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また米国当局が英銀大手を不正取引で摘発  その1

2012年08月08日

また米国当局が英銀大手を不正取引で摘発  その1

 8月6日に米国ニューヨーク州の金融規制当局が、英銀大手のスタンダード・チャータードの米国拠点が米国の経済制裁対象であるイランの中央銀行を含む金融機関との間で10年以上にわたって2500億ドル(現在の為替でも20兆円!)もの不正な取引を行っていたと発表しました。

 スタンダード・チャータードは否定しているようですが、ニューヨーク州当局は巨額の罰金と州内の営業免許の取り消しを示唆しています。
 
 米国当局の英銀大手に対する「不正摘発」は、7月2日に発覚したバークレイズのLibor不正操作事件(米英当局が360億円の罰金を科しました)、7月19日に米国上院小委員会が発表したHSBCのマネーロンダリングに次ぐものです。

 HSBCについてはその後イランの金融機関との取引も明るみに出ており、またLibor不正操作事件では同じく英銀大手のRBSにも巨額罰金が科せられそうです。

 何故ここ1ヶ月ほどの間に立て続けに、しかも英銀大手だけが軒並み摘発されているのでしょう? しかも不正そのものは、それぞれ5~10年前からの話なのです。

 大きく分けて理由が2つあると思いますが、本日は紙面の関係で1つだけ書きます。

 それは、今回「摘発」された英銀大手のうちHSBCとスタンダード・チャータードは、営業活動は英国国内やEU内に比べて圧倒的に「その他の全世界」の比率が大きく、当然にテロ集団や麻薬取引が多い地域にも圧倒的なネットワークを確立していることです。

 必然的に「米国にとって好ましくない相手との取引が多い」とされ、米国当局の監視の対象になっていたことです。

 まずHSBCとは、そもそもの母体が1865年に英国の植民地であった香港で、スコットランド人の商人・トーマス・サザーランドが設立した香港上海銀行です。すぐに共同租界のあった上海でも営業を開始します。また翌年の1866年には、横浜に日本支店を開設します。日本に銀行そのものが無かった時代のことです。

 香港返還(1997年)の可能性が出てきた1980年代に、米国・英連邦(カナダ・オーストラリア・ニュージーランド)・中南米・東南アジア・南アジア(インド・パキスタンなど)
の有力銀行を次々買収して香港の依存度を下げ、1991年にロンドンにHSBCホールディングスを設立して本社機能を移しました。

 現在では世界最大級の総資産・収益力・時価総額を持つ金融グループなのですが、特に「ほぼ全世界」に営業網を持つ世界で唯一の銀行グループです。

 一方、規模ではHSBCに劣るのですが、スタンダード・チャータードとは1865年に設立されてアフリカ全土で営業していたスタンダード銀行と、1853年に設立されて香港・上海を含むアジア全域で営業していたチャータード銀行が1969年に合併したものです。

 その後も北米・南米を含む全世界で営業を拡大し、2005年に韓国第一銀行も買収しています。なお日本へは1880年に横浜に出張所を開設しています。

 つまりHSBCもスタンダード・チャータードも、英国に本社機能があるとは言え、その沿革からして完全に「全世界銀行」なのです。あとこの2つに対抗できる「全世界銀行」はシティコープだけですが、現在は実質的に米国の公的管理下にあります。

 最近になってから米国政府は明らかに、この「2大・全世界銀行」を「攻撃」し始めたのです。極論すれば「米国にとって好ましくない相手との取引を大々的に行う銀行グループ」は「米国にとって(少なくとも米国内から)追放しなければならない銀行グループ」ということになるのです。

 仮に米国から「追放」されると「全世界銀行」の取引の大半を占める「ドル決済」が、不可能にはならないもののかなり制限されることになり、相当のダメージとなります。

 これに対して中国政府は「友好な関係」を維持しているようです。その1例が、香港では中国人民銀行(中国の中央銀行)と並んでHSBCもスタンダード・チャータードも香港ドルの発券銀行としての地位を続けていることです。

 日本政府は2004年にスタンダード・チャータードがヤミ金融のマネーロンダリングという「日本政府にとって好ましくない取引」をしていたにもかかわらず、一部業務の停止の行政処分を出しただけでした。またHSBCは「何故か」最近になって日本における営業網を縮小し始めています。

 因みに英国5大銀行グループとは、上記2グループのほかに、もともと英国商業銀行であるバークレイズ、RBS(注)、ロイズTSBを加えたものです。このもともと英国商業銀行のバークレイズとRBSがLibor不正操作事件の対象となっているのですが、このLibor不正操作事件と、イランとの取引やマネーロンダリングは明らかに「事件の質」が違います。

 もう1つの理由とは、米国当局の英国およびEUに対する「思惑」なのですが、次回にします。

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