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今年はどうなる?  その1

2011年01月04日

今年はどうなる?  その1


 明けましておめでとうございます。

 さて、年初ですので、やはり相場予想をしないわけにはいきません。まず為替について考えてみます。ただ、上がるか下がるかとか、意味のないレンジの予想をしても役に立たないので、重要なポイントだけ書きます。


1)米国の未曾有の金融緩和で世界中に溢れかえったドルが、ドルの暴落を引き起こすという多数意見は、この溢れかえったドルが米国株式等の上昇を通じて、真っ先に米国経済の回復をもたらす、ということを全く見落としています。

 すでに、昨年来の米国株の上昇は、資産効果を通じて足元の米国経済の上昇に結びついているはずで、そういった経済指標が出始めるにつれてドルに対する評価が変わり、結果世界の資金の流れが変わり、ドルは上昇を始めるのです。

 つまり一番重要なことは、米国経済が上昇し始めるとそちらに関心が移り、今までのドルの弱気材料が無視されるということです。別に米国経済が上昇を始めても、すでに溢れかえってしまっているドルが還流するということはないのですが、そこに誰も関心を払わなくなるのです。


2) まず、ドルとユーロの関係でみますと、今までは「ドルは溢れかえっているから弱い」、「ユーロは域内に財政的に問題を抱えた国があるから弱い」、つまりどちらも弱いので、その時々のそれぞれのニュースによって、「どちらがより弱いか」、という選択がされていて、ドル・ユーロの相場が動いていたのです。

 従来、本誌では常にユーロはドルに対して相対的に強いと予想していましたのは、この「どちらがより弱いか」という選択肢では、溢れかえっているドルよりも、域内で財政規律を重視するユーロの方が評価されるという意味でした。

 ところが、米国経済の回復が明らかになると、どちらの経済が力強いか、という選択に変わるため、財政の足かせで景気拡大策が取れないユーロよりもドルの方が、はっきりと強くなるはずです。ドルは依然として溢れかえったままなのですが、目の前で米国経済が上昇をし始めると、誰も気にしなくなるものなのです。


3)従って、米国から新興国や商品に向かっていた資金も、まず止まり、それから少しずつ還流し始めるかもしれません。新興国と言っていいかは分からないのですが、特に中国、インド、ブラジルへの資金の流れが減るはずです。ちょうどこれらの国では、極端な資金流入を嫌って金融引き締めに入っているのですが、気をつけないと思わぬ株式市場などの調整に見舞われることになります。株式市場などが調整に入ると、それだけで今まで流入していた資金が流出してしまうものなのです。

 ドルが上昇すると資源価格の上昇も止まるので、豪ドルなども対ドルで反落します。


4)ドルと円の関係は、もう少し複雑です。

 そもそも、円は世界最大の資金余剰国通貨なので、世界の経済が上昇し、株式市場などが上昇すると、資金の流出が起こり円は弱くなるのです。

 日本が前回、金融の量的緩和をした2001年3月から2006年3月までは、日本以外の国の経済は好調で、資金需要は非常に旺盛でした。

 この間、準備預金残高を35兆円に維持し、2003年から2004年にかけて為替介入を累計で35兆円も行って、国内に資金を溢れかえらせたのです。ところが、この量的緩和中にも日本では銀行の貸し出しが減っていたのです。全国銀行の貸付残高の総額は2001年末には447兆円だったのが、量的緩和が終了した2006年3月には409兆円まで減っていました。

 じゃあ、その溢れかえった資金はどこへ行っていたのでしょう?

 それは、かなりの資金が外銀などを通じて海外にタダ同然の金利で貸しだされ、海外勢がこの資金を使って世界中への投資で荒稼ぎをしていたのです。もちろんその収益が資金を提供した日本に一部でも還元されることは絶対になかったのですが、唯一のメリットはこの間、比較的円安だったことです。これは、タダ同然の資金を借りた海外勢が、その円を売ってドル等にして投資していたからです。キャリートレードと言います。この期間のドルは105円~125円でした。

 たしかに、この間、日本の株式市場なども上昇しました。これはこの比較的円安が続いたことと、膨れ上がった世界中の投資資金の一部が日本へも回ってきたからです。つまり、日本はタダ同然の資金を世界に貸し付けただけで、その貸し付けた資金を基に世界中に投資された資金の一部が、日本に回ってきただけだったのです。

 リーマンショック時に、世界中に投資されていた資金が一気に還流してきたため、急速な円の買い戻しが起こって急激な円高になり、その後も世界の投資が膨らまないため、海外勢が円を借りてくれないので、なかなか円安にならないのです。一部の評論家が言っているように、相対的に日本経済の強さが評価されたわけでは絶対にないのです。

 米国株式等が上昇し、結果米国経済が上昇し、世界の資金の流れが変わったとしても、日本が自らその資金で世界に向かって投資するわけではないため、もう一度量的緩和を始めた日本の資金を、もう一度海外勢が使ってくれるかどうかによって、前回のような円安になるかどうかが決まります。

 つまり、残念ながら円高の流れを止められるのは、日本勢ではなく海外勢なのです。日本はいつの間にか自国通貨の水準も、そして自国株式の水準も、自らの行動で決めることが出来なくなっているのです。

 ただ、ここの結論だけ言っておきますと、いくら米国経済が上昇しても、世界的な投資が以前ほど回復することはないため、日本の資金を大量に使ってくれることもないため、急速に円安になるということもありませんが、ドルははっきりと底を打っていると考えます。

 昨年末に81円台前半まで円高が進んだのですが、絶好のドルの買い場と考えて下さい。

 次回は、為替以外の予想をしてみます。

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