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危険な議論「日銀による外債購入」

2012年10月05日

危険な議論「日銀による外債購入」

 本誌はかねてより「日本銀行はもっと積極的に金融緩和を行うべき」と「日本は国家として戦略的にもっと外貨を取得すべき」を主張しています。

 ところが最近出てきている「日本銀行は外債(ドル債)を取得すべき」は、全く趣旨の違う大変危険な議論です。日本銀行が外債(ドル債)を取得すれば金融がもっと緩和され、円安にもなると安直に理由づけされているのですが、もっと違った重要な意味があります。

 そもそも何処から出てきた議論かと言いますと、まず7月に新たに日銀審議委員に選ばれた佐藤健裕氏(元モルガンスタンレーMUFG証券)が、資金供給目的と断ってはいるものの「外貨購入も一案」と発言しました。

 また先日の内閣改造で経済財政・国家戦略担当大臣となった前原誠司氏が「金融緩和を進めて行くうえで、日本銀行による外債購入は有力な手段」と発言しています。

 前原氏はこの発言の前段として「私がこの立場についた以上は、日銀にしっかりと対応を促すような発言をしていきたい」とも発言しており、実際に明日(10月5日)の日銀政策決定会合に出席するようで、二重の意味で「危険な発言」と言えます。

 安住元財務大臣と城島財務大臣は否定的な発言をしていますが、これは単純に為替介入が財務省の管轄なので浸食されたくないという財務官僚の発言を伝えているだけです。

 それでは日本銀行による外債取得が、なぜ危険な議論なのでしょう? 

 通貨・円が日本国内で「何の疑いも持たれずに」流通し保有されるためには、発券銀行である日銀の資産内容が「日本人にとって」安心できるものでなければなりません。また同時に日銀が節度をもって資産購入や通貨発行を行っているという「暗黙の信任」も必要です。

 これは将来的に円が、ドルやユーロと並んで国際通貨となるためにも必要なことで、日銀の資産が金(きん)や高格付けの外貨資産が良いかと言うと、それも違うのです。

 最近のように日銀が日本国債を購入するだけでは金融緩和の効果が限られてきているので、確かに購入対象を広げなければなりません。日銀であればまず残存年数が長い国債や、日本経済の回復に直接影響しそうな資産、例えば日本の株式や不動産や貸付債権に関連する資産であるべきです。

 最近、ECBが南欧国債、FRBが住宅ローン担保証券(MBS)の購入に踏み切ったのと全く同じことです。

 それでは、なぜ外貨資産(つまりドル債)ではいけないのでしょうか?

 例えばECBが「南欧国債は格付けが低いので、米国国債を無制限に購入する」と発表したら、ユーロ圏や世界の人々はどう思うでしょう? それではユーロが一部ドルになってしまいユーロとしての存在意義が薄れてしまうことを意味し、ユーロの創設目的からして絶対にあり得ない話です。

 円でも同じことなのです。

 日本の発券銀行である日銀が外債(ドル債)を大量に取得するということは、日本の通貨・円の一部がドル(あるいは米国経済)を反映してしまうことになり、円が円でなくなることを意味します。

 日銀の資産の大半がドル債になれば、円は「名前だけが円というドル」になってしまい金融政策を含めて「ドル圏」に組み込まれてしまうことになります。そこまで極端でなくても「その状態」に近づくことは確かです。

 だから「危険な議論」だと言っているのです。

 本誌は決して短絡的な陰謀論にとらわれていないつもりですが、主張しているのがモルガンスタンレーのエコノミストである日銀審議委員や、親米「松下政経塾」出身の大臣なのは不気味です。

 なぜなら単に「ドルの買い支え」だけなら、米国政府は従来通り「ドル買い介入」を依頼(強要)すればよいので、米国政府の「新たな意向」が加わっているのです。

 まだまだ理論的に「不完全」なので、来週月曜日(10月8日)配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」で続けようと思っています。


