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全日空の「やっかいな」増資発表

2012年07月05日

全日空の「やっかいな」増資発表

 昨日書いたバークレイズ銀行のLibor不正操作事件は、会長とCEOの辞任に続いて就任したばかりのジェリー・デルミエシCOOも辞任してしまい、いろいろ書き足したいことがあるのですがちょっと中断して本日はこの話題です。

 昨日(7月3日)昼のNHKニュースで、全日空が2000億円規模の増資を検討していることが報道されました。会社発表を伝えたのではなくNHKの取材によるニュースです。

 また同日の日経新聞夕刊の一面トップにも同様の記事が出ています。記事の締め切り時間からしてNHKと同じようなタイミングで書かれたはずです。

 それを受けて同日午後1時20分ころ、全日空が「本日の一部報道について」として「現時点では決定した事実はありません。開示すべき事実が決定した場合は、速やかに公表します」とのIRを出しました。

 そして同日の午後4時に「新株式発行並びに株式売り出しについてのお知らせ」のIRが出ました。この2時間半ほどの間に「大急ぎで決定した」らしいです。

 発表された内容は9億1400万株の株式発行で、そのうち6億1400万株が国内分、3億株が海外分となっています。これとは別に8600万株のオーバーアロットメントによる売り出しとカバーのための第三者割当増資があるため、最大で10億株の新株発行となります。

 国内発行分の共同主幹事は野村証券・ゴールドマンサックス証券・JPモルガン証券、海外発行分はGoldman Sacks International・JP Morgan Securities Ltd・Nomura International plc・Deutsche Bank AG、オーバーアロットメントとカバーのための第三者割当増資は野村証券に対してとなっています。

 現在の発行株数が25億2495万株ほどなので28.3%の希薄化となります。取締役会で決定できる新株発行の上限が25%までというルールがあるはずなのですが、気にしていないようです。それより、つい先日の株主総会では全く予告していない巨額増資の発表は、潰れる前のJALと全く同じです。

 全日空の株価(出来高)は、先週末の6月29日が226円(1595万株)、7月2日が224円(2404万株)と、普通1日の出来高が1000万株以下なので明らかに増えています。

そして7月3日は昼のNHKニュースで後場寄りから急落して193円(1億427万株)となり(増資IRは同日の午後4時)、本日(7月4日)は195円(7843万株)でした。

 最近当局が、ことのほか神経質になっている「増資インサイダー」の観点から問題点を整理すると以下のようになります。

 全日空のIRに数時間先行したNHKのニュースは、会社発表を報じているのではなく「NHKの取材による独自記事」です。慣習的には報道機関の取材による独自記事は「インサイダー情報」とは見なされません。従ってNHKニュースを見てから全日空株を売却(空売りを含む)してもインサイダー取引にはなりません(尤もニュース直後の後場寄りから急落しているのであまり意味はないのですが)。

 ただ本年1月に逮捕された経済産業省・元審議官のインサイダー取引でも、それ以前に報道機関の「独自記事」が多数出ていました。結局は当局(金融庁と証券取引等監視委員会)の「裁量」「認定」による判断となるため「狙われていた場合」は安全とは言えません。

 全日空が午後1時20分に出した「現時点で決定した事実はありません」とのIRは、「その時点で増資の機関決定(取締役会)を開いていなかった」ということで、確かに「その通り」なのでしょう。

 ただ増資の手続きは、財務局や東京証券取引所への事前相談は「最低2週間前」というルールがあり、「どの時点で増資が実質的に決定していたのか」が問題になれば、これも当局の「裁量」「認定」による判断となり「虚偽開示」になる可能性もあります。

 また全日空株の7月3日時点の「空売り」残高には、幹事に入っているNomura International plcやDeutsche Bank AGの名前もあります。「たまたま」の顧客注文とするのでしょうが疑わしいものもあるはずです。

 直観的に思うのは「せっかくのJAL再上場で公的保有分が高値で売却できると思っていたところにぶつけてきた」「それを主導したのが主幹事の野村証券である」などで当局のご機嫌を損ねてしまい、あとの主幹事は見事に「聖域」の外資系証券ばかりなので、野村証券だけがあらゆる「裁量」「認定」による判断で「クロ」とされてしまいそうな「やっかいな」増資発表であったことは間違いありません

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コメント
世界的にインサイダーを嫌気する空気になっているのに、
自重することもなくまたですか・・・。
最早インサイダーも日常的な業務となってしまい、何とも思ってないのでしょうね。

