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ノーベル経済学賞とは、そもそも経済学とは

2012年10月17日

ノーベル経済学賞とは、そもそも経済学とは

 2012年のノーベル賞受賞者がすべて決まり、医学生理学賞は山中伸弥・京都大学教授が受賞されました。

 そして10月15日にノーベル賞6部門の最後として、ノーベル経済学賞の受賞者が発表されました。

実はノーベル経済学賞は、正式名が「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」で、1968年にスウェーデン国立銀行(中央銀行)が設立300年祝賀の一環として創設したものです。アルフレッド・ノーベルによって創設されたものではないのです。

 従って受賞者の選考はスウェーデン科学アカデミーが行うのですが、賞金はノーベル財団ではなくスウェーデン国立銀行から出ています。従ってアルフレッド・ノーベルの遺志である「人類にとって最も貢献した人に贈る」ともかけ離れているような気がします。

 余談ですが、ノーベル賞の賞金はノーベル財団の投資収益から出されており、昨年までは各賞1000万クローナだったのですが、今年から運用益の低下を理由に800万クローナ(現在の為替で約9400万円)に減額されました。

 さらにスウェーデンクローナは1992年に英国ポンドと同じくヘッジファンドに売り浴びせられてERM(欧州為替変動メカニズム)を離脱しており、ユーロに参加することは当面ありません。従ってノーベル賞の賞金がユーロで支払われることも当面ありません。

 さて本年のノーベル経済学賞は、ハーバード大学のアルビン・ロス教授とカリフォルニア大学のロイド・シャプレー名誉教授に贈られたのですが、受賞理由が「最適な組み合わせ理論」となっています。

 要するに、自然に任せておくと需要と供給が一致せず、不本意な組み合わせや需給のミスマッチが多発することになるので、こうした問題が発生しにくい最適な資源配分を実現するための理論だそうです。

 実際には、就業希望者と企業、研修医と病院、臓器提供者と患者、などの間で全体として最も満足度が高くなるような組み合わせを決められるそうなのですが、正直言って「それが何か?」と言いたくなります。

 全体としての「満足度」と、個人それぞれの「満足度」は、それぞれ「何の関係もない」はずだからです。

 長々と説明したのは、そもそも経済学とはすべて実社会の現象を後から理論づけしたものが多いため、現時点や将来の問題に対して「全く役に立たない」ことが多く、従ってノーベル経済学賞もノーベルの遺志である「人類にとって最も貢献した人」に贈られているわけではない、と言いたかったからです。

 例えば1999年に受賞したロバート・マンデル氏の「最適通貨圏」は、ユーロの仕組みの根本的理論なのですが、今日の諸問題に対しては全く役に立っていません。

 また1997年に「デリバティブ価格の算出方程式」で共同受賞したマイロン・ショールズ氏とロバート・マートン氏は、その直後に参画していたLTCMが巨額損失を出して破綻し、さらにショールズ氏は2008年にも自身で設立したファンドが破綻し、「理論が実践に何の役にも立たない」ことを自ら証明してしまいました。

 ところで、ノーベル経済学賞だけは日本の受賞者がいません。

 日本の経済学者は、財務省など官僚組織の意向を代弁する経済学者だけが優遇されているようです。従って「人類に貢献していない」だけでなく「日本人の利益を損なう」経済学者までいるような気がします。

 6月28日付け「官僚組織の三種の神器」でも書いたのですが、消費税上げを支援するために東京大学の吉川洋教授が「消費税を上げても景気を冷やす効果はそれほど大きくない。(中略)1997年に消費税を3%から5%に上げた後に景気が悪化したが、主因は金融危機だったと分析している」とおっしゃっていました。

 言うまでも無いのですが、消費税を上げたから景気が悪化して金融危機になったわけで、金融危機だけが先に発生して景気が悪化したわけではないのです。

 例えれば「痛風になったのは食べ過ぎや運動不足ではなく、メタボになったことが原因だと分析している」と言っているようなものでした。



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コメント
痛風とメタボの喩えは分かりやすかったです。
御用学者が優遇される日本は社会の隅々までこのような文化が根付いているようですね。社会が変わるには後何世代かかることでしょう、、。
まあ、その通りですね。そもそも「景気」という言葉自体があいまいなように、人の心に影響されるものを理論づけすることは、必ず論理として破綻するものです。「人の往く裏に道あり花の山」ですからね。
 経済学はエセ学であり経済学者はエセ学者と言うのは言い過ぎでしょうか?
学と言うからには「理論」と「検証」が必要です。物理や化学は実験や観測によって「理論」が検証され証明されます。
経済理論が果して検証可能でしょうか?
はなはだ疑問です。
この世界に経済論はあっても経済学はないと
思いますがどうでしょう。
色々間違ってる・・・が、一般人達の認識はこんなもんなんだろうねと思うとなんか悲しくなるな。
直近の問題なんで一つだけ最適通貨圏について指摘すると、
理論が実態に即してなかったというより、ユーロは最適通貨圏ではなかったと言う方が正しいですね。既に理論からかけ離れているので理論の中に答えが無いのも当たり前の話なわけです。

>>さそり座さん
私がコメントしていいかどうかしらないですけど、検証可能ですね。
計量経済学とか聞いたことありませんか?
そもそも自然科学(実験室の中)と社会科学の観測って何も変わりませんよ。ただ観測条件が一定になるか否かだけです。

>ただ観測条件が一定になるか否かだけです。
条件が変われば結果は異なります。
これでは検証になりません 。
自然科学の実験では実験条件を厳密に管理します。
実験条件には実験を行う人間のスキル、実験器具の精度、再現性・・・・・
ビックス粒子の発見はこれらの条件をすべて満たした上で、同一実験を繰り返し行い、存在が証明されますたね。
自然科学と計量経済学を同一には出来ません。
誤った事実認識に基づいて発言しているのが気になります。
1997年には消費税の導入直後の四半期は景気は落ち込みましたが、そのあとの四半期は回復しているはずです。その後の四半期に再び景気が落ち込みましたが、これは金融危機の影響です。
自称エコノミストの誤った事実認識に基づいて、軽はずみな発言をするのはいかがなものかと思います。
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