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コメント
まぁ、陰謀云々は抜きにして、外債購入は変だと誰でもわかる、
普通に日本国債を買えばいいだけの話ですからね。

もう1つの陰謀を考え付いたが、金融緩和したくない日銀と民主とりまき勢力の芝居って説。

政治家・御用エコノミスト「日銀は外債を買え」 ←この時点で日本国債から米国債に話をすり替え

日銀「そんな為替介入のような事はできません」

マスコミ「政治家による日銀の独立性を侵す圧力」

政治家・御用エコノミスト「やっぱり無理だよね」

日銀「理解していただけましたか」 (金融緩和は一切しません)
政府の財政悪化の原因は日銀の金融緩和の不十分さにある。
日本は、なぜ世界の他の先進国より景気が悪いのか。原因は簡単だ。日本では資産価格が低下し、他の先進国では資産価格が上昇しているからだ。日本ではマイホーム購入が貯蓄の代替にならない。マイホームが減価する一方なので、日本人はマイホームを買った上で、更に老後のために貯金しなければならない。マイホームを買う中産階級の貯蓄率は世界から見れば高くならざるを得ない。貯蓄率が高いのは不景気の原因になる。(所得の少ない層は昔から貯蓄など出来ないし、マイホームも夢のまた夢。高齢化や派遣などで所得の少ない層が大幅に増加し、貯蓄を取り崩して日本全体として貯蓄率0になっている。)
日銀が日本国債購入するのはピント外れ。それだけでは、国の借金増大の片棒を担いでいるだけだ。
日銀がやるべきは日本国内の土地等を購入し、資産価格を上昇させることだ。バーナンキ議長のように非伝統的な施策にも挑戦する必要がある。
日本政府にもやるべきことがあるらしい。遊休土地や不在地主の土地の強制収用や物納OKの制度を作ったりすることらしい。基本的に民間では不要な土地を買い入れるので国債利払いには窮する。日銀が出るしかないと思われる。
藤巻氏は円高は日本国の土地の工場
立地を難しくし、土地資産価格を低下させると言っている。円高是正は必要だろう。外債購入するのは、土地資産価格にはプラスだが問題点は闇株氏が指摘された通りだ。


>本誌は決して短絡的な陰謀論にとらわれていないつもりですが、主張しているのがモルガンスタンレーのエコノミストである日銀審議委員や、親米「松下政経塾」出身の大臣なのは不気味です。

陰謀論です。闇株さんが言うように長期国債を買うのが正攻法なのですが、これに対して日銀や一部経済学者に「それは財政マネタイズである」という主張があるわけです。これに対して外債ならば財政マネタイズではないから財政規律において問題ないというわけです。これは金融政策においてハト派とされた中原伸之審議委員はもちろん、中立の植田和男審議委員、タカ派の須田美矢子審議委員も賛同した、財務省以外は誰も反対しなかった提案です。最近ではハト派の経済学者で副総裁も務めた岩田一政氏も主張しています。闇株さんが外債購入に関して、中原伸之氏や岩田一政氏を連想しなかったところを見ると過去の金融政策論議に疎いのではないでしょうか。

日銀が外債購入の可能性を模索、財務省と激論に-2001年下期議事録
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYMY7N07SXKX01.html
須田委員は8月13、14日会合で「外国為替の購入は1つの選択肢であり、財政節度の制約はない。デフレ圧力の緩和という目的に関しては最もストレートな手段である」と問題提起。中原伸之審議委員が10月11、12日会合で「是非、外債の購入の開始を検討してほしい」と要請。植田和男審議委員は「外債を購入したらどうかというのは、場合によっては皆さんの頭の中にある話だと思う。仮に法的、あるいはその他の状況を考えた上でできるのであれば考慮に値する案かもしれない」と発言。

日銀は外債50兆円を購入せよ
岩田一政・日本経済研究センター理事長インタビュー
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120928/237409/
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