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日本銀行はヘッジファンドではない  その2

2013年01月11日

日本銀行はヘッジファンドではない  その2

 昨年12月20日付の同題記事の続編です。

 前回の日銀政策決定会合(12月19日~20日)の結果発表直前のタイミングをとらえて、政府からの要求が強まっていた「残存年数の長い国債や、株式やREITや外債などのリスク商品の大量買入れ」に対してコメントしたものです。

 日本銀行は金融市場への豊富な流動性供給に特化すべきで、リスクをとって株式・不動産市況の回復や円安誘導を図る「ヘッジファンド業務」は、別の主体で積極的に行うべきとの主張です。

 仮に10年以上の残存年数の長期国債を購入すべきと考えたなら、それを日銀が直接購入するのではなく、その残高を増やした金融機関に対して増加分を低利(0.1%)で比較的長期に(例えば4年まで)資金供給するなどに留めるべきです。

 これは貸出しを増加させた金融機関に対して、同様の資金供給を行うことが前回の政策決定会合で決定されているのですが、その対象を長期の国債まで広げようとするものです。

 1月9日に3年半ぶりに開催された経済財政諮問会議では、日銀に対しては「2%の物価上昇目標」の設定が強く要請されたようで、「ヘッジファンド業務」までは出てこなかったようです。取り敢えず円安・株高が進行しているからでしょう。

 次回の日銀政策決定会合(1月21日~22日)では、「2%の物価上昇目標」を盛り込む代わりに、資産買入等の基金の買入れ枠の増額はあっても買入れ対象は従来通りの短期国債と長期国債(残存年数1~3年に限ります)のままで、ETFとREITを「申し訳程度に」増額する程度だと思われます。

 さらに、資産買入等の基金の買入れ期間を2013年末から半年程度延長することになると思います。つまり「日銀のヘッジファンド化」は、今回は避けられそうです。

 何故、日本銀行のヘッジファンド化に反対するのか?ですが、FRBを見てみましょう。

 FRBは昨年9月からMBS(住宅ローン担保証券)を月額400億ドル、本年1月から4~30年の米国国債を月額450億ドルの買入れを始めています。

また昨年末までのツイストオペでFRBが現在保有する米国国債は、すべて7~30年の長期国債になっています。

 MBSは実質国有化しているFNMAとFHLMCの保証しているローンが対象なので、実質的に米国国債と同じ信用力があるとも言えるのですが、MBSも長期債で流動性がかなり落ちます。

 本年1月2日現在のFRBのバランスシートでは、資産勘定の2兆9602億ドル(260兆円)の中に、米国国債(つまり7~30年の長期国債)が1兆6661億ドル、MBSが9266億ドル含まれています。

 問題は負債勘定の中に1兆5086億ドルもの準備預金勘定が積み上がっていることです。ドル紙幣の発行残高は1兆1694億ドルなので、資本を含むその他資産が2822億ドルとなります。

 つまりFRBは、価格変動リスクの大きい7~30年の米国国債と、やはり長期債で流動性のおちるMBSを合計で2.6兆ドル抱え、その代金を1.5兆ドル預かったまま(つまりレバレッジがかかった状態)なのです。まさにヘッジファンドなのです。

 FRBの問題点は、巨額の資産買入れを行っても1.5兆ドルも金融機関から実体経済に資金が供給されていないことではなく、その1.5兆ドルが一気に市中に供給されたら急速なインフレになる恐れがあることと、バランシシートを縮小して「引締め」に転じようとすると長期の国債市場とMBS市場にかなりの混乱を引き起こすことです。

 これが中央銀行(FRB)「ヘッジファンド化」の恐ろしさなのです。

 たまたまですが、日銀のバランシシートはFRBと大きく違い、いつでも縮小することが出来ます。それはそれでよいと思うのです。

 しかし日本にとって、別の主体で「ヘッジファンド業務」を積極的に行うことは、大いに国策に叶うと確信しています。

 それが本誌のかねてからの主張でもある「国家ファンド」の創設ですが、それについては1月14日配信の有料メルマガ「闇株新聞 プレミアム」で、世界の主要ヘッジファンドの最近の動向と合わせて書く予定です。

