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いよいよJAL再上場

2012年09月04日

いよいよJAL再上場

 8月30日にJALの「株式売り出しに関する仮条件」が1株当たり3500円~3790円に決定されました。

 ブックビルディング方式による需要積み上げが始まっており、9月10日が売り出し価格決定、9月11日~14日が申込期間(つまり申込み代金支払い)、9月19日が株券交付および上場日となります。

 今回は政府(企業再生支援機構)の保有する1億7500万株(発行済の96.5%)のみが売り出され、投入した3500億円の公的資金が最大で6600億円ほどになります。また1億7500万株のうち1億3125万株が国内、4375万株が海外で売り出されます。

 まず株式市場から調達される6600億円は、単純に金額だけで比較しても1988年のNTT、2010年の第一生命に次ぐ3番目の規模です。本年5月に大騒ぎしたフェイスブックの調達額160億ドル(1兆2500億円)の半分もあるのです。

 これだけ売買代金が減少して流動性が無くなっている日本の証券市場にとっては「とてつもなく巨額な金額」が吸い上げられることになります。また海外での募集分が25%しかないため、6600億円のうち5000億円近い資金を国内で「かき集め」なければなりません。

 当たり前の話なのですが、JALは新規上場(正確には再上場なのですが、以前の株券はすべて紙屑になっており存在しません)なので、上場日までは取引されておらず価格変動リスクを回避する方法がありません。

 唯一考えられる方法は上場している類似銘柄のANAを空売りすることで、確かに仮条件発表翌日である8月31日のANAの出来高は通常より2000万株ほど増えていました。しかし2000万株といっても売買代金では35億円ほどなので、JAL売り出しのための空売りとしても微々たるものです。

 そのANAが本年7月に行った新株発行は、最終的に9億9146万株を発行して1736億円(手取り概算)を調達したのですが、これはもちろんANA株式が日々取引されている中で、3億株を海外で発行し(貸株調達による空売りも活発に入り)、国内販売分は野村証券が(必死で)主幹事業務を行い、発表前日の7月2日の引値224円に対しANAの最終手取り価格の176.32円までの値下がりを容認して「やっと手にした1736億円」なのです。

 JALは世界中どこでも取引されていない中で、海外販売の25%も貸株調達ができず、野村証券は幹事には入っているものの大和証券より下の立場で士気が上がらない中で、6600億円をかき集めなければならないのです。

 「とても」大変だと思います。

 そしてその6600億円は、そっくり政府(企業再生支援機構)に入ってしまい株式市場に戻ってくることは「絶対にありません」。

 確かにJALは、全従業員の3割にあたる1万6000人が整理され、年金は3~5割カットされ、銀行は貸付債権の87.5%に当たる5200億円を放棄させられ、すべての株主の株券は紙屑になるなどの「負担」を分担させられたあと、唯一政府(企業再生支援機構)のみが3500億円の債権が6600億円になって返ってくるのですが、その6600億円は株式市場の乏しい資金の中から支払うのです。

 さらに今後、最長9年間にわたって4000億円とも言われる税収が失われるのです。失うのは税務署ではなく国民です。

 しかしJAL再上場は、株式市場を使った企業再生・公的資金回収のモデルケースになります。「政府だけが儲けるのはけしからん」などと言うつもりもありません。また政府が今まで以上に株式市場を利用して公的資金の回収だけでなく、政府保有株の売り出しや政府機関の民営化・株式上場などを進めることも大賛成です。

 だったら、株式市場をますます監視や規制だらけにするのではなく、少しは使い勝手の良いものしてほしいのです。別に特別なことは必要ありません。

 2004~2005年頃の状態に戻すだけでいいのです。その後に監視体制も含めて「過剰介入」したのでおかしくなったのです。

 株式市場は先進国の重要インフラです。JALで少し「良い思い」をしたなら、もっと「良い思い」ができるように工夫すればよいのです。

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コメント
>今回は政府(企業再生支援機構)の保有する1億7500万株(発行済の96.5%)のみが売り出され、投入した3500億円の公的資金が最大で6600億円ほどになります。<


利益率最大で、85%の暴利。

証券会社が、公募増資等で受ける利益<発行価格ー払い込み価格差>率は、4%台です。


証券等は、ANAのTOPIX組み入れ比率をJAL上場で、少なくしてきますからANA保有株式売りが考えられます。


売り出し株の引き受け証券会社は、応募大口証券等が借株調達もできなく、販売苦労は目に見えます。まあ~、捌ききれなければ、投信株としちゃんでしょうか?


