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もう一度考える「外務省と領土問題」

2012年08月23日

もう一度考える「外務省と領土問題」

昨日(8月22日)付け「不思議な外務省」で、新聞報道されていた外務省の首脳人事について書いたのですが、さっそく人事案を協議する官邸の「閣議人事検討会議」の手続きにも入っていない「外務省のお手盛り人事」だったことが伝わってきました。

昨日の記事でもこの「外務省のお手盛り人事」の背景について書いたのですが、最終的には順序が多少違っていただけで官邸も容認せざるを得ず、民主党・野田政権が官僚に完全に「舐められている」一端が明白になっただけです。

それよりも問題は、外交問題とくに現在の「日米同盟の弱体化や、中韓両国との関係悪化などの外交の相次ぐ混乱」の対策が、政府ではなく完全に外務省に握られてしまうことです。

どの省庁も「省益が国益に優先」するのですが、特に外務省の場合は「直接国益にかかわる重要問題」である外交で省益が国益に優先すると非常に恐ろしいことになります。

外務省の省益とは「相手国と争わないこと」なのです。逆に分かりにくい理論なのですが「いつまでも問題を解決させずに残しておく」こともあります。それだけ外務省の存在意義が大きくなるからです。

本日は竹島と尖閣列島については数多くの議論が報道されているためあえて避けて「北方領土問題」についてです。

 そもそも「北方領土」に関して日本は、1951年9月8日に調印された(発効は1952年4月28日)のサンフランシスコ講和条約で「千島列島を放棄する」とされており(注)、当時は日本政府もその千島列島の中に国後・択捉が含められていることを認めていました。

(注)もっと正確に言いますと、1945年2月のヤルタ会談でルーズベルト大統領がスターリンに対日参戦を要請し、その見返りに千島列島を勝手に提供したのです。この対日参戦要請は死期の近い(同年4月12日死亡)ルーズベルトの大いなる判断ミスでした。しかももう1人の参加者であるチャーチルを除外してスターリンとだけで決めてしまったのです。

 1956年2月17日に「平和条約締結後に、歯舞・色丹を日本に引き渡す(返還する)」との条文が織り込まれた日ソ共同宣言が批准されます。つまりソ連は明らかに歯舞・色丹は「返還する意思があった」のです。

しかし国後・択捉はおろか、歯舞・色丹もいまだに返還されていません。これはその後の冷戦激化で米国が「国後・択捉は千島列島に含まれていない。従って日本に主権がありソ連に引き渡してはならない」と言い出したので、外務省も「四島をひっくるめて北方領土として一括返還を求める」方針に切り替えてしまい、北方問題を自ら「ほぼ永久に解決しない難問」に変えてしまったのです。

 そうこういっているうちにソ連も1960年の日米安保の改定を捉え「歯舞・色丹の引き渡しには外国軍(米軍のこと)の日本からの撤退が条件である」と言い出して、北方領土問題は完全に振出しに戻ってしまったのです。

 しかし冷戦は終了し、2001年3月の日露首脳会談(イルクーツクで森喜朗首相とプーチン大統領の会談)で1956年の共同宣言(つまり平和条約締結後に歯舞・色丹を返還する)の法的有効性の確認まで行っているのですが、何故か「全く進展していない」のです。

 冷戦中は米ソ両国の思惑があったものの、少なくとも冷戦後は「取り敢えず歯舞・色丹の二島返還」は十分なチャンスがあったところを、わざわざ外務省が「四島一括」に拘って何も解決しないようにしているとしか思えないのです。

 そして何はともあれ歯舞・色丹だけの二島返還を進めようとしていた鈴木宗男・衆議院議員(当時)と佐藤優氏が2002年に明らかな「国策捜査」で逮捕され、二島返還に理解のあったロシアンスクールの東郷和彦氏(当時はオランダ大使)が外務省を追われました。

 改めて鈴木宗男・佐藤優両氏の逮捕を考えると、(日本とロシアが親密化することを好まない)米国政府と(鈴木氏ら特定勢力の放逐を画策した)外務省と、お決まりの東京地検特捜部と大手マスコミの「連係プレー」という構造が見えてくるのです。

 北方領土問題が解決しないのは、(省内の派閥争いまで含む)外務省の省益が国益に優先している「典型例」と言えそうなのです。

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コメント
こういう事を明るみにすることがジャーナリズムの使命だと思いますが、、。救われない日本国民と思ってしまいます。
ただただ辛いです。でもシリアの現状が一気に伝わったのも事実。
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