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日本銀行の追加金融緩和

2012年12月21日

日本銀行の追加金融緩和

 本日(12月20日)日本銀行が追加金融緩和を発表しました。ポイントは次の3点です。

 1番目は、資産買入等の基金を現在の91兆円程度から10兆円拡大して101兆円程度にします。拡大するのは短期国債を5兆円、長期国債(注)を5兆円です。

(注)長期国債と言っているのですが、残存年数1~3年の国債に限ります。

 拡大された資産買入等の基金の内訳は、長期国債が44兆円(本年11月末の残高は22.1兆円、以下同じ)、短期国債が24.5兆円(8.9兆円)、共通担保による貸出は25兆円(27.0兆円)などで、合計で101兆円(64.6兆円)となります。

 買入れの完了が2013年末なので、今後1年で36兆円程度の資産が買入れられることになります。またこれらは残高目標なので、買入れた資産が償還になるとその分も合わせて買入れられるはずです。

 2番目は、前回の決定会合で導入が決定されていた「貸出増加を支援するための資金供給」の詳細が決められ、2014年3月末までに仮に最近の貸出実績を前提にすると15兆円を上回る資金が供給されます。

 これらを合計して、今後1年余で50兆円超の資金供給がされると説明しています。

 3番目は、現在は年率1%の上昇とされている「中長期的な物価安定の目途」の点検を次回の決定会合(来年1月21日~22日)で検討することです。

 これこそ安倍総裁の「強い意向」の2%の物価上昇目標に対して「いやいや」付け加えたもので、あくまでも「目途」のままで「目標」とは言っていません。

 まあ、第1ラウンドとしてはこんなものなのでしょう。

 本誌が強く主張している日銀当座預金の付利撤廃は、石田審議委員から提案されたのですが、同委員以外全員の反対で否決してしまいました。一番簡単でしかもコストが削減され(平均残高が40兆円として0.1%で400億円)、それなりの効果があると思うのですがね。

 本日の決定だけをみると目新しいものは何もなく、期待だけで進んでいた株高・円安は一服となりそうです。

 それより日本銀行にとっての最大のイベントは、来年4月に任期が切れる白川総裁の後任人事です。

 多数の自薦・他薦候補者が出ているようですが、日銀総裁だけでなく副総裁(2名)と審議委員(6名)もすべて衆議院・参議院の同意を得て内閣が任命する国会同意人事です。

 白川総裁だけでなく、山口・西村両副総裁も来年3月に任期切れとなります。

 国会同意人事というのは、あくまでも衆議院と参議院がそれぞれ同意する必要があり、衆議院の再可決の規定はありません。つまり「ねじれ状態」が残ったままなのです。

 その後任候補ですが、何と言っても財務省にとってはOBの日銀総裁への天下り再開が「悲願」です。5年前に民主党の不同意で就任できなかった「準10年に1人の大物次官」武藤敏郎氏が有力ですが、強硬な財政再建論者のため安倍総裁が難色を示すはずです。

 「新10年に1人の大物次官」勝栄二郎氏は、退任したばかりなので官僚組織のバランスで「遠慮する」ことになります(そもそも退任直後の天下り規制があったはずです)。

 「元祖10年に1人の大物次官」斉藤次郎氏は日本郵政社長で、今回財務省OBの坂氏に禅譲しました。
 
 安倍総裁は、すり寄ってくる人物を良く考えずに重要ポストに就けてしまう傾向があります。前回の首相時に最重要の首席秘書官に国鉄職員だった井上義行氏を「抜擢」し、自身の政権が短命に終わる要因にもなりました。しかも井上氏は、あろうことか先日の衆議院選挙で「みんなの党」から出馬しており(神奈川17区・落選)、能力だけでなく忠誠心も見誤っていたことになります。

 本誌が最大懸念する日銀総裁候補は竹中平蔵氏です。小泉内閣でも主要閣僚として誤った改革で長期の日本経済低迷を引き起こした責任は大きいのですが、今回も何故か人気のようです。ご本人はロイターのインタビューで「全く関心がない」とおっしゃっていますが、インタビュー内容によると「やる気満々」のように思えます。

 少なくとも自らの信念で行動するタイプではないため、今度は安倍総裁の意向を受けて過激な金融緩和に突っ走ってしまうような気がします。

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コメント
いつも楽しみに拝見させてもらっています。

もしよろしければ、何故、竹中平蔵がダメなのか、記事にしていただくと有難いです。すみません、わりと竹中平蔵が好きだったものですから。
竹中氏について、

>小泉内閣でも主要閣僚として誤った改革で長期の日本経済低迷を引き起こした責任は大きい

と書かれていますが、私自身は未だに小泉・竹中改革を果たしてどのように評価すべきなのか、頭の中が固まっておりません。

彼らの経済政策に対する総括と評価も是非一度お願いしたいところです。


小泉内閣が高支持率だった時代、すごいイメージがよく好感の持てる人だなと思っていました。 でも、パソナの会長に就任した時から好感は持てなくなりました。 TVでみるのも嫌です。 彼は、経済学者ですから実験をしただけで最後まで見届ける責任も果たさないで自分の天下り先を作った様にしか今は感じません。 今回も何か実験をするのではないでしょうか?
米国は郵政民営化を小泉首相に迫ったのかと!そのブレーンでもあったのが、竹中平蔵氏。

