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あらゆる失政が凝縮された日本長期信用銀行事件  その2

2011年01月13日

あらゆる失政が凝縮された日本長期信用銀行事件  その2


 昨日の続きです。

 日本政府は、一時国有化した日本長期信用銀行を早期に売却して、投入した公的資金を早く回収しなければなりません。すでに7兆9000億円の公的資金をつぎ込み、3兆6000億円の損失がすでに確定しているため、単に公的資金の回収のみならず、確定してしまった損失(国民負担)をどうやって取り返すか、国民が納得するスキームを提示しなければなりませんでした。

 しかし政府は2000年3月に、全く無名のティモシー・コリンズなる人物が主催するリップルウッド・ホールディンスに何と10億円で全株を売却してしまいます。

 リップルウッドは1995年にニューヨークで設立されたそうですが、米国でもほとんど実績がありませんでした。しかし政府は、この全く実績のないリップルウッドに、全く無競争で8兆円近い公的資金の入った国民の大事な財産である日本長期信用銀行を売却してしまったのです。

 しかも売却後3年間は、新たに2割以上の損失が発生する資産については、預金保険機構が買い取るという「瑕疵担保条項」までつけていたのです。そしてこれが新たな国民負担を生み、強烈な貸しはがしと、「そごう」をはじめとする多くの企業倒産の原因となるのです。

 当時、政府は日本長期信用銀行の売却先の選定に際し、中央三井信託銀行等との競争入札を行ったと言っていますが、日本の銀行には「今、おたくはそんな状態ではないでしょう」と、あからさまに手を出さないように「指導」していたようです。

 リップルウッドは、組成した「ニューLTCB パートナーズ」なるオランダ籍の投資組合を通じて1200億円の増資を引き受け、「新生銀行」として2004年2月19日の再上場時に持ち株の3分の1を売却して3400億円を手にするのです。上場時に売却せず保有していた株式の時価を合わせると軽く1兆円もの利益を得ました。

 しかし、8兆円近い公的資金をつぎ込んで、うち3兆6000億円の損失が当初から確定していたのに加え、「瑕疵担保条項」を乱発されて、その後1兆2000億円もの不良資産を買い取らされて、最終的には5兆円近い損失(国民負担)が確定していた日本政府は、全株を売却していたため1円の売却代金も入っていないうえに、この投資組合がオランダ籍であったため1円の税金も取れなかったのです。

 「ニューLTCB パートナーズ」の出資者としてはドイチェバンク、メロンバンク、バンコ・サンタンデール、GEキャピタル、アムロバンクなどが入っていたと言われます。日本関係では、安田生命が出資していたペインウエーバーを通じて出資したと言われていますが、本当のところは分かりません。

 あまり知られていない事実なのですが、この日本長期信用銀行売却のスキームに関し、日本政府のアドバイザーがGoldman Sachs で、「ニューLTCB パートナーズ」を組成し、実質このスキームを考え出したのが、Goldman Sachs にいた J.C.フラワーズなる人物なのです。ティモシー・コリンズなる人物も、リップルウッドなる会社も、あくまでも表の顔で、買収後も、そしてなんと現在の新生銀行にも絶対なる影響力を有しているのが、このJ.C.フラワーズなのです。

 ティモシー・コリンズを日本に紹介したのは、三菱商事元社長の槇原稔氏だと言われています。そしてコリンズ(と言うよりフラワーズ)が初代社長に連れてきた八城政基氏と併せて、Goldman Sachsを中心としたユダヤ及び、日本の親ユダヤネットワークによる大がかりなディールなのです。

 私は、何も「ユダヤの陰謀」などと言うつもりはありません。最大の問題は、こういうディールを認めてしまった日本の金融当局の大失策、いや国民に対する重大な背任行為にあるのですが、ついぞ誰も責任をとりませんでした。

 平成22年11月22日と同24日に「GM再上場とJAL再建策」で書いているのですが、日本がこういう場合、絶対に株式市場を使って将来の上場益で国民負担を回収しようとは考えません。これは日本当局、つまり官僚組織が当時も今も「株式市場は怪しい輩が、不正な手段で金もうけをするところ」という認識を捨てず、株式市場を信用していないからです。そんな国の株式市場が本格的に上昇するはずがありません。

 リップルウッドについていえば、まさに「怪しい外人が、日本国民の財産を使って巨額の利益を根こそぎ持っていった」のですから、まさに当局の認識どおりだったのですが、それで済まされるはずはありません。なぜ政府が、せめて半分の株式を持ったまま、わざわざ無名のリップルウッドなんかに頼らないで、日本の民間に再生を委託して上場益を取ろうとしなかったのか不思議です。譲渡価格が10億円で「瑕疵担保条項」までついたなら、誰がやっても儲かったはずです。

 そもそもリップルウッドは別に経営ノウハウがあるわけでも何でもなかったため、その後の新生銀行も迷走を続け、同じくリップルウッドが手掛けた日本コロンビアとかシーガイア等も何も良くなっていません。

 ただ日本の当局は、当時も今も、何故か外人には非常に寛大です。「日本の怪しい輩が儲けるくらいなら、外人が儲けてくれた方が、批判が少なくて良い」と考えているとしか思えないことが数多くあるのです。これらについては、また取り上げていきたいと思います。

 昨年9月に会社更生法を申請した武富士のスポンサーに、ローンスターとかサーベラスと言った海外のファンドのみが手を挙げているようです。これは結局、未解決の過払い金返還請求の大半を切り捨てなければならないので、日本人のスポンサーだったら当局の対応が批判されるので、「外人に任せたら切り捨てられてしまいました」と言いたいから、日本の会社がスポンサーにならないようにしているのかもしれません。

 そして武富士のスポンサー選定等のアドバイザーが新生銀行というのは、もうブラックジョークとしか言いようがありません。

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