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大変危険な政府の日本銀行への過剰介入

2012年10月25日

大変危険な政府の日本銀行への過剰介入

 先週の10月19日付け「日銀が検討している追加金融緩和の意外な効果」で、八方塞がりの野田内閣が突然打ち出した景気対策の一環として日銀に追加金融緩和を要請し、日銀も景気低迷の責任をすべて押し付けられないために応じ、異例の前倒し報道となったと書きました。

 またこのように背景は「やや不純」でも、ちょうど銀行の融資姿勢に改善の兆しが見えている時で、横並びの銀行体質からここでの追加金融緩和は意外な効果があるはずとも書きました。

 つまりかなり「円安」「株高」になると予想し、今も修正する必要はないと思っています。

 ところが今週に入ると「資産買入等の基金は10兆円ではなく20兆円増額して100兆円」「時間軸を無制限にする」さらには「前原経済担当大臣が30日の決定会合にも出席して強力な追加緩和を要請する」「日銀法を改正する」「来年4月に任期の切れる白川総裁の後任には政府の意向を受け入れる人材を」など、明らかに政府周辺からと思える報道がどんどん追加されています。
 
 これは色々な意味で「大変危険な兆候」です。無益なだけでなく有害で大いに国策を損ねると言えます。

 まず中央銀行である日銀の最大の役割は、発行する通貨「円」の信任を守ることで、そのためには日銀が「資産の質と量を適正に維持する」「政府から独立した決定を行う」などを通じて日銀自身への信任を守らなければなりません

 別に急に日銀擁護論者になったわけではありません。

 確かに少し前まではFRBもECBも積極的な金融緩和(量的緩和)を行い、中央銀行の資産拡大がそのまま市場心理を向上させ、株価の上昇と通貨安を引き起こして実体経済を回復させていました。

 単純に金融緩和を思い切ってやればやるほど実体経済に好影響が出ていたわけで、結果的にリーマンショック以降、FRBの総資産が8000億ドルから3.5倍の2.8兆ドルになり、ECBも3倍の3兆ユーロになりました。

 一方日銀の総資産は、その間に1.34倍の150兆円になっているだけです。つまり明らかに消極的な日銀の金融緩和が、円高・株安・景気の低迷を招いたことは事実です。

 しかし状況が変わってきました。米国もユーロ圏もこれだけ量的緩和を行っても実体経済が本格回復せず、FRBはMBSをECBは南欧国債をそれぞれ無制限に買い入れることにしました。

 一方日銀は「全く結果的」ではあるものの、資産が急激に膨らむことも無く、資産の大半が償還までの年数が短い日本の国債となっています。

 つまり今までの日銀の消極的な行動のおかげで、日銀の資産内容はFRBやECBに比べて「格段に良好」となっています。これは日銀自身と発行する「円」への信認が、FRBやECBとそれぞれが発行する「ドル」「ユーロ」への信任より「格段に高い」ことを意味し、今後日本の世界での立場を「格段に良くする」武器となるはずです。

 だから「いまさら余計なこと」をする必要は全く無いのです。ここまで辛抱してきたものを「急に豹変」させてはいけないのです。

 そもそも資産買入等の基金をいくら拡大して短い国債ばかり買い入れても、もともと資金が「困るほど余っている」銀行の当座預金残高と振り替わるだけで、実体経済に影響があまりなかったのですが、これ以上の拡大は全く無意味と言えます。

 ここにきてようやく銀行の融資姿勢に改善の兆しが見えてきているので、その背中を押すための追加金融緩和で十分なのです。だから政府の日銀に対する過剰介入は、無駄なだけでなく「いまさら絶対にやってはいけない」ことなのです。

 さらに最もやってはいけないことは、日銀が米国債を直接購入することです。日銀の資産が劣化するだけでなく、日銀の信任を米国にタダ使いされるからです。

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コメント
いつも大変参考になるご意見ありがとうございます。今回の記事についてですが、なんか違和感があります。
確かに政府による日銀への過度の介入は慎まなくてはいけません。しかし、デフレをこれだけ深刻化させたのは日銀にも責任があるのは明白です。それをデフレが進行しているのに「なまぬるい」手しか打たない日銀の尻を叩く必要はあると思います。それから文中にあるように円の信任が高まれば高まるほど、円高マグマがたまってゆくように気もします。これまでの円高を修正するべしとのご意見と矛盾がるような気がするのですが・・・。
いつも参考にしていただきありがとうございます。

「円」への信任が向上することと「円高」になることは、必ずしも同義語ではありません。例えば円への信任が向上して、円が国際化していくとかえって「円安」になることもあります。

 これだけドルやユーロが大量に供給されている中では、むしろ中央銀行(日銀)と通貨(円)の質を維持する方が国策に沿っているような気がします。

 外貨(主にドル)資産を日銀で保有することは、円への信任を保つために反対していますが、政府としては戦略的に大量取得するべきとの従来の主張は全く変えていません。
今回の記事には説得力が全く感じられないですね。

一部言い訳とも受け取られる文面もありますが、客観的に豹変と言う印象は否めないですね。
円の信任が「ドル」「ユーロ」への信任より格段に高くなって日本の立場が格段によくなる…

参議院財政金融委員会の答弁で白川総裁も結局、通貨の信認って何?という質問に対してどうにも明確な答えを答えてないように感じましたが、ここでいう「信任(信認)」の定義は決まっていますか?
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