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日本銀行はヘッジファンドではない

2012年12月20日

日本銀行はヘッジファンドではない

 本日から日銀の政策決定会合が開かれ、明日(12月20日)に金融政策の変更があれば公表されます。まだ正式に発足してない安倍政権の強い意向を、来年4月に任期の切れる白川総裁はともかくとして、審議委員の諸氏がどこまで見事に変身して受け入れるかが注目されます。

 日銀に限らず世界の中央銀行の役割とは、金融市場に供給する資金の量を調節することによって実体経済に間接的にメッセージを与えることだけのはずです。つまり中央銀行の究極的使命は「自国通貨の信認・価値を守ること」なのです。

 それが最近は、購入対象資産を量・質とも拡大することによって、直接的に経済回復に働きかけるようになってきています。

 FRBが主に長期国債と住宅ローン担保証券(MBS)をほぼ無制限に購入するのは、市場にまだまだ余剰感のあるMBSを吸収し、同時に長期金利も押し下げて不動産市場を活況化させて経済を回復させるためです。
 
 ECBがイタリアやスペインなどの南欧国債を、残存年数3年未満に限るものの無制限に購入するのは、もちろん債務問題国の資金繰りを助けてユーロ市場の混乱を沈静化するためです。

 つまりFRBもECBも「自国通貨の信認・価値を守ること」より「自国経済の回復」あるいは「(ユーロ圏の)混乱回避」を優先していることになります。

 しかしドルもユーロも国際通貨(基軸通貨)なので、本来は「自国通貨の価値・信認」はあまり気にする必要はありません。一度確立された国際通貨(基軸通貨)としての地位は、簡単に奪われることがないからです。

 その理由は、国際金融市場ではドルとユーロが流通し保有量も多くなっているため、簡単に捨ててしまうことが出来ないからです。

 しかし国際通貨(基軸通貨)になっていない円を発行する日本銀行は、そういう訳にはいきません。円の信認・価値に十分注意を払っていないと、問題が出てくるように思えるのです。

 日本銀行は「資金コストゼロのヘッジファンド」ではないのです。

 つまり経済回復や株高・円安のためにバランスシートを無制限に膨らませて、残存年数の長い国債などの価格変動リスクのある資産(特に外貨資産)を無制限に購入してはならないのです。

 しかし本誌は(目的は厳選しなければならないものの)弾力的な財政支出や、もっと積極的な株高・円安対策や、とくに戦略的な外貨取得には大賛成です。

 じゃあ、どうすればよいのか?

 日本銀行の役割は、潤沢な資金供給とそのための短めの国債を中心とした資産購入だけに限定させ、その他の経済回復のための「ヘッジファンド的な業務」は別の仕組みを作って行うことです。

 最近あまり見かけないのですが、海外の金融機関が「資産内容を厳選して高い格付けを維持して、低コストの資金調達だけを行うSPC」を多数支配していました。日銀はこういうイメージであるべきです。

 ヘッジファンド的な業務と言っても、外貨関連は外為資金特別会計に「国家ファンド」的な性格を持たせればよく、積極的な財政政策といっても突き詰めれば財源の問題なので国債の安定消化のための方策となります。
 
 その方策として、昨日は長期国債の保有を純増させた金融機関に対して日銀が純増分を比較的長期・低利で供給すべきと書いたのですが、これはほんの1例です。

 また「国家ファンド」の創設を含む戦略的外貨取得は本誌のかねてからの主張ですので、その意義も含めてまた書くことにします。

 本日の勝手な提言は「日銀の本質的業務と、ヘッジファンド的な業務を混同させてはならない」でした。

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