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日本の銀行について

2011年01月14日

日本の銀行について


 現在の日本経済の閉塞感は、利権を確保したい官僚組織と、本来の役目を果たしていない銀行に原因の大半があります。官僚組織については本誌でも何度か書きましたので、本日は銀行について書いてみます。

 先日、昨年末の全国銀行の預金残高総計が564兆円で、貸出残高総計が416兆円で、その差額が150兆円近くになったとの記事がありました。全国銀行というのは都市銀行、地方銀行、第二地銀のことです。

 この全国銀行の預金残高総計は、10年前の約470兆円から、毎年着実に増加しています。その一方、貸出残高総計は、10年前は約460兆円と預金残高とほとんど同じでしたが、その後減少を続け2003年ころには400兆円ぎりぎりまで落ちた後、2008年までに30兆円ほど増加したものの、リーマンショック以降再び減少に向かっています。(はっきりした数字を挙げていないのは、集計方法によって微妙に違うため、趨勢だけ書きました。)

 その間、量的緩和(2001年3月~2006年3月、2010年10月~)の時期を含めて、一貫して金融緩和をしていたはずなのに、貸出残高がこの10年で約1割も減少したことは、まさに驚くべきことなのです。この10年間の経済の停滞の原因はここにあるのです。

 これに対する銀行側の説明は、決まって「資金需要がないから」なのですが、銀行自身がリスクをとって貸し付ける努力を一切放棄してしまっているからです。

 しかもこの貸付残高の中には、保証協会など公的支援による分も含まれているため、銀行自体がリスクをとっている貸付は、もっと減っていることになります。
 
 さらに、これだけ貸出しを減らしている上に、今度は銀行自体が巨額のエクイティファイナンスを行い、そうでなくても少なくなった株式市場のリスクマネーを大量に吸い上げているのです。さらに三菱UFJなどは、わざわざリーマンショック時に瀕死のMorgan Stanleyに1兆円もリスクマネーを気前よく差出し、取締役1名の席だけもらって舞い上がっていたのです。(昨年10月17日付け「エクイティファイナンスの裏側 その3」をご参照ください。)

 銀行は、その余った資金で国債をせっせと買っており、全国銀行の国債保有高は昨年末で142兆円にも上っています。

 米国では、FRBが6000億ドルもの国債を買い入れる量的緩和を行うと、その資金が入った金融機関は、そのかなりの部分を貸出しなどの信用創造に回すので、それなりの景気刺激効果が期待出来、事実米国経済は上向き始めています。

 一方、日本の銀行は、日銀がいくら国債を買い入れてくれても、その資金でまた国債を買うため、信用創造に回りません。さらに弊害として、国債金利がいつも低めに維持されるために、金利体系全体が低めに維持され、一方では、クレジットリスクのあるとこには金輪際資金が回らないため、日本国全体の収益構造がいつまでたっても向上しないのです。

 ついでに全国銀行で昨年は10兆円もの外国債券を購入していたようです。銀行ですから短期の外貨を調達して購入するため、円安効果もなく、しかも年末の米国債等の金利上昇で含み損も発生しているようで、まったく日本経済にとって意味のない投資です。

 しかし、最大の問題は、その詐欺的な預金金利です。

 564兆円もある預金に対して支払っている金利は、普通預金で年0.02%、2年定期で0.04%、5年定期で0.06%程度です(300万円程度の定期預金)。これに対して単純に国債を買っていたとしても、2年国債で0.17%、5年国債で0.46%程度の利回りが得られるため、国債金利の8分の1程度の金利しか支払っていないことになります。実に9割近くをピンハネしているのです。

 さらに、これだけ金利が低いと、預金者は定期にせず普通預金に預けっぱなしで、結果的に何年も金利を普通預金の0.02%しかもらっていない預金者も多いと思われるためピンハネの度合いはもっと大きくなります。

 たしかに企業貸付や、消費者ローン金利などは、貸し倒れのリスクがあるからとか、与信管理のためにコストかかるとか、人件費がかかるとかで、もっと膨大な金利差をとっているのですが、少なくとも国債投資は貸し倒れリスクもなく、人件費もそんなにかからないはずです。それでも9割近くをピンハネしているのです。

 つまり、銀行全体で見ると、毎年膨大な収益が預金者から銀行に移転しているのです。しかし、現在銀行で税金を支払っているところはほとんどありません。過去の貸し倒れ損失の繰越が、まだまだ膨大にあるからです。

 ちなみに三大メガバンクの平均給与を四季報から拾ってみますと、三菱UFJで787万円、三井住友で733万円、みずほで664万円となっています。平均給与ですから入ったばかりの行員も含む平均です。これって何かおかしいと思いませんか?

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