詮、鉄火場なんだからきれいな水には魚も住まないし、お上の気まぐれと権威主義が主導では、証券系参加者もどーすりゃいいの?って感じでは。銀行系への情報到達は証券系の半年前と考えれば、なるほどの動きも見えてくる。埋め合わせが好きな官僚の、風が吹けば桶屋が儲かる的に考えれば、AIJの埋め合わせが野村ってことかな?
元外資系日本オフィスのECMで働いていたものです。いつも興味深く読ませてもらっています。今回、一点、違和感があった点を指摘させてください。

「海外発行分のみ認められている事前需要調査の名目でのインサイダー情報と貸株をセットで」とありますが、国内の募集が伴う場合は、海外発行分についても事前需要調査(いわゆるpre hearingですよね?)は、日本証券業協会の規則で付加となっています。pre hearingが可能なのは「海外募集のみ」の公募案件です。

なので、「インサイダー情報と貸株をセットで」というインサイダーの技は、海外引受会社のみが法の目をくぐってできることではなく、誰がやっても違法行為である、ということです・・・・・
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