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昭和史最大の謎・近衛上奏文  その1

2012年07月17日

昭和史最大の謎・近衛上奏文  その1

 久々に「歴史もの」を書きます。三連休で、あまり旬の話題がないこともあるのですが、終戦記念日(8月15日)までに何回か「戦争」について書こうと思っていたからです。

 その理由は、当時の戦争に突き進んでいった状況と今日の混沌とした政治の状況が、少なくとも世界の情勢を正しく理解せずに矮小な動機で動いているという点では、全く同じだと思うからです。

 以前も書いたような気がするのですが、日本史には「嘘」がたくさんあります。「嘘」を信じ込まされているだけでなく、「大変重要な歴史的事実」が全く無視されていることも多いのです。

 だから日本史は「疑うことから」始まるのです。

 本日はその1つの近衛上奏文についてです。わずか67年前のことです。

 近衛文麿は五摂家(注)筆頭の近衛家の第30代当主で、1937年~1941年の間に3度首相の座に就き、在任中に大政翼賛会の設立、日独伊三国同盟の締結、日ソ中立条約の締結などを行ない、戦争の開始と深刻化に大きな責任があったと言えます。終戦直後の1945年12月に自殺しています。

(注)藤原不比等の次男・房前(ふささき)を祖とする藤原北家の流れを引く近衛・九条・二条・一条・鷹司の5家で、摂政・関白の座を独占していました(唯一の例外が豊臣秀吉)。

 その近衛文麿が、敗戦が濃厚となった1945年2月14日に昭和天皇に上奏したのが近衛上奏文です。近衛のみが昭和天皇に上奏したわけではなく、7名の首相経験者らが別々に昭和天皇に上奏しているのですが、この近衛の上奏文だけが「謎」とされているのです。「謎」というより、ほとんど真面目なものとして扱われていないのです。

 その内容を原文のまま引用しても理解しにくいので、現代文で抜粋だけを書きます。

 「敗戦はもはや避けられない。しかし米英の世論は天皇制の廃止にまでは至っていないため、今のうちに米英と講和するべきである。敗戦によっても国体は維持できるが、それより敗戦の混乱に伴う共産革命を恐れるべきである。軍人の中にも共産主義が受け入れられる恐れが強くなっている」

 「思えば、満州事変、支那事変(日中戦争)そして大東亜戦争(日米戦争)まで引き起こしてしまったのは、日本の革新を目的とする軍の一味の陰謀である。その一味の目的は共産革命とまでは断言できないものの、共産革命を目的とした官僚や民間有志がこれを支援している」

「戦争終結のためには、この軍の一味が障害となり、その一味を取り除けば軍部を利用していた共産主義者を抑えることが出来る」

 そして「取り除くべき軍の一味」として数名の実名を挙げています。

 五摂家筆頭の近衛家当主の文麿は、確かに「お坊ちゃん」で考えが甘いところがあり、日本を無謀な戦争に追い込んだ責任は重大なのですが、3度目の首相を辞任して3年以上が経過しており(後任が東条英機)、いろいろ考えるところがあったはずです。

 特に自らのブレーンであった尾崎秀美(ほつみ)が、共産主義の国際組織・コミンテルンのスパイとして1941年にリヒャルト・ゾルゲなどと共に逮捕されているのです。

 しかし文麿は、昭和天皇と対等に口がきける唯一の存在であり、この期に及んで「いいわけ」「きれいごと」などを並べる必要は全くなく、誠の本心を昭和天皇に話したと考えられます。また文麿の地位で知り得た「真実に近いもの」だとも考えられます。

 しかしこれに対する昭和天皇の返答は「もう一度、戦果をあげてからでないと、なかなか話しは難しいと思う」と否定的でした。戦争続行となったのです。

 先程、日本史は「疑うことから」始まると書きましたが、ここで一連の戦争(2.26事件、満州事変、支那事変、大東亜戦争)は共産主義の意を受けた軍の一味の「陰謀」だったのか?と「疑ってみたい」と思います。

 さらに本当の目的は、当時の「間違い」を検証することによって、今日の「もっと大きな間違い」を見つけることです。

 いろんな話題の合間をぬって何回かに分けて書いていくことにします。

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コメント
226事件に興味があります。グサリと深く斬り込んで解説いただけると嬉しいです。
あとは、《楯の会》についても。
よろしくお願いいたします。
共産主義的な発想を持った一部の(そして支配的な)官僚がマスコミなどを使って世論誘導し、それに多くの善良な(しかし疑うことを知らない)市民がのせられていく図式は当時と同じなのではないかと思います。
 学校で習う歴史は嘘がかなり多いと思うので参考になります。そういえば五摂家以外の
関白は秀吉のほかに豊臣秀次もいましたね。
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