特例措置のJAL法人税は、国民支払いですから。


8304<あおぞら銀行>での優先株の案件処理協議の措置は、賛成!<既存株主を保護も考慮しましたから>

臨時株主総会開催日:24.9.27

1.第4回・5回優先株式の普通株式への一斉取得日を平成34.6.30日まで延期・・・日経新聞報道は、正しかったこととなりました。

2.優先配当額の変更
第5回優先株式は、従来配当とは別に、年204.9憶円の特別配当規程を設ける。この特別優先配当は、公的資金の分割返済に充当。10年で、2049億円・・・・増資等を実施しないで、公的資資金返済予定。

※4回優先株式・・・240億円・・・普通株式への一斉転換日・30.4.1日
 5回    ・・・1552億円・・・一斉転換日・24,10.3日
から、34.6.30日に一斉転換日を変更。


3.減資
資本金4197億円→1000億円<3197億円減資>
598億円を資本準備金、2658億円をその他資本剰余金・・・この資金が、5回優先株式の特別配当金となり、返済金となる原資。・・・・預金保険機構は、減資で返済資金の確保ですね!


公募増資を実施すれば、希釈率から株価下落していく可能性がありますから、あおぞら・預金保険機構の協議で、公的資金返済に向けた妥協策かと・・・10.3日に一斉転換されれば、預金保険機構は、損失となりますから、減資を実施し、その他の資本剰余金とし、それを原資として公的返済資金とすると。



この措置<公的資金返済>は、増資等によらないで公的資金返済することにより株式の希釈化を防止できますし、普通株主へも配当性向率を高める発表をしていますから、普通株主へも配慮した今回の公的資金返済に向けた資本政策かと思います。

プリンス社長、なかなか、やりますね!普通株主及び預金保険機構への配慮。
今後最長9年間の税収を失わないため、繰越欠損金控除を廃止(例えば資本金1億円以上の企業対象)するべきではないでしょうか?
>野村証券は幹事には入っているものの
>大和証券より下の立場で士気が上がらない中で、
>6600億円

ミスリードしてはいけません
野村の引受シェアは10%台ですから、
そんなにたくさん販売しなくてもいいのです。

以前にどなたかも書かれていましたが、今の
野村證券は、証券界ではそんなにガリバーでは
ありません。
ごくごく普通の証券会社ですよ
そしてその6600億円は、そっくり政府(企業再生支援機構)に入ってしまい株式市場に戻ってくることは「絶対にありません」とありますが、ミスリードでしょう。
何が言いたいのか読解不能です。
初値で売れば良いだけの話で市場内で回っているだけの話ですよ。
勘違いしてませんか

闇株新聞編集部

 名無しさんのコメントに対して

 説明不足だったのですが、確かにJALの売り出しも通常のIPOも同じことで購入した投資家が売却すれば資金は回収できます。

 しかし株式市場全体の需給を考えると、JAL売り出し株の大半の購入者は他の銘柄を売却して購入しているはずです。もちろん国債などの売却代金や預金を引き出して払い込んだ投資家もいるはずですが、要するにJAL売り出しの6600億円ほどが全額株式市場にとって「新規資金」で購入されないかぎり株式市場の需給関係は確実に悪化します。

 違った言い方をすれば、JALの再上場(売り出し)が6600億円の新規資金を株式市場に呼び込むほどの「魅力あるイベントなのか?」と言うことです。

 破綻して全ての株券を紙くずにしたJALが3年もたたないうちに再上場し、しかも6600億円がすべて政府(企業再生支援機構)の資金回収になるため、少なくとも株式市場にとって「魅力あるイベント」ではなく、需給関係は確実に悪化すると書きたかったのです。

>株式市場をますます監視や規制だらけにするのではなく、
>少しは使い勝手の良いものしてほしいのです。別に特別なことは必要ありません。
>2004~2005年頃の状態に戻すだけでいいのです。
>その後に監視体制も含めて「過剰介入」したのでおかしくなったのです。
>株式市場は先進国の重要インフラです。
>JALで少し「良い思い」をしたなら、
>もっと「良い思い」ができるように工夫すればよいのです。

このご時世にコンプライアンス無視ですか?
不公正な取引を認めろとでも言うのですか?
こういう輩を市場から排除するために業界全体が
努力してきたことを全て水の泡にしてしまったのが
野村であり、日興じゃありませんか

毎度毎度書きなぐったあとに「・・・と書きたかった」と
フォローしていますが、それならば最初からそう
お書きになればいかがですか?

需給関係は確実に悪化すると書きたかったのです。 とのことですが、そんなことは投資家なら承知のことですのでさらりと書けばよいのでは。
当方が批判したのは株式市場に戻ってくることは「絶対にありません」と根拠のないあり得ない需給悪化を断定するのは仮に現役証券マンなら証取法違反だということです。
其方の説明不足なのではなく記事に明確な誤りがあると指摘してあげたのです。
即刻訂正して然るべきです。
もう、株式市場に関するコメントは止めたほうがよろしいかと思いますよ。
読者になって、1年ぐらいですが編集部の方は上記のような単純なコメントはのせなくていいのではと個人的に思います。
良いところは吸収して違うと思うところは吸収しなければいいだけではないのでしょうか

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