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米国FOMCが数値基準導入と国債購入を決定

2012年12月14日

米国FOMCが数値基準導入と国債購入を決定

 米国FOMCが12月11~12日に開かれました。重要なポイントが2つあります。

 まず、事実上のゼロ金利政策を「失業率が6.5%に低下するまで」継続すると新たな数値基準を導入しました。向こう1~2年のインフレ見通しが2.5%を超えず、インフレ期待が抑制されていることを条件としています。

 先日発表された11月の失業率は7.7%で、リーマンショック後の最悪水準の9.6%から低下しています。またもともとゼロ金政策を2015年半ばまで継続するとしていたのですが、FRBは失業率が6.5%まで低下する時期についても、やはり2015年半ばと考えているようです。

 もう1つ、昨年9月から月額450億ドルのペースで続けていた3年未満の保有国債を売却して6~30年の長期国債に入れ替える「ツイストオペ」を年末で終了し、新たに月額450億ドルの5年~30年の国債を買い入れます。

 入れ替えでなく新規の購入となります。本年9月からMBSを月額400億ドル買い入れているため、来年から毎月850億ドル(7兆円)もの国債(5年~30年)とMBSを買い入れることになります。ただその買い入れる期間については「労働市場の見通しが大幅に改善されなければ継続する」としているだけで、失業率が6.5%に低下するまでとも言っていません。

 重要なことだけ書きます。

 まず月額850億ドルの国債とMBSの購入が、仮に2014年末までの2年間継続された場合、総額で2兆400億ドル(169兆円)にもなります。

 FRBの保有するMBSは少しずつ部分償還になるのですが、国債はすでに6670億ドルの「ツイストオペ」でほとんどの短期債を売却しているため償還がほとんどありません。つまり新たに買い入れる国債とMBSはほとんどそのままFRB資産の増加となります。

 12月5日現在のFRBの総資産は2兆9029億ドルで、内訳は国債が1兆6153億ドル、MBSが8836億ドルとなっています。

 つまり今でもFRB資産の大半が、6~30年の長期国債と、これも長期債で流動性がやや落ちるMBS(注)となっています。

(注)FRBの買い入れるMBSは、実質国有化されているFNMAとFHLMCが保証しているものです。米国政府が保証していると言えなくもありません。保証していないMBSも金融危機時に実質国有化したAIGから買い取っていたのですが、ほとんど売却済みです。

 つまりFRBの総資産は今後2年間で2兆ドル近く増えて、5兆ドル近くになるかもしれません。金融危機以前のFRBの総資産は8000億ドルほどでした。また直近の日銀の総資産は159兆円で、ECBの総資産は3兆400億ユーロです。

 つまりこれからのFRBは「巨大な長期債の塊」になってしまうのです。もし目算通り失業率が低下し経済が回復したとしても、量的緩和を終了させることは簡単ではありません。「巨大な長期債の塊」を市場で売却しなければならないからです。

 もう1つ注目しておかなければならないことはFRBの負債の方です。つまりFRBが積極的に供給している資金が「どこに行っているのか?」です。

 あまり報道されていないのですが、本年10月時点でFRBの負債の大半は、1兆640億ドル(88兆円)の紙幣と1兆5847億ドル(131兆円)の準備預金です。

 つまり1兆5847億ドル(131兆円)もの資金がFRBに預けたられたままなのです。
 
 積極的に供給した資金が経済に供給されずに金融機関に留まっている状態はFRBも同じです。日銀の当座預金(直近では39兆円)よりはるかに巨額の資金がFRBに預けられたままなのです。もちろん今後はもっと増えることになります。

 この状態は、景気回復の気配が見えてきたら貸出しが一気に増えて経済が急回復するのではなく、何かのきっかけで一気に米国内外の商品・株式・不動産に資金が流れインフレ懸念を増大させることになります。

 FRBの積極的な緩和姿勢も、結構危うい綱渡りなのです。

 因みに日銀の購入する国債は大半が短期債なので、いつでも緩和を打ち切れるようになっています。

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コメント
169兆円ですよー。そろそろサハおねがいします!
ご指摘いただきまして誠にありがとうございます。記事を訂正させていただきました。

大変失礼いたしました。

サハに関しましてはもうしばらくお待ちください。
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