やはり日本も、もっとフェアなルールを定めて厳罰化すべきだと思います。
特に経済犯罪は罪が軽すぎる。
少しはアメリカを見習って欲しいとこです。
この2つのpdfのプロパティを開いて、
作成日を見ると……

まあこんなもんなんでしょうか?
>取締役会で決定できる新株発行の上限が25%までというルールがあるはずなのですが、気にしていないようです<


会社法で取締役会で発行できる新株数の制限はないと思います。勿論、発行可能可能株式数の制限は受けますけど。

25%規則は、第三者割当の新株発行、新株予約権付き転換社債等の発行をする場合、それ等の発行時点で、発行済株数の25%以上となる場合、株主総会、或いは、第三者委員会の承認を受ける必要があります。この規定は、上場規程の企業行動規範にあります。

この規定は、第三者割当手への規定ですから、公募増資は該当しません<ANAで、オーバーアロットメントによる売り出しに関して野村証券へ割り当てられる第三者割当増資には、企業行動規範が適用されますが、25%ルールには抵触しません。

公募増資に絡む、オーバーアロットメントによる売り出し株数の限度は、公募増資株数の15%が限度です。

ANAも増資で、
7月3日 12:07分NHKから、千数百億円~2000億円の大型増資を検討とするニュースがで、前引け・223円でしたが、後場、売り気配から、12:39:51 に194円で寄る。

前場出来高     4,355,000株<221~225円>
日通し出来高  104,278,000株<189~196円>

マツダの公募増資の時は、2012.2.21日 12:24分に株式新聞が、最大で1000億円規模の増資報道で、ANAの増資報道と昼休み時間を利用は同じ。


ANAの信用売り残ですが、
信用売り残高  
6月15日  9,746,000
  22日 10,119,000
  29日 12,103,000

以下のマツダの公募増資前の信用理残ほど急増はしていませんから、公募増資発表前の信用売り残には変化があると推測できます。


公募増資株等を取得目的の空売り禁止期間:23.7.3日から発行価格決定日まで。この前後なら、増資株取得目的の空売りは可能です。

※24.2月22日 7261<マツダ>から公募増資等の発表がありました。
募集株数 10億9975万株
発行価格決定日  24.3.5日  124円<払い込み価格118.88円>

2月22日~3月5日までは、公募増資株を取得する目的の空売り禁止期間<金融庁の規制>。
信用売り残の推移
2月03日    686万株
  10日   1263万株
  17日   1815万株
  24日   4690万株
3月02日   8387万株
  09日  15909万株
  16日   3378万株
  23日   2302万株

公募増資発表前の2月10日の信用売り残が、前の週から約倍に増加していますから、発表前に公募増資情報が漏れていた可能性ありかと。2月24日の増加は、21日の昼休みにマツダ公募増資のニュースがあり増加。3月9日分は、3月6日から公募株取得目的の空売り禁止規制は解除されますから、増加。16日の急減は、現渡し決済可能日経過から急減。

ANAの場合には、マツダの例のように信用売り残高の顕著な増加は見受けられませんから、幹事<野村>会社からの情報漏れはなかったのかと推測できます。



地雷か不運だと思うしかないのでしょうかね?
株主総会前から計画していた全日空のトップ達には呆れますね。どんなにおそくても1-2ヶ月前からの提案あるいは協議だったのでしょうね。野村証券も東電もやりましたね大幅増資。今問題になっている企業ばかりでトップには反省のはの字もありません。ちょっと危機的になるとリストラと増資。
団塊の世代前後がトップになるとモラルも何もありませんね。
大型公募増資は、既存株主<特に、個人株主>には、株式の希薄化により株価への影響があり、大口応募者目的の公募増資は、個人株主を無視した、発行会社<事業資金の調達>、買取引受証券会社<発行価格ー払い込み差額が手数料とな利益>、大口の応募証券会社等の法人<借株の調達で空売り・取得した株券で現渡し決済で利益>の「三位一体」構造!

発行会社・買取引受会社のご都合主義による大型公募増資ですから!

