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りそなの公募増資が発表

2011年01月11日

りそなの公募増資が発表


 平成23年1月7日に、りそなホールディングスが最大13億株、概算手取り金額5752億円の公募増資を発表しました。これは前年11月5日の6000億円の発行登録を受けて、具体的に発表されたものです。

 本誌では昨年10月17日付けの「エクイティファイナンスの裏側 その3」で三大メガバンクのファイナンスについて非常に批判的に書き、同じく昨年11月8日付けの「りそなの6000億円の公募増資について」で、やや好意的に(その時は)書いてありますので、ぜひ合わせてお読みください。

 発表された増資の内容は、最大発行株数13億株(現在の発行株数が12億1495万株なので、それ以上の新株が今回発行されるわけです)で、国内分が55%、海外分が45%となります。

 国内分の共同幹事は野村証券、メリルリンチ日本証券、大和証券キャピタルマーケッツ、海外分の共同幹事はMerrill Lynch International, Nomura International plc, Goldman Sacks International が指名されています。

 野村証券とメリルリンチが内外で指名されているのは、今までの関係からして当然だと思いますが、国内の大和証券と、海外のGoldman Sacks は、ちょっと意外な感じがします。

 海外分は当然、貸株付きでヘッジファンドに提供されるはずで、国内分と同じ4%強の手数料が入るため、特に営業努力をしなくても膨大な手数料が入るのです。発行登録のときは海外分についての記載がなかったため、少しはまともな募集をするのかと思ったのですが、やはり半分近くが海外分でした。

 ここで野村証券とメリルリンチは国内分の共同幹事でもあるため、海外分でもあからさまな貸株付きのヘッジファンドへの販売もできにくいと思いますので、またGoldman Sacks が一番おいしい所を持っていくことになりそうです。

 余談ですが、ヘッジファンドの注文を独占的に受け、貸株や資金調達等のサービスを提供する証券会社をプライムブローカーと言い、非常に儲かるうえに、ヘッジファンドの情報がすぐに手に入る、おいしいビジネスなのです。2~3年前までの最大のプライムブローカーは、倒産したBear Sterns と Lehman Brothers だったのです。前者はJP Morgan、 後者はBarclays と野村証券がスポンサーとなったのですが、しっかりとこのプライムブローカー部門を両社から引き継いだのがGoldman Sacksでした。従って、現在ヘッジファンドとのビジネスで圧倒的シェアを持つのがGoldman Sacksと言うことになり、今回も海外で圧倒的な販売力を持つ(つまりヘッジファンドと一番親しい)と売り込んだのでしょう。

 りそなホールディングスの発表された増資に話しを戻しましょう。いくつかのポイントについて書いてみます。

1) 今回の増資は、りそなホールディングスの発足直後の2003年5月に大幅な資本不足に陥った時に、預金保険機構が引き受けた優先株の残額約1兆2000億円のうちの9000億円を償還するために発行されるものです。この優先株には普通株への転換条項と、転換価格の下方修正条項が付いており、もし株価が下がり続ければ最大で60億株もの潜在株となるため、普通株に置き換えておくので希薄化には当たらないとの説明がされています。まあいろんな考え方があるのですが、一応理解でき、昨年までの三大メガバンクの増資よりは「まし」だと言えます。

2) しかし、普通株だけで見ると、今回の増資で発行株数が倍以上になり、しかも今回の増資の45%が海外(つまり長期保有をするつもりのないヘッジファンドが大半)であるため、株価へのダメージが大きいと言わざるを得ません。

3) ところが、昨年11月5日に発行登録をする直前の株価が612円で、発行登録後の11月16日に463円(引け値ベース)まで下がりました。実に時価総額で1800億円も減ってしまったのです。ようやく発表の前日の1月6日から出来高を伴って上昇してきて、当日朝に579円までつけたのを待って、発表したとも取れます。

 最近JVCケンウッドなど、増資の発表をした後に株価が上昇する例も出てきたのですが、りそなの場合は株数が倍以上になることと、調達する資金は優先株の償還に充てられ業務の拡大等に使われるわけではないため、やはり週明けからかなりの株価の下落に見舞われることになると思われます。

4) 発表直前に株価が出来高を伴って急上昇したのは、思った以上に株価が短時間で急上昇したため、空売り(別に海外勢ばかりとは限りませんが)があわてて買い戻したのだと思います。ということは週明けから株価が下落した時に、買い戻される株が減ってしまっていることになります。

5) 昨年末に、値決めまでに空売りをした投資家は公募株を買えないようになることが決まったようです。現時点でこのルールが適応されるわけではないのですが、実質的には国内投資家は、すでに持ち株のヘッジもできないことになっています。
一方、このルールは海外投資家への強制力はないため、ますます国内投資家が不利になり、それだけ国内での販売が難しくなるはずです。つまり週明けから起こるであろう、値決め(1月24日~26日のどれか)までは、国内投資家の売りが制限される中で、海外勢(もちろんヘッジファンドです)の遠慮ない売りが出てくることになります。

 やはり、どう考えても、週明けから株価はかなり下がり、やはり借株を売却したヘッジファンドが短期で儲け、国内の既存の株主が損失を被ってしまうことになります。また、ようやく最近になって、増資を発表しても株価が下がらない例が出始め、発行市場が活性化する兆候が見られそうになっていたのに、再び冷え込んでしまうという結果に終わりそうです。

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