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マネーロンダリングの話

2012年07月20日

マネーロンダリングの話

 本日は「近衛上奏文」をお休みします。コメントを頂いている「張作霖爆殺」に関する(?)は、このシリーズの核心部分ですので、今後の記事の中で補足して行きます。

 さて、7月16日に米国上院国土安全保障・政府問題委員会が、英国の金融大手HSBCが正しいマネーロンダリング対策を行っていなかったと報告しました。多分1000億円ほどの罰金が科せられます。

 ここでいうマネーロンダリングとは「米国が制裁対象としている北朝鮮やイランなどの企業や個人との資金取引」や「麻薬など犯罪に関わる取引の資金決済」を意味し、HSBCが「マネーロンダリングと認識しながら中止しなかった」ことが問題となります。

 時期が特定されていないのですが、北朝鮮に対する金融制裁は2005~2007年のことなので(2010年秋に一部復活)、この時期のものと推測されます。だとすると「何でこの時期に、何でHSBCが真っ先に?」については、Libor問題と同じで「米国当局の明確な意思」が感じられるのですが、これは別の機会に書くことにします。

 ここでマネーロンダリングとは(直接関与したのか、単に黙認したのか、それとも全く気がつかなかったのかはともかくとして)必ず「銀行」が関与しています。逆に言えば「銀行が関与しないマネーロンダリング」はありません。

 つまり麻薬組織が不正に得た現金を「鞄につめて」国境を越えたとしても、それはマネーロンダリングとは言いません。あくまでも「不正な資金が、銀行システムの中で、正常に使える資金になる」ことがマネーロンダリングなのです。

 先進国の銀行は「マネーロンダリングが行われていないか監視し、疑わしい取引は当局に通報し、当局は関係する外国当局に通報する」ルールになっています。当然ですが日本の銀行や日本の当局は「優等生」で、ちょっとでも疑わしいとすぐに通報しているはずなのですが、今回のHBSCに関する報告書には北陸銀行の名前があるようです(北陸銀行には間違いなく100億円単位の罰金が科せられます)。

 ここで「スイスのプライベートバンクは守秘義務が厳格なので、いろんな意味で安全である」と思われているようなのですが、これは間違いです。

 確かにスイスの国内法では銀行員の守秘義務には非常に厳格で、違反すれば禁錮刑もあります。そういう意味では「安全」なのですが、この場合もマネーロンロンダリングに関する情報は免責で、かつ「通報を怠った場合の罰則規定」まであります。

 マネーロンダリングの疑いのある取引はスイス当局に通報され、そこから(日本に関する取引であれば)日本の当局に通報されます。2003年に日本の「ヤミ金融」の収益がスイスの銀行にあることが通報されたのですが、スイス当局がしっかりとその半額を召し上げました。

 この点だけに限れば、欧州の小国・リヒテンシュタインのプライベートバンクが、世界で一番「安全」だそうです。

 ここで「銀行自体が積極的にマネーロンダリングに関わっている」と、結構面倒なことになります。

 少し古い話ですが、1972年にパキスタン人のハッサン・アベディがアブダビ首長の資金でルクセンブルグに創設したBCCI(国際商業信用銀行)は、世界中のあらゆる犯罪資金を取扱い(ウサマ・ビンラディンも含まれていた)、自らも闇市場での武器売買に関わり、1991年に米英当局から営業停止を命じられました。

 BCCIは東京支店もあったのですが、突然の営業停止で東京時間のドル取引の決済がNYで出来ず、先に円を支払っていた当時の日本興業銀行が多額の損失を被っています。

 しかし「その銀行を管理する国家が、積極的であるかどうかはともかくとしてマネーロンダリングに関わっているか、黙認をしている」と、ものすごく面倒なことになります。

 そのものすごく面倒なことが「バチカン銀行(正式名は宗教事業協会)」で起こっているようです。

 これについては非常に長くなるので、次回7月23日発信予定の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」で、その歴史的背景や過去の事件なども含めて、一気にご紹介します。

 最後に、頂いたコメントについてです。2009年にイタリアとスイスの国境で2人の日本人が、13兆円相当の米国国債を保有していたとして「拘束」されたのですが、ただ保有していただけで犯罪とはならず、すぐに釈放されています。

 この米国国債は1930年代に発行されたそうなのですが「全くの偽物」です。よくある「とんでもない資産が、どこそこにあって、ある事情で換金できないが、いくばくかの経費を出してくれれば換金できるので、(経費を出してくれれば)換金した大半を差し上げる」という典型的な詐欺話に引っ掛かった日本人(代理人かもしれません)がいただけです。

 時には、日本の100兆円ほどの「国債引換証」(意味不明です!)などが出てくることもあります。この事件は「マネーロンダリング」も「米国当局の陰謀」も「マフィアの資金」も全く関係ありません。


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コメント
>この米国国債は1930年代に発行されたそうなのですが「全くの偽物」です。よくある「とんでもない資産が、どこそこにあって、ある事情で換金できないが、いくばくかの経費を出してくれれば換金できるので、(経費を出してくれれば)換金した大半を差し上げる」という典型的な詐欺話に引っ掛かった日本人(代理人かもしれません)がいただけです。

このソースが見つからないのですが、何を根拠に断定しているのでしょうか?
もしソースがあるのであれば紹介して頂ければと思います。
>2009年にイタリアとスイスの国境で2人の日本人が、13兆円相当の米国国債を保有していたとして「拘束」された

これ、報道していたのはIl Giornale というイタリアの新聞ですね。ベルルスコーニ支配下の怪しげな新聞です、、、
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