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日本国債はどうなる? その1

2012年12月26日

日本国債はどうなる? その1

 昨日はNHKスペシャル「日本国債」を批判したので、本日は日本国債について出来るだけ冷静に客観的に分析します。批判だけだと誰でも出来るからです。

 さらに踏み込んで、本誌がヘッジファンドなら「日本国債を、こうやって売り崩す」も解説します。本誌は国策を重視するので、あくまでも「こうすれば、売り崩されない」との解説にもなるからです。

 ただ国債について発表されている数字はあまり親切なものではないため、その辺りを補足しながら書いていくとどうしても長くなってしまいます。従ってヘッジファンドの「売り崩し」は明日になります。

 まず財務省の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」の今年度末(2013年3月末)時点予想では、普通国債が708.9兆円、財投債が113.5兆円、借入金・交付国債が63.8兆円、政府短期証券が199.4兆円となっています。これに政府保証債務の45.5兆円を加えた1131兆円が政府の負債総額です

よく国債発行残高が709兆円と言われるのは、この普通国債だけのことで、政府負債の6割でしかありません。財投債は利払い・償還金が財政融資資金の貸付回収金で賄われていることや、政府短期証券は1年未満で償還されている(実際はずっと借り換えされて長期債務と同じです)ことから別枠扱いされているのですが、同じ政府の負債です。

 つまり政府の負債総額は、発表されているよりも大きい1131兆円なのです。2012年の名目GDPが470兆円ほどと予想されるので、その2.4倍にもなります。

 その代り、2012年9月末の資金循環表では一般政府の負債1133兆円に対して資産が481兆円あります。ここでいう一般政府とは政府・地方・社会保障基金の合計で、上記の政府の負債総額の1131兆円と似ているものの全く別の数字です。

しかし大雑把に言って負債の4割程度の資産があることは分かります。つまり国債を含む政府の負債は、決して借りて使ってしまって借金だけが残っているのではないのです。

 さらに「政府および地方の長期債務」のなかに、地方の長期債務が200兆円あるとされています。地方の短期債務が不明なのですが、少なくとも政府の負債総額の1131兆円にこの200兆円を加えた1331兆円が公的負債総額なのです。

 今年度の国債発行額を見てみましょう。

 今年度の当初予算では、新規財源債が44.2兆円(うち建設国債が5.9兆円、特例国債が38.3兆円)、復興債が2.7兆円、財投債が15兆円、借換債が112.3兆円、総合計174.2兆円の国債が発行される予定です。

 このうち市中発行が149.7兆円、日銀乗り換えが16.7兆円などです。

 市中発行149.7兆円の償還年限別内訳は、1年未満が38.1兆円、2年債が32.4兆円、5年債が30兆円、10年債が27.6兆円、20年債が14.4兆円、30年債が5.6兆円、40年債が1.6兆円となっています。

 つまり10~40年債が49.2兆円もあるのです。当たり前の話ですが、償還される国債は残存年数がゼロになって償還されます。これに対して49.2兆円もの10~40年債が「新たに」市中に供給されるのです。

 もちろん日銀が大量の国債を買入れているのですが、資産買入等の基金はすべて短期国債と残存年数1~3年の国債ばかりです。

 日銀はこれ以外に年間21.6兆円の国債を買い入れているのですが、その残存期間の内訳は1年未満が7.44兆円、1~10年以下が12兆円、10~30年以下が1.2兆円、変動利付債などが0.96兆円となっています。

 ここで1~10年以下の12兆円の内訳が不明なのですが、常識的に考えると10年前後~40年の国債は、せいぜい年間3兆円程度しか買入れていないことになります。

 つまり国債の需給を10~40年の長期債に限ってみてみると、今年度は新たに49.2兆円も発行され、日銀がせいぜい3兆円程度しか買い入れていないことになります。この状態は昨年度も一昨年度も似たようなものだったはずで、来年度以降も同じはずです。

つまり10~40年の長期債は、毎年どこへ行っているのでしょう?

 続きます。

 

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コメント
評論家<まい~ん>氏に、敏腕債券トレーダー経験者が、カリカリすることなしかと思います。でも、そこが執筆者の魅力でもあります。

ソロス氏が、サッチャー政権時代に英ポンドを売り浴びせ、1997年のタイバーツ売り浴びせに始まるアジア通貨危機の如く、債券市場にもビッグ・プレーヤーが登場しないとは言い切れなかと思いますけど、どうなんでしょうか?
まぁ片想いであれば自分はシーズンで終わっちゃいそうですねパンダ
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