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米国債券王・グロス氏の今年の「ご託宣」

2012年08月01日

米国債券王・グロス氏の今年の「ご託宣」

 本日(7月31日)付け日経新聞朝刊の「一目均衡」に、米国債券王と言われるビル・グロス氏の今春のレポートが引用されています。

 引用されている部分は「世界の中央銀行の金融政策のせいでバフェット流は世界中で模倣される」で、これはバフェット氏の投資資金が実質的にコストゼロの「先払い保険金」なのですが、これからは世界的に低金利となるためバフェット氏の優位性が失われると言うことです。

 しかし実際にグロス氏がそのレポートで強調しているところは「米国債市場ヘはすでに大量の資金が流れ込み利回りは大きく低下しており、これからも低成長が続くので米国債など従来の投資だけでは十分なリターンは得られない。そこで配当が見込める株式投資が大いなる資金の逃避先になる」なのです。

 ビル・グロス氏は米国の大手債券運用会社・PIMCOの最高投資責任者で、自らも2400億ドル(19兆円)のPimco Total Return Fundを運用しており、米国債券市場で最も影響力のある「債券王」で、私も最も尊敬する米国人の1人です。

 実はグロス氏は、昨年前半は一貫して「米国の公的債務拡大」「格下の可能性」「QE2の終了で最大の買い手(FRB)がいなくなる」などの理由から米国国債に「超弱気」で、運用するファンドから米国の長期国債をすべて売却してしまいました。

 大変僭越なのですが、本誌はその時点でグロス氏の予想に「違和感」を覚えていました。昨年6月19日付け「債券市場の行方」にも書いてあります。「違和感」の理由は単純で、日本では15年以上も「あらゆる弱気材料にもかかわらず、国債利回りが低下を続けている」のを見ているからでした。
 
 グロス氏もさすがにすぐに間違いに気がつき、そこから大幅買い越しに入ったのですが、昨年のリターンは業界平均を大きく下回ってしまいました。

 そのグロス氏の今年のご託宣が「米国株買い」なのです。別に米国債の売却を推奨していないため「配当の見込める米国株にも資産を振り向けるべき」だと思われます。

 確かに米国株の配当利回りはダウ採用銘柄の平均で2.92%(7月30日)と、1.50%ほどの米国10年国債の利回りを大きく上回っています。

 しかし、今回もグロス氏のご託宣に「違和感」を覚えています。理由は「日本の配当利回りは2.58%(7月30日・東証1部全銘柄の加重平均)もあり、0.78%ほどの10年国債との利回り差はもっと大きいのに、株式の割安感があまり出てこない」からです。

 つまり、国債が買われる理由は「資金がリスク資産(株式や貸出)から安全資産の代表である国債に逃避している」からであり、株式が買われない理由と「全く」同じなのです。従って利回り差が拡大したからと言って、国債から株式へ資金が還流する理由には「全く」ならないのです。

 日本もそうなのですが米国を含む世界の金融情勢は、今後ますます「信用リスク」と並んで「価格変動リスク」が許容されにくくなっていくのです。

 従って米国株式の配当利回りはもっと上昇し(これは株価が上昇しないことを意味します)、国債利回りは(すでに十分低下しているのですが)依然として低下気味となるはずです。尊敬するグロス氏に対抗するつもりは毛頭ないのですが、これもここ15年以上の日本の債券・株式市場を見てきて「そう感じる」のです。

 何よりも米国の(そしてユーロも)金融市場は日本の後追いをしないと思っていたのですが「しっかりと後追い」を始めているのです。

 冒頭の日経新聞の記事には「ゼロ金利が揺さぶる市場」という副題がついているのですが、正確には「揺さぶられないからゼロ金利となる」のです。

 そうなると1つだけはっきりと言えることは、日本国債の利回りは長短とも米国国債やドイツ国債にくらべて低下余地が小さく、新たな「円高要因」となることです。

 日本の2年国債の利回りは(日銀当座預金の付利が0.1%なので)0.1%以下にならず、ドイツ2年国債のマイナス0.05%より「非常に高く」なっています。

 世界的に一時的な景気回復期待が出ていた本年3月の10年国債の利回りは米国が2.3%、ドイツが2%、日本が1%だったのに比べて、直近では米国が1.5%、ドイツが1.32%、日本が0.78%と、明らかに日本の10年国債の低下幅が少ないのです。

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その債券の王によれば「株式は死につつある」らしいよ
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Stock-Markets/node_486861?mod=WSJWhatsNews
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