8897<タカラレーベン>が、過去、ライツイシュー・株主全員へ新株予約権を割り当て、96%の行使率で成功していますが、発行企業の事業資金が巨額となりますと、株主全員へ新株発行の割り当てをした場合、発行企業は、予定した事業資金に届かないことも発生し、また、事務手続きも煩雑にもなります。

個人既存株主の権利を害さないために、株主全員へ新株発行の権利を付与する線引きをどこにするかは難しい問題です。既存株主権利を阻害するものとはがです。

今回のANAの大型増資でも、株主全員へ新株割り当てをし、予定した事業資金の未達額を第三者割当増資としたり、公募増資としたりすれば、いいのかと思います。

個人株主無視の公募増資は、株式市場から個人投資家が離れていく要因にもなりえます。
野村が情報を漏らしていようがいまいが(事実は別に置いといて)、ANAの主幹事の件よって金融庁に付け込まれる機会を野村自身がわざわざ与えてしまったということですよね?
上場規程
企業行動規範

第三者割当に係る順守事項

第432条

上場会社は、第三者割当による募集株式等の割当てを行う場合(施行規則で定める議決権の比率が25%以上となる場合に限る。)又は当該割当て及び当該割当てに係る募集株式等の転換又は行使により支配株主が異動する見込みがある場合は、次の各号に掲げる手続のいずれかを行うものとする。ただし、当該割当ての緊急性が極めて高いものとして施行規則で定める場合はこの限りでない。

(1)    経営者から一定程度独立した者による当該割当ての必要性及び相当性に関する意見の入手

(2)    当該割当てに係る株主総会決議などによる株主の意思確認

   一部改正〔平成21年8月24日〕


公募増資には、上記432条は該当しません。
先日、この記事にコメントした者です。
私のコメントがいささか舌足らずなところがあったようなので、再び修正して書き込ませて頂きます。

野村がインサイダー情報を漏らしていようがいまいが(事実は別に置いといて)、ANAの主幹事の件によって金融庁に付け込まれる機会を、野村は自分自身に与えてしまったということになるのですよね?

7月6日ブルームバーグ記事ですが、ANAは、公募増資発表をした7月3日の前日<7月2日>出来高・約2403万株は、3カ月ぶりの高水準になったことに関して不自然と。

2日・TOPIXは0.1%安に対して、ANAは一時2.7%安となり終値で0.9%安。


との記事から7月2日空売り統計を見てみます。
1.Lansdowne     8,901,687<前日比ー275,952・0.35%>
2.ドイツ銀行AK  23,524,777<前日比+690,665・0.93%>
3.GSインター    7,522,363<新規登場・0.29%>
4.モルガン・インター20,576,000<+561,000・0.81%>
5.野村インター   13,703,894<+21,335・0.54%>

目立つのは、ゴールドマン・S/インターナショナル分で、同社は、公募増資での海外募集分の買取引受共同主幹事会社になっています。G・S/インターは、4月初旬頃から空売り届け出を要する0.25%以上の空売り株数は見受けられませんから、7月2日に突如、0.29%空売り株数は不自然であり、共同主幹事会社からかと推察はできます。
8304<あおぞら銀行>・・・昔の名前・日本債券信用銀行。

筆頭株主・米国サーベラス

24年10月3日に整理回収機構<預金保険機構から受託>が保有する第5回優先株式<公的資金>が、普通株式へ一斉転換になります。その公的資金は、約1552億円で、普通株式への転換価額は450円ですから、7月27日<金>終値186円から計算しますと、約911億円の損失となります。

筆頭株主・代表取締役が、外人さんでも、公的資金の注入を受け、預金保険機構へ上記日計算から911億円損失をさせることはしないかと見ます。

公募増資等の発行をし、その資金で優先株式を買い入れ、消却するんじゃないかと予想します。
9:17分 業種別で銀行業 前日比 +0.35%

8304<あおぞら銀行>
9:14分 前日比 +11.80% 出来高 519万株

サプライズとなる材料もなく、あおぞら銀行は、225採用銘柄。


発行済株式数:16億5014万株


何か、臭いますね・・・公募増資発表の前触れか???


マツダ、ANAの公募増資は、会社からの発表前に、ロイター、NHKから公募増資報道。
9107<川崎汽船>

2012.7月2日に公募増資及びオーバーアロットメントによる株式売り出しを発表。

発行価格及び売り出し価格:125円。

売り出し人は、みずほ証券であり、大株主・小手川隆氏から株券を調達したのかと、提出された有価証券報告書から思われます。

24.3.31日時点大株主名簿から、小手川氏は、2453万1000株所有。24.9月30日時点で、大株主から小手川氏は消えています。10位株主・1285万7000株。

また、川崎汽船は、7月26日にみずほ銀行へ割り当てた第三者割当増資<みずほが調達した売り出し株を返却する目的の割当増資>に対して、みずほは申し込みをしない発表をしたことからも、小手川氏がみずほへ返却不要とし、小手川氏は、この公募増資及び売り出し株を利用して売り抜けたのかと思います。


まあ~、小手川氏は、保有株を処分することに苦慮していたんでしょうが、上手く利用して売り抜け!
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