 ポイントは政府の経済政策や日銀の金融政策と協力した国家ファンドこそ、世界の主要ヘッジファンドに対抗できるからです。

 今お申し込み頂ければ有料メルマガの課金は来月から(引き落としは1月31日)で、先週(1月7日)分もお送りいたしますので、是非登録して読んで頂きたいと思います。

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コメント
>ポイントは政府の経済政策や日銀の金融政策と協力した国家ファンドこそ、世界の主要ヘッジファンドに対抗できるからです。

それとは別に、先端技術、新産業への官民共同ファンドも必要だと思います。


・・・投資すべき成長分野の見極めには、国家プロジェクトとして国家の方針推進意志と民間の目利き能力が止揚される必要がある。
官民ファンドを作り、プロジェクト毎の出資額に応じた責任明確化の下に運営されるべきだ。・・・


■「アベノミクス」成功の条件 -消費増税凍結と公共事業の差別化-
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/776.html
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/53859007.html
商品先物は慎重に
ヘッジファンドをうまく利用して経済活性化に向かうことには賛同しますが、商品先物には賛同しかねます。
この数年、資源、食糧の高騰で多くの産業や人々が被害に会っています。
金、原油までは許せても産業用の金属資源や食糧にはブレーキがかかる制度を希望します。


日銀は、安倍政権の2%物価目標の要請を対して、中長期目標として達成時期の明記をしなく、具体的な政策手段もせずして2%要請を応諾するようですけど、企業の雇用が増加、安定し、給与所得<個人所得>が増資していかないと、個人消費は増加せずGDPは増加しなく、2%は「お題目」となる可能性もあります。

日経平均株価2007.2.26日高値18300円示現時の対米ドル円は、概ね120~122円台で、輸出企業が潤うも個人給与は減少していましたから、個人消費は増加せず名目GDPは下降しています。

海外で注視すべきは、GDP2位の中国かと・・・2012.12月輸出:前年同月比14.1%増<予想5%増>でしたけど、広東省での南方週末記事の検閲、改竄問題は、中国指導層にある改革派と保守派との権力闘争かと思います。胡錦濤氏から習 近平氏体制に移行しましたが、どうも習氏は、毛沢東に近い思想じゃないんでしょうか?3月の全国人民代表大会まで体制は流動的かと・・・

中国は、所得差が顕著で裕福な層は共産党幹部による利権構造がありますから、国民の所得を中流とされる段階まで所得を上昇させないと、格差是正を求める中国当局への突き上げが発生しないとも限りません。

中国当局もツイッターまでもは目が届かないかと・・・13億人の人民を1国で統治するのはどうなんですかね?

革新者が多い広東省からの蜂起となるんでしょうか!!


GDP2位の国家となりましたけど、憲政よりも党政<共産党>が優越し、自由<言論の自由>がない国家。
闇株さんの以前言っていた「日銀は国債を買うという正攻法の金融緩和をやれ」という話はどうなったんですか?短期国債を買うのがここで言う金融緩和だったんですか?いわゆる狭義の量的緩和に効果がないことは浜田氏も安倍氏へのFAXですでに指摘しているし、日銀擁護者と日銀批判者両方のコンセンサスと言っていいです。国家ファンドについては山崎元氏の批判はどう思いますか?

http://yamikabu.blog136.fc2.com/blog-entry-313.html
>具体的には、現在月額1兆8000億円の日本銀行の国債市中買い入れ額を、期限付きでもいいので倍額の3兆6000億円にすることです。これだけでいいのです。これは、国民負担が「ゼロ」なのです。ここで消費税を10%に引き上げて日本経済を大不況に陥れるのではなく、「思い切った」「正攻法」の金融緩和で対処すべきなのです。

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=267992486657535&set=a.131635893626529.21685.100003403570846&type=1
>ただ、ゼロ金利に近い現状では、買い入れ対象が短期国債では効きません。長期国債、社債、株式の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも必要となるわけです。バーナンキ議長がやっている抵当証券の買い入れも、このような考え方に基づいています。

政府の「官民基金」は怪しくないか?
http://diamond.jp/articles/-/30291
今年 日本はどれだけ
米国債を買わされるでしょうか? いつまで買わされ続けるのですか?アメリカの為の増税はうんざりです!
イーアクセス株についての解説お願いします。
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