小泉・竹中氏は、日本の従来からの雇用形態である正規社員から非正規社員を多くした雇用形態へ変えたコンビですから!非正規社員を多くするにもその雇用環境の整備をすることなくいきなり米国雇用形態としたんですから!派遣切り問題等増加!

日銀総裁候補ですが、勝氏だと、武藤氏を飛び越える飛び級になりますから、個人的には武藤氏かと・・・谷垣氏が閣僚候補になっていますから、財務大臣就任なら武藤氏が日銀総裁となる確率高いかと。

そして、預金量等では日本最大の官営式民間企業となりましたが、民主党政権下<支持基盤は労働団体>で、西川氏から官僚・斎藤氏<小沢一郎氏の関係>へバトン・タッチしました。

今後、復権した自民党政権が、民営化した郵政事業をどうするのか注視かと思います。銀行協会は、民営化された郵政事業会社が既存の金融機関業務を圧迫するとして抵抗をしています。

自民党政権が、郵政株式を譲渡するのか?

余談ですけど、ミサワホームの現社長は平蔵氏の実兄。創業者であり社長であった三沢千代治氏を、金融機関、官僚、平蔵氏三位一体で追い出しした経緯<千代治氏は、自立で再生できると。また、個人株主として株主総会で発言するも無視される>。そして、ミサワ子会社ミサワ・バンには、千葉県袖ケ浦市に広大な工場跡地<バンがM&Aした鈴木鉄工所>があり、君津製鉄所からも近い。群馬県内にバンには、産業廃棄物処理会社もありましたから、トヨタが触手を伸ばし、ミサワの筆頭株主は、トヨタに。
いつも拝見させて頂いております。

確かに竹中平蔵氏が日本の雇用形態を激変させた責任は重いとは思います。しかしながら、2003年には、なかなか進まなかった銀行の不良債権を断行させています。その後の銀行株の株価を見ますと、それほど誤った改革でもないと思いますが、いかがでしょうか。他の方も仰っていますが、竹中平蔵氏が何故ダメなのかを記事にして頂きますと幸いです。
筆者様が竹中平蔵氏に懸念しているのは副作用かと思うのですが。ただ財務省が面白くないのでどうやって折り合いをつけるのか。霞ヶ関とガチンコでぶつかり合ったら第二次安倍政権も短命に終わりそうですが。

竹中氏は維新の会ブレーンだとてっきり思っていたら石原慎太郎率いる太陽の党合流で自民に寝返っていたのですね。そう言えば安倍ノミクスブレーンは竹中氏側近の高橋洋一喜悦大学教授の名が出ていましたね。この間池田信夫ナントカ大学教授と不毛な議論をネットでしていたので何でかなと思ったらそういうことらしいです。
日本経済 余命3年 にならぬように。
アメリカや欧州などは300兆円規模の拡大政策を行っている。中国政府も、輪転機を回して人民元のお札を無制限に刷っているときに、無能日銀は国際金融市場に反映せず、さらなる円不足円高に黙っていて何の行動も起こしていない。 安倍氏の様々な政策に抵抗、ネガティブな議論をしていても日銀としてどんな有効な対策があるのだろうか? 知識、理論だけの言い訳はもういらない。日銀は自らの行為をどこまで国民に対して責任を負うかということじゃないのか?デフレ脱却のために大胆な金融緩和を行い、2%のインフレターゲットを示している分、自民党の安倍晋三は賢い。お金をよく廻すことで国際金融市場の日本派金融マンの雇用増、金融に限らず景気対策の恩恵を最大限受ける層が増え日本全体の雇用が良くなる。

安倍氏が賢い? 笑えますね
そんな風に思う人がいるなんて。
インフレ2%で経済が上向き
良くなっていくとは思わないこと。

このデフレが日本を救っていたのだよ。
今さらやったところで
格差が広がり米欧のような
貧しい国民がふえるだけ。

しかし自民が米国にたてつく訳もない
これから安倍の発言の本音がでてくるのでは?
馬鹿は好い所だけみて
また小泉のように売国奴を支持する。

良いところだけ見るな。
言葉を信じるな。
国益になっているかどうか
口だけ男に騙されるな。
闇株先生と竹中平蔵さんは高校・大学の同窓生(1年違い?)のはず。年末年始に地元で平蔵さんから本音を聞き出すってのはどうでしょう?
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